3月下旬、桃花の便りが聞かれるようになると…、
春の雨が恋しい、山里は「穀雨」の季節。
かすかな花の香りを含み、大地を静かに潤していく春の雨。
芽吹きを見守る金剛石ってとこかな。。。
徳島地方では、この雨を『木の芽萌やし(このめもやし)』と呼ぶらしい。
とても素敵な呼び名だ。
時季は桃や李の花のころ、桃花が雨にぬれるさまは美しい。
恋しい木の芽萌やしの雨が降る。
春の雨のよびな、少し集めてみました。
雨香(うこう)
雨が降り出す前に、「あっ!雨かな…」って感じるとき。
そんな雨にかすかな花の匂いや芽吹きの匂いを含んでいる。
水神鳴(みずかみなり)
みずかみなり:春を告げる春雷。
雨を運んでくる雷は雨竜下ると言われ、激しい雨を伴う。
そう、冬の気配を全て流し去る季節の雨。
雨降り花
一輪草、コケリンドウ、ギボウシなどを指す。
その花が咲く(摘んだり)と雨が降ると言われている。
『春のエフェメラル』どこかはかなげで可憐な花たちだ。
花の雨
桜の花の時、そぼ降る雨を桜雨。
花の散花も美しい桜にこそ似合う。
花を散らしてしまう雨は「桜流し」と呼ぶそうだ。
来週お花見予定。
桜流しじゃなくて花筏ならいいなぁ!
木の芽萌やし(このめもやし)
春の芽吹きを母のように見守る雨。とても素敵な表現。
青葉雨(あおばあめ)
新緑を潤し、命を輝かせる雨の滴。青葉時雨は、
新緑の森に降る『十力の金剛石(宮沢賢治)』の雨。
勝手にそう思っている。
密雨散糸(みつうさんし)
白糸のように降る春の細雨。濡れて帰るのも苦にならない。
とてもやさしい雨なんだね。