涙目筑前速報+

詰まるところは明日を知る。なだらかな日々につまずいて
向かうところはありもせず、未来の居場所だって未定―秋田ひろむ

その男の名はエミリオ。全ての元凶だ。

2019-01-01 21:34:53 | チラシの裏
エミリオは偏執的な男だ。
エミリオは教父を名乗っており、自身を神の御使いである事を疑わない。
その心の底から信じる神のためならば人を殺すことだって躊躇いはない。
それが実の息子であろうがだ。

私は幼いころから父、エミリオの歪んだ教義を叩き込まれた。
その教えは今にして思えば狂気に満ちているが、当時はそれが崇高なるものだと思っていた。
また、彼の下に集まった教徒もそんな彼に心酔した。

彼の為に死んだ母も彼にとっては敬虔なる殉教者でしかなかった。
それ故に、私があの事件で身を挺して彼を守るのも必然だと思っていた。
エミリオを守る事は、その親愛なる神を守る事であると教えられてきたからだ。

運命のいたずらか、私は生き延び、保護された場所でその教えが洗脳でしかない事を理解した。
その後私はエミリオの異常性を止めるべく、地下に潜り彼の教団に反発した。
実の息子である私が反発することで、父の暴走も収まるのではないかと一抹の期待感を持っていたことは確かだ。

だが、それがあまりにも、あまりにも脆弱な想いでしかなかった事にはすぐに気づかされる。
同時に、彼の一度逆らったものに対しては生かしてはおかないという執念も実感した。
あまつさえ簡単には死なせない、追い詰めに追い詰めて殺すという暴虐性も。

彼は教徒の1人、スミスを派遣する。
スミスは私達のアジトであったB地区の倉庫で機関銃を乱射。
建物は一瞬にして蜂の巣と化した。
機転を利かせ、爆発物に引火させる事でスミスを退ける事が出来たが、第二の刺客が差し向けられるのも時間の問題だろう。

また、エミリオ率いる教団は、この社会で大きな立場にある事も明らかになる。
行政、立法、司法の要には必ずと言っていいほど彼の息がかかる人間がいた。
彼は本気で神の国を作り出そうとしていたのだ。

彼の作る国はディストピアそのものだ。
だが、人々は度重なる戦乱や生活苦により、先の見えない暗いトンネルのような民主主義に疲れ果てていた。
自身で考える事に疲れ、救世主の到来を待ち望んでいたのである。
自分が考えなくても幸せにしてくれる、メシアを求めていたのだ。
エミリオの教えは、皮肉にもそんな人々の想いに応える形となった。

父の暴走を止める戦いは、この社会に反旗を翻すことと同じだった。
だが、それでも私は彼と戦わなければならない。
彼を正す事が、私の魂の救済であると確信しているからだ。

だが、私はこうも思う。
エミリオを打倒しようとする私もまた、偏執的なのではないかと。


そこで目が覚めたよ。そうだよ初夢の話だよ。

初夢はマトリックスに出てくるエージェントスミスと激しい銃撃戦を繰り広げていた。
黒幕はエミリオという、教父を自称する偏執教的な男。
で、主人公である俺の父親らしかった。

神の教えを巡り様々な所で謎を解き、彼らと対立していく。
俺の出で立ちは映画「マトリックス」のネオ。
謎解き要素は映画「ダヴィンチコード」のラングドン。
次第にオッカルト要素が強くなっていく様相は海外ドラマ「X-ファイル」のモルダー。

すげぇイケメンになった気分の硬派な初夢だった。
何だこの話は……今日日中学二年生でもこんなん見ねぇっつうの。
新年早々とんだおめでてぇ夢見てしまって、何か幸せな気分です。
どうもちくぜんです。中二病じゃないです。

謹賀新年。
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