事務局長通信

2024年きんようび通信selection

2024年 きんようび通信selection

 

きんようび通信No.682 2024年1月12日

~能登半島沖地震について(1)~

テレビで流される能登半島沖地震の被害を観ていると、阪神淡路と東北大震災の状況が重なってきます。立ち尽くす人たち・懸命に救助活動を続ける消防や医療従事者等の姿に、心がざわついてなりません。福祉事業所への支援物資の提供が、関係者の努力によって進められています

先日、「なぜ日本は原発を止められないのか」(青木美希/文春新書)を読みました。丹念な取材で明らかにされた事実・証言に強い衝撃を受けました。安全神話に加担した人たちの罪は本当に大きい。今回、志賀・柏崎刈羽原発のことが報道されるたびにおそろしさを感じています

SNSによって混乱とデマが拡散されていることに対して、「以前の災害時よりも悪化している」とのコメントを読みました。憤りと同時に、情報を受け取った時に一呼吸おいて考えることが必要と思い直しました。荀子(じゅんし)<中国戦国時代末の思想家>の言葉を知りました

「共感と気づかいに満ちた災害救援者からの支援は初期反応の苦しみをやわらげ被災者の回復を助けます(サイコロジカル・ファーストエイド)との言葉を胸に、岩手沿岸部に向かったことを覚えています。今できることは何か・すべきことは何かを考え行動することが求められます

今回の震災報道の中では、福祉避難所のことがよく紹介されています。知られるようになってきているからこそ、要配慮者や支援者に注目した本来のありようから考えることが重要だと思います。実態に目を向け、願いや思いをつなぎ合わせ支援を進めることが必要だと感じています

 

きんようび通信No.686 2024年2月9日

~優生保護法問題の早期全面解決を求めます~

三ノ宮から大阪に向かう新快速の車内、思わず「よし」と声が出て隣の人に怪訝な顔をされてしまいました。1月26日の優生保護裁判・大阪控訴審判決は、原告逆転勝訴となりました。「除斥期間の壁破る」の旗出しの文字を見た時に、心からよかったと思いました

「今まで苦しい戦いでしたが霧が晴れたような感じで大変喜んでいます。子どもを産んで育てたかったという思いは今もあります。国には悪かったと謝罪を求めたい」と、原告が報告集会で思いを話してくれました。他地域の裁判同様に国は上告をしましたが、一刻も早い解決と謝罪を求めます

「原告がいかに根深いスティグマの状態に置かれてきたか・訴訟を起こすことがどれだけ大変か・高裁が判断してくれた」と弁護団の説明がありました。今では明らかな人権侵害や違憲だと思うことも、そうでない時代を生きてきた人の思いに心を寄せられるのか、支援者にも問われています

先日、初めて最高裁判所に行きました。テレビでは見ていましたが窓の少ない威圧感のある建物に驚きながら、生活保護裁判・大阪上告審での公正で公平な判断を求める要請を行いました。優生裁判は大法廷で審理されますが、必ずや私たちの願いが届くものと確信しています

さて明日10時より、大阪弁護士会館で「おおさか人権フェスタ」が開催されます。きょうされん大阪支部として「優生保護法問題」をテーマにブース出展を行います。事務局員の皆さんが意見を出し合いパネルやパンフレットを準備しました。お勧め企画も多数、ぜひご参加下さい

 

きんようび通信No.689 2024年3月1日

「またポストに入ってたよ」と言って知り合いが持って来てくれたのは、新しく出来た就労継続B型事業所の利用者募集チラシ。主にパソコンの入力作業がメインのようで、初心者大歓迎・食事無料・1時間からの利用可能・資格取得サポート有りなどの言葉が並んでいました

最近みた就労A型事業所のチラシは、「自分らしく働く自立へのチャレンジ」が謳い文句。時給1200円から始まり、6ヶ月毎に50円時給UP(Max3年で1500円)・在宅勤務OK・正社員への登用有り等が書かれていました。広範囲にポスティングされたみたいです

