世界に声はあふれているけれど、
まるで多重放送や混信のように
言葉の裏にいやらしい本音が見え隠れして、
なにをきけばいいのか、どれをとればいいのか
ちっともわかりません。
世界はまるで電波の渦のようです。
そしてその電波をきちんと拾えない自分は……
まるで壊れたラジオのようです。
でも、古ぼけた調子の悪いラジオは
叩いて音が良く聞こえるようになることもありますが、
わたしは殴られたところで何も変わりません。
もし直したいと、粛清してやりたいと思うのなら、
いっそわたしの部品を変えてしまってください。
世界の音が良く聞こえるという人に、
わたしの声は届きますか?
それともわたしはラジオのように受信専用で、
発信することなどできないのでしょうか?
……そんな、女の子のつぶやきの歌です。
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『少女ラジオ』
古びたラジオのように
叩いたって直りません
修理がしたいならどうぞ
部品を変えてください
とぎれとぎれの声以外に
聞こえるのはノイズばかり
どれだけダイヤルを回しても
言葉がつかめません
誰か教えてくれませんか
人の心の周波数を
わたしの鈍い受信機が
拾えずにいる世界の音を
砂嵐から逃げたくて
アンテナを動かしてみても
耳に入る人の声は
どれも雑音混じりです
心優しい音の裏から
聞こえてくる嘘と悪意
ノイズに紛れたかすかな声は
なにを語るのでしょう
誰か教えてくれませんか
言葉に潜む本当の意味を
わたしの胸に刻まれた
ちぎれるほどの痛みのわけを
▲▲▲▲ここまで▲▲▲▲
ようやく今回の歌のまとめが完了しました。