かつて、難波(なにわ)の隣にあった茂荒(もあれ)。
右と左のどちらが難波でどちらが茂荒か混同する人も多い一方、
混同されるのをとても嫌う人も多くいました。
そこについて話そうとするのに、
どちらのことを言っているのかわからない。
それを正そうとする人の口を塞ぐのに言った言葉が、
「難波(なにわ)と茂荒(もあれ)はさておいて」
難波でも茂荒でも今はどうでもいい、
ひとまずそれは横において、
という意味です。
これが時代を経て変わったのが、『なにはともあれ』。
今では『何はともあれ』とも書かれるものです。
でも、もともとは『難波と茂荒』。
現代で言えば『鳥取島根』といったところですね。
(参照:民明書房『地名と成句』根取 左右介 著)