子供の冬の衣類には、すぐに毛玉が出来てしまう。
面倒くさいなぁ…
そう思いながらも、手は毛玉取りを探してる。
俺が小さかった頃は、毛玉だらけの服だったよ。
毛玉くらい、大丈夫だよ。
気にしすぎだと言わんばかりに、声を掛けてくる夫。
あんなに小さかった子が、こんなに大きくなっちゃって…
毛玉の量が、ずいぶんと増えた。
産まれたての、小さな、小さな、君の口に
はじめて 母乳を含ませた
あの喜びは、今も この胸に残っているよ
私の瞳に映る君は、どんどん 大きくなっていく
君の瞳に映る私は、どんどん 小さくなっていく
いつかは 私も消えてなくなる
それでも 忘れないでね
毛玉みたいに モコモコっと ずっと 君を包んでいるよ