直列☆ちょこれいつ

最近は神社や神道などの古い文書の解読をしています。
研究のまとめはカテゴリ『自作本』から。

世界樹の迷宮3の初期感想

2010年05月11日 | ゲーム系


ニンテンドーDSのゲーム、『世界樹の迷宮3』をやっています。

やる前の印象では、てっきりランダム生成ダンジョンを
もりもり登っていく感じのゲームだと思っていたのですが、
実際は固定ダンジョンを進んでいく、詰め将棋のようなものでした。

まずの感想は、『絵がかわいい』です。
とりあえず絵のかわいさは三難くらい隠します。
やる気がわいてくるのがいいです。

でもその次にやってきた感想は『きびしい』でした。
これはすごくきびしいです。
救われる手段は一応あるにしても、
このゲームは基本的には詰め将棋です。

たとえば、スキルのレベルをあげていくと、
威力も上がりますが消費MPも増えます。
機械弓兵の最大MPが75くらいしかないところに
使用MPが一回15ポイントや36ポイント。
あとのほうになると雑魚戦闘でも
本気を出さなければ殺されるような
きびしい設定なのでスキルを使うと……
10回も戦えばみんなへとへとです。

じゃあMP回復アイテムを大量に持っていって、
飲み捨てながら戦えばいいのかというと、それもできません。
まず、所持アイテムは60個まで。
お金はモンスターが落とさず、モンスターの落としたアイテムを
売ることでしか手に入りません。
つまり、冒険を進めたければ消費アイテムがかさんで
お金になるアイテムはあまり拾えず、
アイテムを拾いたければ帰ること前提で
消費アイテムを減らさなくてはいけないという
厳しさがあります。
さらにはMP回復アイテムは、個数限定です。
自分が集めたアイテムを合成して、お店がMP回復薬を
売り出してくれるのはいいのですが、
それはあくまで自分が売った個数まで。

そのため、回復アイテムがほしければ
材料を自分でとってくるしかないのですが――
材料は、戦いでは手に入れられません。
ダンジョンの固定ポイントで、入手スキルを
使わなくてはいけないのです。

でも、基本的に戦闘メンバーは戦闘スキルをおぼえさせるだけで、
『スキル改造ポイント』を使ってしまうので、
採取スキルにポイントを割り振っている余裕なんてありません。
よって、本気でアイテムを入手したければ、
非戦闘員の材料集めパーティーを作る必要があります。
これにより、回復の材料が集まるのはいいのですが、
これはたいしたお金になりません。
そもそも売ったお金以上のものを買うことになるので
全体として見れば赤字になるくらいです。

お金を稼ぐには、採取ポイントでレアアイテムを取って
売ってしまうのが一番です。
採取係には、レアが取れる確率をあげるスキルがあるので
それにスキルポイントを振ると――
お金は稼げるようになりますが、今度は逆に、
回復アイテムの素材がとれなくなります。

つまり、回復アイテム採取パーティーと
レアアイテムでお金稼ぎパーティーの二つが
必要になるということです。
これにメイン戦闘パーティーの一つをくわえると、
一個小隊は5人組みなので、15人の仲間登録が必要になるのです。

個人的に、主役は主役で一人だけがいいので、
目的によってパーティーのすべてを組みなおすこの形式は
なんだかいやでした。


このゲームをやっていて思ったのは、
テキストや構成がかつての翻訳ゲームブックみたいだということです。

ゲームブック……。そういえば昔はすごく好きだったなあと
思い返して思い出したのは、タイトルは忘れましたが
JHブレナンという作者のシリーズです。
主役はピップで、蜘蛛が苦手なしゃべる剣、
エクスカリバーJrと一緒に冒険をするお話です。
一年に一冊くらい出ていたのがすごく楽しみでしたが、
最近はもう出てないんでしょうか。

それはさておき、なにかのシナリオを
書いてみた人はわかるかと思いますが、
分岐が複数あるお話の統制を取るのは非常に大変です。
たとえば、恋愛ゲームのテキストにしても、
月曜日の会話は日曜日に女の子とデートして月曜日に会った場合と、
デートはせず普通に顔を合わせた場合とで、
「昨日は楽しかったね」と、ただの「おはよう」との
二パターンが必要になったりします。
そういった差異を保ちながら、お話を両方の筋、
もしくはもっと多数の筋と
矛盾なくつなげていくのはほんとうに大変な作業です。

基本的に容量には制限の無い、デジタルゲームでもそうなのですから、
ページ数と価格が物理的に制限を受ける本で
そういったパターン統制をやろうとすると、
どれほど大変になるかはわかるだろうと思います。

