10月20日（日）奈良の鹿が元気を取り戻した

今日は6時間の奈良ツアー。ゲストを迎えにホテルカンラ京都に行った。ゲストはボストンから来られた29歳のご夫妻、マックスさんとキャロラインさん。お二人は小学校3年生からクラスメート。高校生の頃から付き合い始めて、大学は離れたところに行ったので遠距離恋愛。2020年に結婚式を挙げる予定だったが、コロナのために1年延期して、新婚旅行はハワイに行かれたそうだ。マックスさんのお父さんは武田薬品に勤めておられる。アメリカの会社が15年前に武田に買収されたそうだ。それでお父さんは仕事で大阪や工場のある山口県光市に何度も訪れている。この旅行のアドバイザーだ。

地下鉄と近鉄に乗って、奈良に向かった。

奈良駅からはタクシーに乗り、南大門の少し手前で降ろしてもらった。鹿と遊んでもらいたかったので。思った通りお二人は大喜び。キャサリンさんが鹿せんべいをあげる様子をマックスさんがビデオ撮影。

東大寺大仏殿に到着。大仏殿に上がる急な階段で事件は起こりかけた。私が上りながらふらっとして、階段を踏み外しそうになった。とっさにマックスさんが私の腕をしっかり掴んでくれたので、体勢を立て直すことができた。彼が掴んでくれなかったら階段から落ちて、大怪我をしていただろう。マックスさんは小さいときから野球とバスケットボールをされていたスポーツマン。しかもとても背が高い。彼に助けられた。

堂内では多くの人がスマホで大仏の写真撮影。お二人はむやみに写真を撮られない方だった。

お堂の中は外国人観光客でいっぱい。修学旅行の学生がいなくてよかった。

広目天。顔自動フィルターを使うと広目天の顔までこうなってしまう。

大仏殿は2回、火事で燃えている。1回目は南都の焼き討ちにあい、清盛の命を受けた息子、重衡に燃やされた。2回目は三好・松永の兵火により灰塵に帰した。堂内には創立当初の大仏殿、2代目、現在の大仏殿の模型が並んでいる。だんだん小さくなっている。現在の大仏殿は18世紀の初めに建立されたと言うと、マックスさん「それでも僕たちの国より古い」と。確かに。アメリカは1776年7月4日に独立宣言が出された。

キャロラインさんはお守りを買われた。

大仏の向かって右にある如意輪観音。「これはいつ作られたの？」と聞かれて答えられなかった。情けない。江戸時代だった。ちょっと調べればわかることなのに。勉強不足を痛感した。仏像の4つのカテゴリーを偉そうに説明をしながら、目の前の物について無知だった。

春日大社までタクシーで行くか、歩くか尋ねたら、歩きたいとおっしゃった。絶好のハイキング日和だった。二月堂の階段を登り、奈良の景色を楽しんでいただいた。お水取りの竹の棒がどこかに置いていないか、キョロキョロ見回したが見つからなかった。

若草山を見ながら、ウォーキング。日陰を歩きたくなる陽気だった。

1300年の歴史をもつ『三條小鍛冶宗近店』に入った。マックスさんのお父さんの趣味はガーデニング。いいハサミを買ってあげたいそうだ。良いものが見つかった。小枝も切れるし、華道にも使えるハサミを購入された。9000円だったが、消費税を引いてもらった。手入れの方法も教えてもらった。この古いお店は元々は刀を作っていたが、武士の世が終わり、包丁作りに切り替えた。誇り高き、店主のお話をゲストさん、興味深げに聞いておられた。

井伊家の甲冑。刀との物々交換で手に入れたそうだ。

鹿を見ながら春日大社に向かった。今日は鹿が元気だ。9月の半ばに来た時は、暑さでぐったりしていた。ハンサムな雄ジカ。

今年、生まれた子鹿だろう。

春日大社に到着。大杉の横で花嫁花婿さんの親族が集合。結婚式の写真撮影をされていた。キャロラインさんに「花嫁さんが被っている白いものは何？」と聞かれた。私「今日はツノを隠しているんです。結婚式が終わったらツノが出てくるんです」樹齢1000年と言われている杉の大きさがよくわかる写真。

灯籠は今では年に2回しか灯されない。それで灯籠体験ができる藤浪の屋という場所がある。

拝殿に今日は鹿の足跡🐾はなかった。

駐車場のところでタクシーを呼ぼうとしたが、GOアプリを使って配車できなかった。近鉄タクシーに何度も電話をかけ、やっと繋がったが、今日は道が混んでいて車が動かないから配車できないと言われた。元気なお二人は駅まで歩いてくれた。参道は杉の木の影になっているし、鹿がいるので気が紛れる。猿沢の池を経て、商店街を抜け、奈良駅に着いた。京都の地下鉄に乗り入れしている急行に乗れたので乗り換えをせずに京都まで行けた。祇園に行きたいとおっしゃったので、簡単な地図を書いて渡した。四条通りでお別れした。今日も素敵なゲストさんに会えた。特にマックスさんはニコニコして、いろんなことを喋ってくれた。明日は広島にお連れする。まだたまに咳が出るが、なんとかなるだろう。

遅い昼食はこの餃子店で。私はレストランを知らないので、ライングループの人が教えてくれたお店には行ってみようと思っている。『モトイギョウザ』を推薦してくれたガイドさんがいた。