「角を曲がったら障害者の事業所がある。地域では利用者の取り合いがある」と、昨年末の朝日放送の番組でコメントしました。個別事業所を評価するつもりはありませんが、支援内容の質が問題になっているのは確か。国・自治体が関与し本来の役割を果たすことが求められています

4月から始まる報酬改定、2月初めに具体的方向性が提案されました。「加算」の種類は増えましたが、要件や事務量から取得が難しいことが想定されます。生活介護事業では、時間払い・基本報酬減額で立ち行かなくなる懸念があります。課題を踏まえた「改定」ではありません

福祉分野に馴染まない生産性を持ち出すこと、成果主義を基調にした考え方を改めるべきです。国際的に極めて低い障害福祉予算水準、利用契約制度・利用者負担制度という根本問題にメスを入れることが必須です。必要な人に必要な支援が届く制度の為に今後も取り組んでいきたいと思います

 

きんようび通信No.690 2024年3月8日

~「阪堺電車の思い出」と「大阪ひまわり号」~

あべのハルカス前から住吉大社前・我孫子道を経て浜寺公園前につながる阪堺電車(路面)は、高校時代に通学で利用していました。天王寺駅東口周辺に自転車を止め、地下道からホームに駆けあがって乗車。5駅10分弱という短い乗車でしたが、大人になった気分を感じてました

帝塚山三丁目駅近くの万代池・周回コースは、卓球部のお決まりランニング場所でした。近くには土蔵を改装した「POINT」という喫茶店があり、次の四丁目駅にあったお好み焼き屋によく行っていました。昨年、前を通ったら無くなっていました。帝塚山珈琲館は健在でした

三年生の時、隣りに座った年配の女性と会話になりました。「福祉に興味があって進学もその方向で」と言うと、「手話」の本を貸してくれました。「いつでもいいよ」と名前も告げず、その後同じ時間に乗っても会うことはありませんでした。プレゼントだったのかも知れません

ふと気が付くと、40年以上も前の出来事。LRT(次世代型路面電車)導入・路線縮小などの変化もありますが、昭和の雰囲気を感じさせて走り続けています。車両・運転手・お客さんの距離の近さが、温かさや安心感の源にあるのだと思います。今の時代、大事なことだと思います

さて明後日3/10)、阪堺電車が4年振りの「大阪ひまわり号」として走ることになりました。人数を絞っての開催・いつもより距離も短いのですが、楽しみに待っていた人たちが多数います。天気も何とか大丈夫そう、ギターを持って参加します。充実した一日となりますように

 

きんようび通信No.694 2024年4月5日

先月28日・29日と能登半島地震の支援活動に参加しました。金沢駅前のビジネスホテルに前泊しましたが、駅は外国人観光客で溢れお土産物屋や飲食店も賑わっていました。街を歩きながら、阪神淡路や東日本大震災で最初に現地入りした時のことを思い出していました

翌朝2時間余りで和倉温泉に設置された現地支援センターに到着。打ち合わせの後、輪島市に向かいました。朝市などを見て回りましたが、被害の甚大さに言葉を失いました。再開している事業所を訪問し、スタッフと障害者の方から避難所生活や厳しい実態を聞きました

震源地に近い珠洲市を訪問しました。「GHではまだ水道が使えない。退職者があり体制が厳しい上に報酬改定で収入減となる」と施設管理者から切実な訴え。津波被害の大きかった「寺家」地域は手付かず状態。亀裂や崩落した道路も多くあり、復旧にはまだまだ多くの時間が必要です

地震によって生きづらさを抱え、地域で暮らしている人のことが浮かび上がってきています。部屋の片づけを手伝いましたが、いつ終了できるかは未定。本人が少し前向きになっているとの話しを嬉しく思いながら、根本解決に必要なことは何かを考えないといけないと感じました

福祉施設への職員派遣に関わる人件費は、応援依頼した事業所負担(1月4日事務連絡)になっています。避難所運営マニュアルで「食材配布は原則全員分が確保できるまではしない」とした自治体が能登地域にあり、支援内容の格差が生じています。被災地には他人事でない状況が存在しています

