録画再生を止めたら、現在やっている番組が出てきました。
写っているのはゴルフの練習シーンです。
そこではスイングをしている様子が写っていましたが、
だいたいどれもひどいと感じました。
わたしはゴルフは やったことすらないので
どうひどいのかわかりませんでしたが、
見た感じ、スイングが美しくないというのはわかります。
ゴルフクラブを振るときに、上体が がくん、がくんと揺れていて、
ゴルフのスイングはこんなだったかなあと思いながら眺めました。
シーンが変わってプロっぽい人が出て振ると、
腕を回しているのに体の位置はぶれません。
ゴルフクラブがきれいな円を描いて、すぱっと回ります。
それを見て、ああ、体の軸がぶれない、ぶれさせないって
こういうことだったんだ と初めてわかりました。
たとえるなら、先っぽに玉のついた紐を木の棒に軽くくくりつけて、
くるくる回すイメージです。
棒は棒としてすっきりと立ち、その周りを玉がきれいに回ります。
その棒が人間で、玉と紐が、ゴルフクラブと腕です。
ゴルフクラブは腕でひっぱたくのではなく、
棒である体の軸を動かさず、
棒についた紐が回るように、ブランコをこぐように、
ゴルフクラブの頭に遠心力を乗せて、
軸の外側を腕が滑っていくように
するっと流して振りぬくとよさそうに思えました。
その点で、日本刀の振り方にすごく近いものを感じました。
もしかしたら刀でもゴルフができるかと、
刀動作でゴルフボールを打とうとしてみましたが、
刀はめったなことでは振りぬかず、残心をとるので、
それほど近い動作にはなりませんでした。
うまい人のだけを見ていると、うまい動作があたりまえに出てくるので
まったく気になりませんが、
多少下手な人のを見ると、比較対象ができて、
下手な人のどこが下手なのか、うまい人はどこがうまいのか、
比べられてためになるということを、今回しみじみ感じました。
これはおそらく、絵や文章、曲やゲームなど、ほかのものでもそうでしょう。
あまりにうますぎるのは、なにをやっているのかわかりません。
うまさがあたりまえなので、それをつかめないのです。
海腹川背でも、思いっきりうまいひとは無重力のように
ふわふわとステージを動くので、なにをやっているのかわかりません。
多少下手な人のプレイのほうが、そこはそうやっているのか
そこに工夫しているのか、そこはもっと変えられるんじゃないの? と
自分に伝わるものがあるように思います。
録画を消したちょっとの時間ですが、学ぶものは大きかったです。