テレビでヤシガニの話をやっていました。
中で、
「ヤシガニのパワーはものすごく、
人間がハンマーで叩いても割れないヤシの実を、
ヤシガニはハサミで割ってしまうのです!」
なんて言っていて、ものすごくいらっとしました。
ヤシの実は殻の中にごわごわとした毛がつまっています。
構造的に、対衝撃アーマーを装備しているようなものです。
そんなヤシの実に対し、ハンマーで殴るという
衝撃属性の攻撃をくわえても、壊れるわけがありません。
ヤシガニだって、ハサミで殴ってヤシの実を壊したわけではありません。
ハサミを差し込んでねじ切るという斬撃属性の攻撃で、壊したのです。
ヤシガニがハサミで切っているのだから、
比較手段もおなじく斬撃属性を使うべきでしょう?
ハサミと似た感じの特大ニッパーやパイプカッターを使って
ぐりぐりさしこんでみるとか。
そしたら絶対にヤシガニと同じ結果が出るはずです。
1000万円の日本刀で切れないガラス板も、
2万円のボーリング玉で殴りつけたら割れます。
それはボーリング玉がすごいのではなくて、
単なるガラス板の性質です。
叩いて割れないヤシの実が、切ったら割れるのは、
ヤシガニがすごいのではなくて、
ヤシの実の性質によるだけです。
こんな、実験の初歩の初歩を無視して、
相手に錯誤をさせるような内容がテレビで流されることに
大変ないらだちを感じます。
作り手はこんなので何も思わなかったのでしょうか。
まあ、昔からテレビなんて、戦争やファッション、思想などで
誤った情報を与えて視聴者をコントロールすることに
命をかけてきたような文化ですから、
チェックすらしていないのかもしれません。
実験の手段もそろえずに、比較をした気でいるような
不誠実なテレビ番組にはうんざりです。