 

きんようび通信No.697 2024年4月26日

20日、アクティビティセンターひびき(東大阪市)の「うたごえコンサート」に呼んでいただき30分ほど歌う機会がありました。事前リクエスト含めて全8曲、みんなで歌うことの楽しさを感じる充実した時間となりました。仲間の笑顔・職員の姿にとても励まされました

最後に歌ったのは、「てのうた」(すずききよし)。1985年8月・岸和田障害者共同作業所にプレゼントしてもらって来年で40年になります。人が働くことを通じ様々な力を獲得していくことを世界でもっとも短く表現した歌詞。事前に送った動画で練習してもらい大合唱しました

人間に対する深い信頼がうたの背景にあり、みんなと手をつなぐ・力を合わせることの大切さがメッセージとして伝わってきます。「昔、何かの研修で歌ったことがある」と職員の方が教えてくれましたが、根本的なことに目を向けていく取組みが今の時代に必要だと思います

さて、4月から始まった障害報酬改定。厚労省は前回と比較してプラスを強調しますが、物価上昇率等から見ていくとマイナス改定。試算や加算の検討結果から、内容変更や撤退の危機に直面する事業所が出てきています。最も困るのは障害当事者とその家族。切実な相談がありました

制度開始時、多様な選択が出来る様になると厚労省は説明しました。「生産性向上/効率性」など福祉とは相容れない考えが持ち込まれ、誰のための何のための施策なのかが問われる状況となっています。改定は法律改正事項ではなく今からの変更も可能です。声をあげていこうと思います

 

きんようび通信No.701 2024年5月24日

先日、大学4回生次女の今年度学費を全納して3人の子どもの学費支払いが終了しました。2・3・4の計9年間、重ならなかったのがほんの少し救いでした。手続きした銀行窓口の人に話すと、「お疲れ様でした」とねぎらってくれました。「実は私も大変でした」とも

3人とも奨学金を借りてもらっています。日本では貸与制が中心で、学生の3人に1人が平均300万円を借りその総額は10兆円近くになっているそうです。高すぎる学費・借金を背負わせ現行制度を見直し、公的財政支出の増額・高等教育無償化を実現して欲しいと願っています

大学受験料は高額で、入口から狭い状態・選択の幅を狭めています。入学しないのにとられる入学納付金負担も生活に大きくのしかかります。未来を担う若者へのひどい仕打ちの背景には、「自己責任」=人間に対する信頼のなさが根深くあるのだと思います。ここを改めさせないと

18日、大阪弁護士会主催「日弁連人権擁護大会プレシンポジウム」に参加しました。ドイツの生活保護改革がテーマで、制裁・給付制限から受給者への信頼をベースにした考え方への転換が行われたとの紹介がありました。政権が率先し進めている背景の詳細を聞きたかったです

生活保護を利用する当事者の発言・いのちのとりで裁判名古屋高裁の判決内容・日弁連提唱「生活保障法」の説明がありました。それぞれ胸に響く内容で、あたり前の願いを実現するのが制度のあり様であることを改めて考えさせられました。30日きょうされん国会請願要請行動、がんばります

 

きんようび通信No.703 2024年6月7日

5月29日、優生保護法裁判最高裁大法廷での口頭陳述期日(午前)の傍聴抽選に見事当たり、初めて大法廷に入りました。天空の城ラピュタのような広く高い天井・フカフカの床・傍聴席は広めで座りやすかったです。正面には、裁判官席が少し弧を描きながら並んでいました

10時半に開廷。真ん中の大きな扉が自動で開き、裁判官15人が入場してきました。中央に裁判長が着席した後は、任官歴の長い方から左右に分かれて座りました(最高裁職員の方に教えてもらいました)。手続きの確認があった後、上告している国側弁論から始まりました

国は従来からの民法に定められた賠償を求められる「除斥期間」(20年)が過ぎている・取り扱いを例外的に変更することは法的安定性を損なう(他の分野にも影響する)・一時金支給法も制定してきたなど、同じ主張を繰り返しました。聞きながら、改めて憤りを感じました

