ある種のよい記憶というのは、
意外と簡単に記憶から失われてしまうようです。
わたしは業務用のパンチを愛用していて、
この前もショートショートなどを印刷して
ファイルにまとめていたのですが、
それを見た友達が言いました。
「へえ、そんなの持ってるんだ?」
な、なんだってー!
友達が会社を辞めるときにもらったとかで
わたしにくれたものなのに、と結構ショックでした。
それから何日か後。
冷え込みがきつくなってきたと話していたら、
友達が言いました。
もっと寒くなってだめになったら、
わたしからもらったなにかを使うと。
思わず、「はにゃ~?」とはに丸くんぶるところでした。
議員風に言うならば、まさに
「記憶にございません」。
そう言われればなんとなく、かわいかった
もこもこのスリッパを買ったような気もするし、
あるとき見かけてすごくはまった、
完全防水手袋を渡したような気もします。
でも、どっちも違う感じもするのです。
まあ、つまり。送り物などは、
送った時点で行為が完了するために、
満足してしまい記憶に残らなかったんじゃないかなあと
逆ツェイガルニク効果について考えてみたある日でした。