ナマハゲは、結構有名な存在です。
でも、ナマハゲにはその名前以外の亜種が存在します。
アマハゲやアマメハギなどです。
それらの元はどこにあるのかをふと考えたところ、
『アメ』ではないかと思いました。
古い言葉は方言に残りがち、という事実がありますが
みやこから離れた北海道などでは、食物が腐ったり傷んだりすることを
『あめる』と言います。
あめるは動詞なので、名詞化、もしくは名詞そのものは『あめ』だと
思われます。
程度の重いものでは、夏のごはんが糸を引いて食べられないような
ものにも言いますが、
程度の軽いものでは、ぶつけた桃が茶色くなっているような
ものにも言います。
その、程度の軽い感じのものが人の体にできたものが『あめ』で、
火の前から動かずにいるとできたため、
「そんなに火にあたっているとアメるよ」
「そのアメ剥いでやろうか」
という脅しを擬体化したのが『アメ剥ぎ』であり、
これが、アマメ剥ぎやアマ剥げ、ナマ剥げに変化していったのでは
ないかと考えました。
個人的には、水飴などの『アメ』も、
同系の意識から出ているように思います。
飴は『甘ぇ』から来ていると考えられているフシがありますが、
本来『甘し』は『うまし』と読んで『あめ』発音では無かったはずです。
『アメ』という言葉はもともと、『粘って糸を引く』ようなものを
表現する単語だったのではないかと、わたしは考えます。
粘って糸を引くから、『飴(水アメ)』は『アメ』。
粘って糸を引くから、傷んだ食べ物は『アメ』。
そこから意識が薄れて、傷みはだいたい『アメ』。
本当はどうなのか知ったところではありませんけど。