続けて原告側から、大阪・東京(午前中は2つの裁判の審理)とも被害の実態や原告の思い・司法の果たすべき役割を切々と心を込めて訴えました。観ていない人もいましたが、多くの裁判官が話に集中してくれていたと思います。戦後最大の人権侵害に対する最高裁の判断が問われます

判決日が、7月3日(水)15時からに設定されました。どんな結果になるかで後に続く裁判に影響が出ると思いますが、判決は一つの結果であって全面解決をめざす取り組みは道半ばです。裁判のことを多くの方に知っていただくと共に、今後も優生思想と向き合っていきたいと考えています

 

きんようび通信No.707 2024年7月5日

先週、福祉職場で働く人を主な対象にした「万博について考える〜その本当のねらいは〜」という学習会で、講師を務めました。これまで様々な場面で2025大阪万博の状況を聞いてきましたが、自分で資料にあたると酷くおそろしい計画であることを更に感じることになりました

会場・オンライン合わせて30名程の参加。歴史的な経緯も踏まえながら、そもそも万博とは何か・計画の概要と現状・カジノとの関係・今後の運動について話しました。言い足りなかった点は多々ありましたが、参加者の熱心さに支えられて無事終了することができました

たまたま、万博建設現場に資材搬入の仕事をしている人が参加していました。現場では必要な安全対策が不十分であることや、働く人が喜びを持てない状況であることを教えてもらいました。木製リング内側の重機作業を10月末に終えるのは難しいとの指摘は、重みのある言葉でした

「声を上げることで時間はかかっても政治を動かすことが出来ます。さらに動かすためには考え・行動することが大事でまずは投票に行くことから」と、最後に呼びかけました。「万博を中止して市民の暮らし・被災地に回せ/カジノ反対の声を大きく」するために引き続き頑張ります

さて、明後日は七夕。我が家ではやらなくなりましたが、孫は保育園で笹の飾り付けに取組んでいました。天気予報は曇りで天の川は見えないと思いますが、願いはきっと届くはず。今年の僕の願いは一つ、「東京都に都民を大事する知事が誕生すること」。良い知らせが届きますように

 

きんようび通信No.712 2024年8月9日

先日つむぎ福祉会(大阪市)機関紙に寄稿した文章を、きんようび通信の字数に合わせて整理し紹介します。

「平和」について思うこと

小学5年の時「はだしのゲン(実写版)」を観たのが、人生で初めて平和や戦争について意識した経験でした。翌年1977年9月27日「横浜米軍機墜落事件」にも大きな衝撃を受けました。事故現場で記念撮影する米軍兵の写真を見た時、「どうして」と強い疑問を持ちました

ロシアのウクライナ侵攻・イスラエルによるガザでの虐殺行為など、世界中で戦争が絶えません。昨年初めて宮古島を訪れましたが、自衛隊配備と強化が進み戦争がいつでもできる状態でした。「多くが秘密裏。戦時中と同じ」とのガイドのさんの言葉が胸に突き刺さっています

マルティン・ニーメラー氏の詩を時々読み返すのですが、戦争や平和の問題は決して他人事でなく自分のこととして考えることが必要だと思います。そのことを実は多くの人が理解しており、その共感を様々な場面で確認する・事実を伝えることが大事ではないかと感じています

昨年、福祉現場で働く若い人を中心に「平和のレシピを考えるPART1」という学習会を開催。学習院大学・青井未帆先生から、「憲法」との向き合い方・今の状況をわかりやすく話してもらいました。「自分の生活にこんなにも結びついているのかと驚きだった」と嬉しい感想がありました

現在放送中の朝ドラ「虎に翼」を観ている方も多いと思います。憲法に定められた人権に関わる条項を具体的に実現させることができたら、「平和」や「福祉」に関わる問題の大部分を解決できるのではないかと考えています。みなさんと一緒に手をつなぎ進んでいきたいと思います

 

きんようび通信No.711 2024年8月2日

今日の通信は、7月26日に愛知のみなさんと合同で行った「生活保護基準引き下げ違憲訴訟(いのちのとりで裁判)・大阪」の第2回最高裁要請行動で発言した中身を整理・加筆し紹介します

