アニメ『妖狐×僕SS』を見ました。
主役は高校に入ったばかりの女の子です。
主役は妖怪の血の入った家系で、妖怪の力も持っていたので
家族からは差別されて育ちました。
主役は、同じような体質の者だけを集めた、
マンションのようなところで暮らすことになりました。
そのマンションでは、入居者に護衛がつきます。
主役についた護衛の若い男性が準主役です。
主役は他人と会話するときには頭が回らず、
心無い言葉を言ってしまいます。
また、他人と関わるのも苦手です。
昔からそうで、唯一の楽しみは婚約者との文通でした。
マンション内では同じような境遇の人々がいて、学校でも
同じクラスになり、いろいろな関わりを持っていきます。
どたばたな毎日を送っているうちに、準主役に恋心を抱きます。
そのうち、自分を支えていた文通の相手が
準主役だと知ります。
準主役も文通で支えられていたことで
主役に好意を持っていたのでした。
準主役と主役とでお互いに告白し、
主役はもっと変わろうと思うのでした。
……というようなお話です。
一話で主役が心にもないことを言い続けるところが
大変痛々しくて見ていられなかったのですが、
『絶対続きは見ない』というラインにぎりぎり
達しなかったので続きを見ました。
それ以降は普通に見られるギャグアニメでした。
・妖怪のようなものが体に憑いている
・時にはそのせいで変身もする
・そのせいで家族の中でも変にもてはやされたり
そらぞらしく扱われたりして育った
というキャラたちがメインで扱われるところから、
漫画『フルーツバスケット』を思い出しました。
キャラの設定や背景にあるものはフルーツバスケットと
ほとんど同じに思えて、目新しさはありませんでした。
キャラのつくりにあざといところが鼻につきもしましたが、
絵の質は落ちず、話も深刻になりすぎることもなく、
見流す分には気楽に見ていられました。
ただ、準主役が主役をお姫様のように扱ったり
変に好意を寄せていたりする原因がよくわからず、
少女漫画的ななんとなくで済ませるのかと思いきや、
終わりから2話目で謎解きと大盛り上がりに持って来たのが
すごかったです。
それまででは、『フルーツバスケット』を薄めたような
適当なギャグアニメという印象しかありませんでしたが、
最後でおもしろくなりました。
ストーリー構成の勝利という感じです。
そうして最後まで見ると、『フルーツバスケット』は
大きなドラマを描ききることに重さを置いていましたが、
こちらはもっと少女漫画らしい、『恋愛による自己変容』に
重きを置いていたように思えました。
そこが盛り上がったので、他の部分はどうでもいいくらいだと
思えてしまいます。
全体として見ると、結構おもしろかったです。