靖国神社の宮司が今の天皇に対する不穏当発言で
やめることになったそうです。
どんな人かと思ったら、元、伊勢神宮にいて、
それが靖国神社の宮司になったのだとか。
それを踏まえて内容を見たら、多少は気持ちがわかりました。
わたしは古代神道や伝承に興味があるので
いろいろ調べているのですが、
今まで調べたところだと、どうも天皇の系統には
三系統があるようなのです。
鎌倉時代の南北朝とか、それより前の壬申の乱とか
もっと前の戦でも、天皇が原因となって
結構大きな国内戦が起こっていますが、
それの原因は天皇の系統です。
昔は純粋に男親と女親の血が同じで、
その同じ血の兄弟が争っている、というわけではありません。
片方の血が違って、どっちの血をトップにすえるか、という
一族とその郎党を合わせた戦いだったのです。
そういうごたごたの末、今優位なのが、第三・第一系統で、
第一の系統に第三の系統が入り、その第三系統が強くなったものです。
一番弱く、もうオモテにも出てこないのが、第二系統です。
神社の鳥居の形を見ればだいたいわかりますが、
たぶん、第二系統が祭られるとき、鳥居は額柱がなくなります。
丹の真ん中の『、』がない感じの鳥居です。
わたしはこれを適当に、名無し鳥居と呼びます。
伊勢神宮も、靖国神社も、この名無し鳥居が使われているので
祀られているのは第二系統だろうと思えます。
この第二系統にまつわる歴史にはとても嘘やごまかしが多のです。
たとえば、伊勢神宮は、アマテラスとトヨウケを祀っていると
いうことになっていますが、あれは嘘です。
新神道をすこしでもかじった人なら、
社殿を見れば嘘だということだけは簡単にわかるはずですし、
古代神道の神様や由来を知っている人なら、
嘘の内容もなんとなくでもわかるはずです。
かなり昔に、第二系統は国を守る役目に押し込められました。
伊勢神宮で個人のお願いはできないのも、そのためです。
伊勢の神様、第二系統の神様は国をどうにかするので
基本的に手一杯ですから。
そんな伊勢神宮には、歴代天皇は公式には、
ずっと足を踏み入れたことがないはずです。
なぜなら、系統が違うからです。
それをはじめて破ったのは明治天皇で、
おそらく、戦争によって国が危なくなったので、
鎮護の力を発揮してもらうためだったと思われます。
日本の神は祀られる事で力をつけるという概念がありますから、
日本を守るために、第二系統関連の神様の象徴として、
アマテラスを出してきました。
アマテラスという神様で第二系統を一本化して、
国を守る力を最大限まで高めようとしたのでしょう。
そんな戦争で死んだ人を祀ったのが靖国神社であり、
その鳥居はもちろん名無し鳥居です。
国を守ろうとして死んだ人たちですから、、
きちんと祀って神上がりさせられれば、国を守る神様にできます。
第二系統にまとめて、さらに力を上げようと
しているのかもしれません。
靖国神社には、天皇は昭和以降行っていないのだそうです。
でもそれも、系統が違うから、と考えれば理解できます。
実際、第一系統や第三系統の天皇たちは
長い歴史を見たって、伊勢神宮にさえ行っていません。
基本的に行かないものです。
だからこそ、伊勢神宮と靖国神社の偉い人が、
「天皇が神社にこない。ないがしろにされている」
のように言ってしまうのは、正直、わからないでもありません。
が。同時に思うのです。
――伊勢神宮と靖国神社の偉い人が、
そんな不満を口にできるものなの?
神社とはまったく関係のないわたしでさえ、
神社や神社の成立、神社の伝承やいわれなどを調べているだけで、
伊勢神宮に祀られているメインの神様がなにか、
どういった性質を持つ神様なのかもわかりました。
二柱の神様は、本名もわかりましたし、
一柱の神様に至っては、生前の真名までわかったと思います。
それにともない、第一系統の天皇が、
第二系統の天皇たちに何をしたのかもわかり、
なぜ第二系統の神様が祀られることになったのか、
なぜ歴代天皇が伊勢神宮に行かないのか、というのもわかりました。
伊勢神宮に、なぜ歴代天皇が行かなかったのかというのは
そこからも理解できます。
第二系統神社の靖国神社にも、基本行かないこともあたりまえです。
あたりまえを破って神宮に行ってでも、
護国を祈らなければいけなかった世界戦争というものが
本当に特殊で、国の危機だったのです。
そういったことは国のどこかに伝わっていて、
特に神宮なら、偉い人は、今までの日本の本当の歴史や、
伊勢神宮ができた理由、本当に祀っている神様のことなど、
秘密裏に代々語りついているものだとばかり、
わたしは思っていたのですが……
今回の宮司の発言、
「戦没者ならうちの神社が一番なのに、天皇は慰霊だと言って
ほかの神社にばっかり行くよ。おかしいよ!」
というような、ひねくれ小学生レベルの内容を聞いて
びっくりしました。
神社の由来や神様の由来を知っているだけでも
天皇が来ないことがわかることに対し、不満を漏らすのは――
まさか、伊勢神宮でちょっと偉くて、靖国神社のかなり偉い人が、
自分たちの神社の成り立ちも、祭神さえも知らないのでしょうか?
伊勢神宮もその程度なのか、日本の歴史はその程度のものなのかと
結構なショックです。
古墳に対して発掘禁止令を出したり、
古墳に対して名無し鳥居を立てたり、
そのメンバーに古代豪族の子孫っぽい名前がいたり
するところを見ると、宮内庁は歴史を知っているように見えますが、
そこだけの秘密になっているのでしょうか。
日本史のオモテに出ない真の歴史。
自分の研究が合っているのか間違っているのか、
答えあわせだけでもしてみたいものです。