生涯を通じて訪れることのない場所はたくさんあるだろうと思っていましたが、その内の一つが最高裁判所です。今年2月に初めて来た時は威圧感の大きさに驚きましたが、今日はそんな風に感じていません。それは、今月3日の優生保護法裁判・最高裁判決に立ち会ったからです

1000人近くが傍聴を希望しました。法廷に入れなかった人たちは暑い日差しの中、正面玄関前で結果を待ちました。旧優生保護法は憲法違反・除斥期間適用に関わる新たな判断を示したという「勝訴」の一報が伝わると、大きな喜びが広がりました。目頭があつくなりました

「全ての被害者の救済を/障害者の声が届いた」など掲げられた旗の中に、「司法府、その役割を果たす」がありました。本当にその通りだと思いました。それを見ながら大阪の裁判は高裁で逆転敗訴でしたが、訴えれば必ず最高裁は応えてくれるはずと強い思いが湧き上がりました

裁判の原告の中には、亡くなる方や健康に不安を抱える人が増えてきています。そんな中でも「裁判をしていることさえ知らない生活保護利用者がいる」と声にできない人を想い浮かべながら、生活保護は全ての人に関わる制度だと訴えています。本当にすごいことだと思います

現実の生活を憲法に近づけるのは政治の役割ですが、そうなっていないと感じる状況が続いています。その流れに待ったをかけるのは司法の役割。正義・公平の理念に基づく判決となることを期待しています。私たちも勝訴の為に出来ること何でもやろうと思います。どうぞよろしくお願いします

 

きんようび通信No.718 2024年9月20日

母親と次女と3人で9月7日~9日まで北海道鶴居村・ヒッコリーウィンドに行ってきました。安藤誠さん・忍さん、スタッフの山本さん、同じ時期に宿泊のみなさん、ゴールデンレトリバーのディッパー、たくさんの感動・学びをありがとうございました。今日の通信では、2日目ダイジェストを紹介します

午前中、ハヤブサの生態を見に出かけました。この時期は親が子どもたちに狩りを教える時期で見れたのは少し早めに巣立ちしたハヤブサでした。望遠鏡越しに観た眼は鋭く、私たちの動きをじっと見つめている感じでした。母親は、「可愛い」ととても喜んでいました

午後、東北海道の雄大さを味わえる場所を案内してもらいました。道路から少し上がったその場所で、時間と空間を一人占めしたような感覚を味わいました。その時、突然この時期に滅多に見れないオジロワシが現れ雄大に空を飛びました。歓迎してくれているようで嬉しかったです

昨年、宮古島・沖縄平和ツアーの時に知った「琉球とアイヌの文化は近い」について安藤さんに尋ねてみました。話しは縄文時代に遡り、地理的な状況から琉球と北海道は縄文文化を発展させてきた共通性が根っこにあるとのこと。学校では聞けない話しを分かり易く伝えてくれました

夜は星空カヌーに出かけました。歩行がしんどい母親の手をとり湖面まで歩きました。次女と母親は当初怖がっていましたが、万全のサポートで後半はすごいの連発・安心して楽しむことができました。頭上に広がる満天の星空・天の川もくっきり・湖面に映る星空、何もかもが最高でした

移動中に、北海道の名前の由来を教えてもらいました。またアイヌ語の「レラ」は「風」と訳されることが多いけれど、本来は「すべてのものとダンスができる存在」という意味があることも。歴史的な背景や事実をしっかり見つめ、考える努力が求められていることを強く感じました

 

きんようび通信No.723 2024年10月25日

先日依頼のあった「社会福祉経営」(社会福祉経営全国会議大阪支部発行)に書いた原稿を、少し手直しして紹介します。

今の障害福祉をめぐる状況について限られた紙幅で伝えるために、現在行われている衆議院総選挙にひきつけて考えてみようと思います。10月15日現在、主要政党HPに掲載された政策集から「障害/障がい」をキーワードに検索。確認できたものを抽出し整理しました

