2011年12月4日
ツゲ峠から南東方向へ100m程はいった地点に日本鹿の食害調査用金網が設置されていた。
この様子は今からおよそ7年と4ヶ月前の光景です。
スギコケの上にある糞は鹿のものでしょう。
周辺いたるところに散らばっています。
金網の中は外と同じ表土。
強いて言えば金網の中には雑草が生えた形跡が見られる。
外の表土は黒い土が剥き出しになっている。
ブナの立ち枯れの状況は天城山ではツゲ峠周辺が一番ひどい。
ブナが立ち枯れると数年で土に帰っていく。
このブナは、山と渓谷でも紹介された仁王立ちブナであるが立ち枯れが始まり枝の先が白く枯れ始めています。
12月なので落葉しているが・・・全く勢いはない。
こちらは2017年11月6日の光景です。
金網に囲われた光景にびっくりしたのです。笹が繁茂しているではありませんか。
6 ササ類 イネ科 天城山の八丁池付近の高い所にはアマギザサが多い。本種は筆者の標本をタイプとして牧野博士が命名し たもの。
西天城の尾根すじにはコアオスズ (タ ンザワザサと同一という)が群生する。中腹に生えるものは スズダケである。
スズダケは行李などを編むによい原料である。これら3種 は日本の外帯に生じ内帯には見 ない。
出典元:天城山の植物 - 静岡県自然史博物館ネットワークより抜粋
周辺の光景
四角金網手前には小さな六角金網で囲われていますが鹿が食いちぎり広げて破けています。
鹿が美味しいそうな笹を目の前にし悪戦苦闘した痕跡でしょう。
禿あげた平地にはコケとアセビが浸食しつつあります。
で、こちらは長沢の頭の西側に立っていた仁王立ちブナですがご覧のように
土に戻る準備中です。
朽ちかけた幹からは色々な植物が芽生えているではないかい。
生あるものの変遷光景
を目の当たりで見ています。
そしてこの光景は、2019年3月20日の光景です。
周辺の立ち枯れたブナは見当たりません。
また、占拠し始めていたアセビも消えかけていました。ひょっとすると笹やコケの衰退は表土に保水力をなくしてしまうのかもしれません。
コケ、茶褐色ではありませんか・・・
食いちぎられた目の細かい六角金網の手前には更に四角い金網が設置されていました。
中の笹は更に成長していました。
凄いです。
松も生えているではありませんか。びっくりぽんや
周辺は砂漠化、金網の中は笹藪化しています。
藪漕ぎにとっては最強の難敵なんですがね。
周辺のブナも立ち枯れして行くのでしょう。
やはり人間の手が入らないと再生できそうにありません。
里山は人が作った光景と重なってきます。
金網の中は、この木なんの木かは分かりませんが(ブナでしょうか、それともヒメシャラ?)すごく生えていまして
ピンクテープでチェックされたいました。
藪漕ぎにとって難敵なんですが
天城山がこのように再生して欲しいと願っています。
先日登った甲州市の大蔵高丸周辺には広大な尾根筋に強固な金網が設置されており、高山植物をシカの食害から守る策が講じられていました。
登山道が尾根筋にあるのですが出入り口はオートロックの金網扉が設置されており問題ありません。
天城山のブナや笹の再生にはやっぱし人間の手が入らないと再生できなだろうと思いながら猫越岳展望台へと急いだのでした。
笹が繁殖すると樹木にも影響が出てきてしまいます。
元の様な状態になるには時間が必要ですよね。
早い再生を願います。
コメントありがとうございます。
伊豆の山々は鹿や猿、イノシシ、リスがが増え大変な状況になっています。
鹿は笹をほぼ食べ尽くし天城山周辺には笹が無くなってしまいました。
ブナが古木になり次世代に変遷しようと沢山の実を落とすのですが芽が出ても鹿が食べてしまうので再生できていません。
しかし金網の中は別世界なんです。
人が手を加えない限り衰退の一途を辿りそうです。
鹿の食害、怖いですね。
人の手が必要ですよね。
去年、尾瀬に行って鹿の食害を感じてきました。
ニッコウキスゲが咲いてない!
数えるほどでした。
早い対策が必要ですよね。
今後調査結果がどのような対策を講じていくのか見守っています。