大事なものはなくしてから、そうと気づいたりします。
それはとても傲慢に見えるけれど、
じつは悲しい自然現象だということに気づきました。
たとえば健康しかり、その他しかり。
大事なものは、それを頼りに親しんでいるものです。
親しんでいるからこそ、
それはあたりまえのものになり、
自分を構築する概念の一部にさえ解けてしまうのでしょう。
だからこそ、元気なときは
走ろうと思えば走れるし、
立つことも座ることも簡単にできて、
その動作を心地良く思っています。
でも病気になるとそんな動作さえ大変で、
たったそれだけがすごく重要だったとわかるのです。
目の前にあるから、かえって見えなくなってしまうもの。
『安全第一』と書かれた職場の紙。
張りっぱなしなので、むしろなくなったときに
壁の白さが気になります。
ああいうものはぼちぼちと張り替えるほうが
効果的に思います。
まあ、それはさておいて。
友達がMP3プレーヤーをネットで買ったのだそうです。
チェックしたのはバッテリーが内蔵で、
ファイル投げ入れに対応しているものとか。
そして買ってみて、再生してみると……
シャッフル再生ができなかったそうです。
わたしもかつてCD-Rで聞いていたときには
並び順が変わらなくてしばらくすると
聞きあきるのでRを作り直すということも
やっていたくらい、シャッフルは重要です。
でもいまどき、iPODシャッフル、なんていうのが
でてくるくらいシャッフル機能は普通になりました。
そして聞く方も、好きだから気にせずに
それを使うわけです。
あってあたりまえの存在なので
とりたてて気にするものでもありません。
けど……
大事なものは、なくなってから気づくものです。
日常に開いた大きな落とし穴。
友達はそこにはまりこんでしまったのでした。
……わたしも大量に撮っていたデジカメは、
タイマーで2秒が選べたので
それを好んで使っていましたが、
それが壊れて買いなおしたものは
その機能がないと知って、すごくがっかりしました。
気にっているものこそ、忘れてしまいがちですが
覚えていて大事にしないといけないですね。
……健康でもカメラでもMP3プレイヤーでも。
※ワンポイント
特に文房具は値段でかなり変わってきます。
A社の鉛筆とB社の鉛筆、は鉛筆という名前でも
別物です。消しゴムもそうです。
自分が使いやすいと思うものがあったなら、
それは『消しゴム』『鉛筆』とひとくくりにせず、
『A社の消しゴム』『C社の鉛筆』という名前で覚えて、
それを買うようにしたほうがいいです。