文量や取扱う分野(教育・雇用・ジェンダー・人権等)の違い・基本政策の中に障害者を含んでいるからと重点施策に障害者に関わる記載のない政党など、政策のたてつけに違いがみられます。福祉労働者に関わっては、全ての政党が賃金改善を重要な課題として挙げていました

強調されることの多い「生産性向上・IT化・ロボット導入・DX」をどのように考えているか・障害者問題の根底にある「貧困/差別」をどうとらえるのかなど、各政党の主張を確認することもポイント。一人ひとりの具体的な生活改善につながるものとなっているかが重要です

また平和をめぐる課題への対応も注目すべき点。5年間43兆円の防衛費増額が決められていますが、貧困と格差が広がる中で一層複雑で困難な課題への対応が増えることが懸念されます。人としての尊厳が尊重され、生涯をまっとうできる社会保障制度の確立に予算を振り向けるべきです

投票日翌日の28日、「障害者自立支援法違憲訴訟原告団・弁護団と 国(厚生労働省)との基本合意文書」に基づく定期協議が開催されます。どんな政治体制であっても約束は守られなければならず、求め続けることが施策を動かす力になります。分野を越え連帯し運動を強めていきましょう

 

きんようび通信No.724 2024年11月1日

今日はゾロ目の「11月1日」。歴史的事実に基づいて記念日になっている場合もありますが、語呂合わせや季節の変わり目で「○○の日」とされているものもあります。ようやく秋を少し感じるようになりましたが、2024年も残り2カ月。穏やかに過ごせればいいですね

変わり目と言えば、先日の総選挙で自公政権が過半数割れとなりました。裏金問題をはじめ、現政権への国民からの厳しい審判であったことは明らかです。11日の特別国会に向けた動き・政権の枠組みに注目が集まっていますが、報道のポイントがずれていると感じています

議員を大幅に増やした党は、今後の動きが問われます。企業・団体献金の禁止、現行健康保険証の存続、選択的夫婦別姓、学費値上げストップなど、切実な願いにきちんと応えるかが重要。与党の方ばかりを見て国民を見ない・党利党略で公約を捻じ曲げないか、国民はその行動を見ています

最高裁判事国民審査は全員が承認されましたが、過去最高で「罷免すべき」との票が多かったとのこと。経歴やこれまでの判決内容を調べ、自分で考える人が増えた結果だと思います。点字での投票方法の改善など次に向けての課題もあり、更に多くの関心が集まることに期待します

さて先日、昨年に続けて「沖縄・宮古島平和ツアー」に参加しました。詳細は次の通信で紹介しようと思いますが、昨年よりも戦争の足音が近づいてきていることと感じました。同時に粘り強いあきらめない闘いが続いていることも知りました。問われているのは自分自身・国民全てです

 

きんようび通信No.726 2024年11月15日

先月、昨年に続けて「宮古島・沖縄本島をめぐる平和ツアー」に参加しました。昨年より更に戦争に向けた準備が進められていることに憤りと恐ろしさを感じました。学びの全てを紹介したいのですが、膨大になってしまいます。印象に残ったことを厳選し通信として紹介します

宮古駐屯地の真向かいで農業を営む「仲里成繁」さんの問いかけに応えられませんでした。「人権が最優先されるべきと思っていたが沖縄防衛局は取り合わなかった。台湾有事を持ち出して大規模な訓練・日米合同が始まっている。本土のみなさんがどう思っているか知りたい」

保良訓練場で3つ目の弾薬庫建設が始まっていました。昨年話しを聞いた下地さんから詳細な動きが伝えられ、地域住民の暮らしと安全を守らない動きを許せないと強く思いました。平和の準備こそ進めるべきで「住民が事の本質を学べば変わる」との言葉が印象に残っています

糸数アブチラガマに10数年振りに入りました。漆黒の闇が忘れてはならないこと・繰り返し学ぶ必要性を感じさせました。一人ひとりの人生に心を寄せることの意味・戦後補償が全くない中での住民感情の複雑さ等、「平和の礎」の刻まれた名前を辿りながら考えていました