ということで、その解決法をどうするかと言えば、
多くの場合、ゲームブックでは、死にます。

おなかが減っているのであんぱんとクリームパンの
どちらかを食べるか訊かれた場合、
クリームパンを食べたことが後のストーリーの伏線になっていれば、
あんぱんを食べると理不尽に死にます。

……世界樹の迷宮3も、そういう感じで死にます。
とにかく厳しいです。

ドラクエで言えばザラキで死ぬボスがいたとします。
開始一発目でザラキをかけると死ぬかもしれません。
でも物理がほとんど効かず、魔法もきかないとしたら、
基本的に勝つ方法はリセットを繰り返した後のザラキだけです。
つまり、ザラキを使えるキャラがいないパーティーは
理不尽に死にます。そういうゲームバランスです。
適当に作った適当なパーティーが
適当に戦って適当に勝てるゲームではありません。
最初にも言いましたが、基本的には詰め将棋です。
一手間違えればそこで投了です。

そういう場合、ボスのHPはどうなのか、
ボスの耐性はなんなのか、ボスの弱点はなんなのかを調べ、
それに適したパーティー編成、スキル構成を
とる必要があります。
……というか、普通にプレイしていても
ダメージ加算、減算なんてほとんどわかりません。
よっぽどレベルが高いか、はじめからうまくスキルを
組み合わせられる人でなければ、
攻略サイトを見なければ無理っぽいです。

さらには、倒し方によってレアドロップを落とす事があり、
それがないと強い武器が作れなかったりするので、
なんだかもう……といったところです。
それならせめて、一度戦えばレアドロップの条件が
でてくるなどして欲しかったです。
でも、このゲームはそんなぬるさはありません。
とにかく厳しいのです。

ダンジョン内のマップでは、歩く方向だけは
オートにすることができます。
うろうろ歩いて敵を出し、戦うという
RPGのお約束の『歩く』を自動に任せられるのは
とてもいいです。
でも。それができるのは序盤だけ。
後のほうは本気で戦わないと死にます。
いちおうオートバトルもあるのですが、
なぜか攻撃を散らします。
早い3人で同じ敵を攻撃してくれたら、
1匹を倒して被弾ダメージを少なく抑えられるのに、
みんなでばらばらに攻撃して1匹も倒せずに終わるのです。
こういう作りも非常にきびしいです。財津和夫です。

さらには、ダンジョンマップは半手書き。
歩いたところはオートマッピングで色が塗られますが、
階段を下りても扉を開けても、オブジェクトは記載されません。
やろうとすれば普通にできる処理でしょうに、
それをユーザーにタッチペンでやらせることに、
どんな意味があるのか疑問を感じずにはいられません。
ぬるゲーマーのわたしとしては、
すべてオートマッピングで充分です。
全体マップを倍率変更のきかないアップにして、
それに色を塗ってオブジェクトを配置するのは厳しすぎます。

また、マップ上には隠し通路やイベントキャラが
いることがありますが、画面上では見えません。
そこにいくと密かにAボタンで反応があると画面に出てきます。
そこでAを押すと、実はそこにいたキャラがしゃべりだす、
というのも微妙な感じでした。
せめて歩いている時から見えていて欲しかったです。


その他では、スキルの構築もなかなか厳しかったです。
序盤ではすごく便利だった、戦闘中やバトル中に
多少のHPが回復するスキルも、
全体攻撃が激しくなる中盤以降は
発動が難しくなったりして役に立たなくなりがちです。
そこへスキルポイントを振るなら、
別の攻撃スキルに振ってしまって、
スキル連携を高めた方がバトルでは役立ちます。

スキルポイントをすべて元に戻すのは「休養」という
コマンドがありますが、LVが5下がります。
基本的には振り直しが必要になる感じなので、
このシステムもきびしい感じです。
通常戦闘とボス戦闘では必要になるスキルも変わってくるので、
どうしても倒せないボスにはスキルの振り直しをしたいと
思うのが人情です。
でもそれをすると、LVが5さがり、ボス戦闘後になおしたいと思えば
また5下がるという始末です。
これならファイナルファンタジーのようなジョブチェンジ方式か、
なにかのゲームのようにスキルポイントのそのまま振りなおしが
できる方式にしてほしかったです。
どんなスキルでもいっぺん組み込んで、戦闘で使ってみなければ
そのスキルの使いごこち、自分に合う合わないもわかりません。

今のところ、それでも楽しんでやっているので
ゲームとしてはいいできだとは思います。
でも……ぬるゲーマーのわたしにとっては、
やっぱりきびしいです。
最近のぬるいゲームに嫌気がさした人にはおすすめかもしれません。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« トリックスター イベント | トップ | おしだせ大作戦 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

ゲーム系」カテゴリの最新記事