ナターシャは随分前から、パワーポイントとレジメを準備した。10月10日に戦況が悪化したので、その部分が付け加わった。担当の先生とzoomで打ち合わせもした。2週間前に、生徒たちに事前学習も行われ、生徒の関心も高まっていた。そういう準備があったので、成功しないはずはない。
天王寺駅で待ち合わせて、高校に向かった。以前、勤めたことがある高校なのに、最寄駅に降りた時、方向がわからなくなって少し迷ってしまった。情けない😅
体育館に入ると、もう3年生全員がお行儀よく体育館に座っていた。公立高校には講堂がないので、生徒たちが体育館の床に座っていると思うけど、びっくりしないでね、と予め、ナターシャに言っておいた。
最初に、私がナターシャと知り合った経緯などを話した。とても熱心に静かに聞いてくれたが、あまり反応がなかった。
次にナターシャがスライドを見せながら、40分くらい英語でお話をした。英語の先生が通訳をしてくれた。生徒たちは熱心にウクライナから避難してきた英語の先生の話を聞いた。欲を言えば、もう少し反応してほしかった。ウクライナの小学生の制服姿を見ても無言だった。「うわあ、かわいい」と言ってもよかったのに。

スライドのタイトルは”Hello from Ukraine ( school life and beyond)”
次のような順番でスライドを見せた。
彼女が住んでいたドニプロ→自宅→勤めていた学校→制服→学校の給食→ある美しい村→2月24日に起こったこと→戦争が起こった理由→ウクライナが3つの地域に分かれていること→歴史を少々(コザックなど)→避難の様子など→誰が戦っているか→最後に大阪に着いた→10月10日に起こったこと→大阪の皆さんへの感謝

彼女の話が終わった後、質疑応答の時間が設けられた。私がマイクを持って、質問する生徒のところに行き、ナターシャの答えを通訳した。最初に質問した生徒の英語がよく理解できなくて、冷や汗が出たが、和やかな雰囲気で進んだ。だんだん面白い質問も出てきた。10人以上の生徒が質問した。「もし、日本で同じようなことが起こったらどうしたらいいと思いますか?」「戦争を防ぐには対話と力の均衡のどちらが大事だと思いますか」「避難した電車のコンパートメントにいた猫の名前は?」「◯◯駅でナターシャさんを見かけたような気がしますが、◯◯駅に来たことがありますか?」「冷蔵庫の中に、何が入っていますか?」など。
最後の質問は「好きな日本語は何ですか?」答え「たまご」卵という漢字が面白いし『たまごっち』もご存知でした。私は『たまごっち』が卵chinに聞こえてしまい、笑われてしまった。まあいいっか。
これで講演会が終了した。生徒たちの心にどんなことが残ったのだろうか。後日、担当の先生が生徒の感想を送ってくれる。楽しみだ。
途中の駅でナターシャと別れた。私はここでコーヒーを飲んで、ちょっと休憩した。

今日はあまりに写真が少ないので、夕食の写真をアップ。買い物に行かずにあり合わせのもので作った不思議な取り合わせ。まあいいっか。
