キャンプでごはんを炊こうとして失敗、
芯が残って食べられない
というようなのを見ました。
それを見て、水と火加減が難しい炊きなんてやらずに、
はじめから煮ておかゆにでもしてしまえば簡単だし、
硬いお米の復活もできるのにと思いました。
そして、ふと思ったのです。
――ご飯を炊くって、可食時の水をゼロにするように煮ることなんじゃ?
そういう概念で炊飯を見ると、
フライパンでご飯を炊くのを見て難しいと思っていたものも、
水分量さえ気をつけて煮ればできるとわかりますし、
釜におこげがつくのも、中がわに熱が伝わるより早く、
大火力で外側を熱すればいいのだとわかります。
また、原理としてはおそらく、
スパゲティをゆでるのと似たようなものになるので、
大量の水の中にお米を入れて茹でて、
様子を見てお米だけすくいあげてもご飯になるはずです。
食べられないでんぷん、ベータでんぷんは、
水と熱により、アルファでんぷんになります。
このときの必要温度は大体60度です。
そういえば、でんぷんを分解して糖にするアミラーゼの適温も
60度くらいです。
今までは、ご飯を炊くのは、お米をここまで入れたから、
水はお釜のここまで、と思ったせいで、
他のものに応用がきかなかったのです。
でも、お米を炊くとは、お米をアルファ化することだとわかれば、
必要水分量はわかるはずです。
それ以上に入れればビショビショになりますし、
それ以下に入れれば、アルファ化しきれなくて
ベータ部分の硬い箇所が残るのです。
というところで見てみたら、
(お米のかさ)×1.2=水の重さ・量
だそうでした。
お米一合は180mlなので、1.2倍して216mlの水。
またそれは、お米150gなので、1.44倍して216mgの水
ということになるようです。
お米をご飯にするなら、
釜にしても鍋にしてもフライパンにしても、
お米の量と水の量を正しい比率にして、60度を何十分か
保てばいいだけ、ということになります。
ただそれだけです。
おこげができるのは200度を越えたときらしいので、
定温調理器具などで60度を維持できるなら、
時間を越えても干からびていくだけで、こげはないはず。
もしこげを作りたいなら、
最初は遠火で60度を維持し、出来上がり近くなったら
近火にするか火力をあげて200度を超えさせれば
まわりだけぱりぱりになったものができるはずです。
はじめて、ごはんをたく、という知識が自分のものに
なったような気がします。
ばらばらであった知識に一本、筋が通るというのは
とてもすがすがしい気分です。