ある店で見かけたビカクシダ(Platycerium)にネザーランドというタグが付いていた。しかしこんな品種は以前にビカクシダを集めてきた頃には無かったと思う。なので早速その場でネット検索してみる。名前から「ははあ。オランダで品種改良したヤツかな」と予想したらズバリだった。
昔からある普及品種のビフルカツムを改良したもので、ビフルカツムの丈夫さと、胞子葉がだらんと垂れてしまうビフルカツムの欠点を改善したピンと立ち上がる胞子葉が特徴らしい。ビカクシダなんてマイナーな植物にまで手を伸ばすとは、さすが植物王国オランダと感心する。
欲しいと思ったが、高い。以前に私が集めていた時の三倍ほどの強気の値付けだ。植物は生き物であるから、いくら丈夫と言われても枯れる時は枯れる。できれば手頃な値段の方が望ましいのは当たり前のこと。だったら昔のようにヤフオクで・・・と目論んだのだが、出品されているビカクシダの数々はもっと強気の値付けばかりで驚いた。株分けしたばかりの小さい苗に一丁前の値が設定されている。それなのに入札者がいるのは意外だった。
私が投げていた間に何が起こったのだろう。
商品の価格は需要と供給のバランスで決まる。高騰したということはそのバランスが変化したということになる。供給が減ったのか、需要が増えたのか、それともその両方なのか。
◯予想
ウイルス禍による在宅ワークの推進や政府からのステイホームの要請により従来よりも家にいる時間が増えた。家にいるのだから身の回りの環境に気を配るようになり、ペットやガーデニングの需要が増した。他人とは一味違う植物に興味を持つ人も現れるだろう。その結果、ビカクシダなんて一部のマニアしか取り引きのなかった植物の従来の市場バランスが崩れたのでは?
真実はわからないが、ペット需要とガーデニング関連の需要が増したのは事実である。