ある夏の日。カレーを作りました。
みんながでかけるのでいろいろめんどくさく
中なべにそれなりに作ったのです。
一度食べてついでなのでまた火にかけ、
冷めてから冷蔵庫にしまおうと思っていました。
そして冷めたころ、おなべのふたを開けると――
表面がまっしろ。
ヘラを持つと、カレーの表面から
なっとうのねばねばのようなものが ぬちゃ……
瞬間、胸からこみあげそうになるもの。
まさかカレーが糸をひくなんて。
例のカレー臭にくわえ、腐った変なにおいが混ざって、
鼻から入るだけで吐きそうになります。
中身をどうにかしようと思ったのですが
流すわけにも行かず、
ビニールをひっくり返して手にはめて
すくいとっては元に戻して行くのです。
その間も触れると、ぬるっとぬめっと
おそろしい感触が手全体から伝わってくるのです。
大変もったいないことをしました。
そして大変おそろしい経験をしました。
正直、しばらくカレーは見たくありません。