ボルがななつでボルシチ~。
テレビを見ていたらボルシチの話が出てきました。
血のような赤色だったのでワインかなにかかと思ったら、
ビートを使っているのだそうです。
ビートと言えばどんなものかよく知りませんが、
いつぞや社会の授業で耳にした、砂糖だいこんのことでしょう。
まさかそんな面白げなものを使って
ボルシチが作られているとは思いもしませんでした。
そんなこんなでいろいろしたあとで、
最後にスメタナを入れるとか。
そう聞いて、頭の奥に味がわいてきます。
その味は水っぽくて川っぽくて、
どこかモルダウの流れを思わせるような――
って、スメタナって『モルダウの流れ』の作曲者じゃ?
思い違いだろうと調べてみたところ、
本当にモルダウの流れの作曲者はスメタナでした。
そしてボルシチに入れるのもスメタナでした。
スメタナは親に『チーズ』と名前をつけられたのかと思いましたが、
ロシア人でなくチェコ人だったらしいので関係ないようです。
たとえばロシア人がモルダウの流れを聞いて、
作曲者を習ったとき、スメタナと聞いてどう思うのでしょうか。
「あのボルシチに入れるチーズの!」
などと思うのでしょうか。
もしベートーベンが『コンビニベントウ』という名前だったら、
年末に『交響曲第9番』が流れるごとに、
「コンビニベントウの第9!」
なんて言われて笑われる気がします。
ところ変われば言葉も変わるわけで、
その変わった言葉の中でちょうど相手にとっても
意味が通じる変な言葉になる確率はそう高くない気がします。
そんな低確率に入ってしまったら……。
外国で名宣るのは恐ろしいものがあります。
ボルシチなんてあったんですね。国際的です。