雪国ぐらしだと、雪はとてつもなく大きな問題です。
問題ごとの約70%は雪によって起こるといっても過言ではありません。
毎朝、毎昼、毎夜、へたすると深夜も
雪はねをしないといけません。
あったかくなったらあったかくなったで、
隣の屋根の雪が落ちてきただの、
つららがガラスを割りそうになっているだのと苦労の連続です。
そんな雪はねで、毎年何十人もなくなっているのも悲しい事実で、
今の世の中でどうにかできないものなのかとふと考えました。
集合住宅はいいですが、なにより面倒なのは屋根の雪でしょう。
雪が積もるからはねなければいけないというのが普段の常識。
でもそれを逆転してみたらどうでしょうか。
雪が積もってもどうにもしない家。
むしろ積もるほどに強固になる家。
そんなものがないかと思いついたのが、かまくらです。
かまくらは雪が載っても壊れません。
むしろ、雪で作ります。
雪が積もるとその重量で下が押され、硬くなります。
硬くなったところに雪が積もればどんどん硬度がますはず……
とちょっと思ったのですが、実際には家がつぶれます。
2mの雪が降ったとすると、地面から2m、屋根の上に2mとなって
地面と屋根の雪の間に隙間ができてしまうため
雪が構造体にならないのが問題なのでしょう。
いっそ雪が積もってきたら家の周りに雪を積み上げて
完全なかまくらをまっさきに作ってしまえば
その後の雪は安心とも思ったのですが、
換気をどうすればいいのかで詰まりました。
窓をなくしてサイロや煙突のような円筒で屋根がとがった家なら
雪も勝手に落ちて窓ガラスも割れないとも考えましたが
そんな家ばっかり立っていたら面白すぎです。
……でも、外を円形にして、中に普通どおりの四角い家を建てれば、
四角と丸の隙間で空気の流れはできるようなそうでもないような。
かまくらはかまくらバルーンを膨らませて、
その上に雪を載せてたたいて固めてから
バルーンをしぼめてかまくらを完成させたりもします。
家のサイズより大きいバルーンを膨らませてかまくらを作ったのち、
バルーンをしぼめればなんとなく実現できそうな気もしたり、
むしろ雪が降ったらバルーンを膨らませて
脇に落とせばいいような気もしたりします。
でもやっぱり、ちょっと考えただけでも
いろいろ問題点が出てきてうまくいかなそうなので、
こんなに技術の進んだ今でも、雪をどうにかするのは難しいのでしょう。
父の友人が、「奥さん北海道に戻りたいんじゃないの?」
と訊くらしいですが、母はもう札幌になんて戻れないといいます。
わたしもそう思います。
雪のない暮らし、夜トイレで水を流せる暮らし、
水を落とさなくても朝水道管が破裂しない暮らし、
通販で送料が余分にかからない暮らしは楽でいいです。