辺野古新基地建設ゲート前の座り込み。4人の機動隊員に排除された後、通過する100台以上のダンプカーを見ながら涙が込み上げてきました。「何度民意を示しても工事は続いている。けれど賛同の声は広がっているし孤立感はない」との言葉に震えました。立ち止まってはいらせません

1959年宮森小学校・米軍機墜落事故は今も地元の記憶にあり自衛隊基地反対運動につながった話しを聞きました。佐喜眞美術館で丸木位里・丸木俊の作品「沖縄戦の図」を観て絵画の伝える力を感じました。沖縄の「過去・現在・未来」を自分事として今後も見つめていこうと思います

 

「大きな背中と小さな背中が語ること」

~きんようび通信No.730~

2024年12月13日

我が家の1週間のルーティーンの中に、「たまごの日」というのがあります。産直の取組みに母親が参加していて、毎週水曜日の早朝に岡山から近所の家に届くのを取りに行くのが僕の役割となっています。自転車のカゴ一杯に入れて走るのですが、一度倒れそうになって焦りました

その往復で、必ず出会うおじいちゃんと保育園くらい男の子の2人連れがあります。時には手をつないで仲が良いなと思う時と、距離を置いて歩き互いの背中がそわそわしていることも。たまごを受け取って戻る時に笑顔でいるのを見ると、ほっとして思わず微笑んでしまいます

前はお姉ちゃんもいたのですが、小学校になったのか見かけなくなりました。家族はどうしているのかな・朝の早い仕事かな、年長クラスだったら来年4月以降は会えなくなるかななど勝手に考えたりしています。同じ地域で暮らす人の生活が重なり合う瞬間を愛おしく感じています

自治体によって違いますが、大阪市では保育所申請時に祖父母が希望者の住居からどれくらいの距離に住んでいるかを確認し、その差で優先順位を定める仕組みになっています。初めて聞いた時は衝撃的でした。個々の事情を柔軟に踏まえた仕組みを作れないものかと思ってしまいます

さて街を歩くとクリスマスに向けた装飾が施され、新年を迎える準備の報道が増えてきました。華やかな雰囲気の一方で、苦しい生活を強いられている人たちがいることに思いを寄せることも大事ではないでしょうか。大きな背中と小さな背中を見ながら、そんなことも考えていました

「2024年・自分の音楽シーンを振り返って」

~きんようび通信No.731~

2024年12月20日

今年の新譜やライブで聴いた曲などを取り上げた2024マイセレクトがまとまりました。今年は、これまでで最大の21曲。初めて知った人・何度も登場している人など色々ですが、これはと思ったものばかり。みなさんのベストソングやアルバムも教えてもらえたら嬉しいです

2024年を振り返った時に、1月1日に発生した能登半島地震を抜きには考えることはできません。3月に現地に入り、その後派遣活動の事務局を担いながら状況を見続けてきました。東日本大震災のことを歌った「ガンバロウ」(やなぎ)を今年のソロステージで必ず歌いました

今年の初ライブはハンバート・ハンバート。セットの中に大好きな「国語」が入り、歌詞に「キックバック」が盛り込まれました。清水ミチコさんの「どんな悪事もいいメロディに乗せると感動的になる?」の動画も話題となりましたが、「裏金問題」の真相は明らかにされていません

今年も多くのアーチストが旅立ちましたが、7月3日の「すずききよし」さんが僕的に大きなことでした。写真家/小森和夫さんが7月・うたごえ/豊田光雄さんが11月に亡くなり、身近な文化芸術の人がいなくなりました。自分なりに残されたものをつないでいこうと思います

今年はソロに加えて、大学時代のサークルメンバーで組んだ「たまらんや」の活動に力を入れました。ライブで最も良かったテイラー・スウィフトや斎藤悌子をはじめ、リクオ・古謝美佐子などの人も良かったです。来年も、自分の好きを大切に素敵な音楽と出会いたいと思います

 

2024年12月

By あまだ のぶゆき


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