直列☆ちょこれいつ

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レビュー:映画 ナルニア国物語 第2章

2011年03月01日 | レビュー系


1章から1000年以上も経って世界が様変わりしたころ、
かつて異世界に召喚された主役である4人の少年たちは、
また異世界に召喚されます。
呼び出したのは、その国の王になるはずの王子で、
王亡き後政権を握った男に殺されかけたためでした。

具体的なことは何も知らず呼び出された主役たちは
やっかいごとに巻き込まれながらも
いろいろ歩いているうちに王子と出会って合流します。
人間以外の見た目の種族と力をあわせて、
王国を支配しようとする悪者と戦おうとします。

主役たちの提案で、城に奇襲をかけますが、
王子が知り合いを助けに向かい、
出会った悪者も殺さなかったため、作戦は失敗。
乱戦になり、主役側の兵は半数近く死にます。
主役たちが撤退して砦に戻ると、
悪者たちが攻めてきます。

主役たちは、主役の二人を送り、その世界の神のような
存在を呼びに行かせることにします。
残ったほうは、時間稼ぎのために悪者の親玉と
一騎打ちをします。

一騎打ちでは主役が勝ちますが、悪者にとどめはさしません。
けれど悪者の手下の裏切りで悪者は殺され、
全面戦争になります。

主役たちは戦いますが、効果的に戦えないために
状況は不利になり、砦に引き返そうとしたところで
砦の入り口が破壊され、入れなくなってしまいました……


……というところで録画失敗で切れていましたが、
本来ならそのあと神様的な存在がやってくるようです。

全部は見られなかったので全体としてはどうとも言えませんが、
シーンシーンで見ていくと、結構おもしろかったです。
特に良かったのは団体戦で、ついつい画面に見入っていました。
そのほかでも、個々の戦闘シーンはよかったです。
一方で、盛り上がりをつなぐシーンは
いまひとつなのが多かったです。

たとえば、王子が城に乗り込んだあと。
悪者のボスと対面しておきながら、
殺しもせずに逃がしてしまいます。
そのせいで、味方が半分も殺されるという始末です。

そもそも、夜目が利いて小回りがきき、
しかも強いというねずみ兵がいるんですから、
忍び込ませて殺させるだけで半分は成功した作戦のはずです。


その次に気になるのは、城で合図をする主役の一人。
合図を味方に送るためのライトを投げていて、
驚いた衝撃で落としてしまうのもばかです。
大事なところで壊してしまうことを予測していないのも
作戦としてどうかと思います。
空を飛べる獣と一緒にきたのですから、
いざというときには獣が向こうまでひとっとびして
知らせにいってもよかったはずです。

それから、城門。
開けるまでの手はずはいいですが、
開けてからのことをなにも考えていません。
門扉の開閉操作箇所が一箇所で、
そこを死守するならそれはいいです。
でも、守りはせずにそのままです。
自分たちが攻めるときは開いていて、
退くときには、退いた後で閉まるのが理想のはず。

でも、終わったあとで閉めるのは難しいので、
常に開いているほうが楽なはずです。
それならば、門を開けたあとに棒でも立てて
門が降りないようにする必要があったはずです。
一人で門扉すら支える獣人がいたのですから、
そんな棒の運搬くらいできたはずです。
なのに、そんなこんなもなにもせず、
いきあたりばったりばかり。

戻ってからの砦戦闘は一騎打ちをするところはいいですが、
一騎打ちが終わったあと、殺さないのは興ざめですし、
理屈に合いません。
主役たちは殺さずを貫いているのかと思いきや、
これまでの戦闘でも、殺すときにはしっかり殺しています。
話のために殺さなかったというようなご都合主義が見えて
どうにも気分がさめます。

そしてそのせいで、悪者のボスの手下がボスを殺し、
それを主役側のせいにすることができてしまいました。

そもそも、一騎打ちで勝利して相手を殺すところを
見逃したというのに、その後に矢が飛んできて
死んだからといって、なにが約束破りなのかわかりません。
あの悪者王はもともと死ぬはずだったので、
どう殺されようと結果に違いはないでしょうに。
また、矢を手に持って差し込んだので、
どう見てもささっている角度が違うはずです。
なのに撃たれたと騒いでそのままにしているのが
どうにも不愉快でした。

さらには砦の総力戦。
入り口が壊れたら出入りできずに愕然とするような場所で
戦おうとしていたとわかったときにはこちらが愕然としました。

また、投石器や矢で攻められながらも、
低空正面からつっこんでいく考えのなさにもあきれました。
空を飛べる獣がいるなら、
正面から行かずに後方から攻めるべきでしょう。
投石器は仕組み上、真後ろへの攻撃はできません。
できたとしても本体を回転させる必要があるため、
かなりの時間、攻撃できます。
たぶん投石器の転換は行われないはずで、
敵の反撃は弓矢になると思われますが、
敵の部隊は後ろにもいるため、積極的な反撃は
行われないようにも思います。

それよりも、弓矢の距離には限界があるので、
弓矢の届かない高高度からの攻撃を行うのが
もっとも効率がよかったはずです。
それこそ、高高度からならただの石ですら
鉄砲クラスの破壊力になるのに。

一番いいのは、主役の一人の弓つかいを空とぶ獣と組ませて、
上空から攻撃することでしょう。
獣で城の上まで飛んだことを考えると、
十分に達成可能だったと思います。

また、主役の一人の弓使いは、
有効性をちっとも発揮していないのが気になりました。

城攻めのときも、城での乱戦のときも、
悪者王は射止められるチャンスはあったのに何もしませんでした。
加えて、神様のような存在を呼びに二人乗りで
馬で駆けていたときには、
そのまま撃たないどころか馬を下りました。
素人だし、手綱を任せて弓手として後ろに回るのかと思いきや、
それもせずに地面で捨て駒になろうとする始末です。
たしかあの弓は魔法がかかっていて、
本来ならいんちき性能を発揮するものだったはずです。
それこそ、馬に乗って適当に放っているだけで、
1対1の主役側有利の戦闘になるはずなのに、
わざわざ地面に降りて1対多数になる不利な戦闘を
命がけで行おうとする理屈がわかりませんでした。

一発撃ったら次をこめるまでに時間がかかる弩の弓とは違う、
連射の利く弓、それも超弩級の威力があるものを
ろくにつかおうとしない演出にはがっかりでした。

戦略、戦術ではない戦闘シーンは意外とわくわくするものの、
話を考えると今ひとつ。
という感想を考えると、アクション映画と
似た気分だとわかりました。
これはまともなお話の映画ではなく、
単なるアクション映画なのだと思うと、
結構おもしろかったです。

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