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海の家

旅行と映画の感想を載せていきたいと思います。
よろしくお願いします(*^_^*)

ゲゲゲの鬼太郎 千年呪い歌

2008年07月22日 21時21分21秒 | 映画感想
監 督 本木克英
出演者 ウエンツ瑛士(鬼太郎)
     北乃きい(比良本楓)
     田中麗奈(猫娘)
     大泉洋(ねずみ男)
 7月21日海の日に観に行きました。夏らしいホラー系の雰囲気に浸りたかったのが主な理由です。


…さて、ここからはネタばれありです…


 前作に比べ、こなれてきた感じ。より自然らしさが出ていたのではないでしょうか。
けっこう悲惨な逸話をベースにしていて、人間の愚かさや残酷さを表そうとしています。話の重さに、子どもはちょっと泣くかもしれません。まあ、メッセージ性が強い分、ちょっと説教臭い面もあります。「人間は…」という台詞が多かったですね。

 また、鬼太郎の出生の様子や心の葛藤なども描かれていて、人間の生き方も考えさせられる所がありました。私個人としては、説教臭い映画は敬遠するところですが、こういうヒューマンチックなメッセージっていうのも、倫理性が問われる現代では必要なのかもしれません。

 映像は前作よりリアル感を出していますが、良くも悪くもまだまだマンガチックでした。まあ、そこが持ち味でもありますので、よしとしましょう。キャストもコメディ調あり、本格派ありと演技派揃いで、特にぬらりひょんの緒方拳や濡れ女の寺島しのぶもしぶくてよかったです。ねずみ男の大活躍には、ちょっと頼もしさを感じてしまう場面もありました。
しかし、敵役の夜叉(ソ・ジソブ)は、しゃべらないのと、ラストの曖昧な決着で、ちょっと影が薄かったという印象を持ちました。


 ラストの巨大骸骨との死闘は、色合いなどが凝っていて、和風のテイストも感じられて私としてはよかったと思いました。日本のCGも(アメリカと比べるとまだまだ地味ですが)ずいぶん進んだと思います。

 おなじみのキャラクターのどたばたなど、鬼太郎ワールドに浸れて気に入った映画だったですが、猫娘のアクションシーンが少なかったのがちょっと物足りなかったかも(^^ゞ

山のあなた~徳市の恋~

2008年06月07日 10時16分58秒 | 映画感想
監 督 石井克人
出演者 草なぎ剛(徳市)
     マイコ(三沢美千穂)
     加瀬亮(福市)
     堤真一(大村真太郎)

 旧作「按摩と女」(清水宏監督)のリメイク(石井監督はカヴァーといっています)です。テレビでも盛んに取り上げられた作品で、その時の映像が美しかったので、公開日(5/24)に期待していきました。
 期待通り、いや、期待以上のすばらしい映画でした。現代日本人が忘れた、それでいて心のどこかに持ち続けている感性を、そっと揺り動かしてくれる優しい映画だったと思います。


…以下ネタばれです…



 まず、全体の雰囲気ですが、石井監督が旧作の「カヴァー」と称したように、古い日本映画のテイストを十分に再現した、懐かしい和風の印象になっています。観る私たちもその世界に入り込み、現代では失われた自然と生活と人情の中に浸って、のんびり、あたたかい気持ちで満たされます。

 登場人物達の演技もよかったです。演技派の人ばかりで、その世界観を見事に表してくれました。
草なぎ剛さん演ずる「徳市」は、負けず嫌いな性格の、愛すべき人物ですが、草なぎさんはその人間くさい部分を、ユーモアを交えながらうまく演じていたと思います。
マイコさんも謎のある女性を非常に魅力的に演じてくれました。子役の子もよかったです。
シリアスとユーモアの切り替え、配分がよくて、いつの間にか引き込まれてしまっている、という感じです。

 映像的にも、昔の温泉宿場が見事に再現されていました。ミニチュアセットを使った合成画面だったそうですが、そういったことを全く感じさせない画面に仕上がっています。(1シーンだけ背景と人間とのギャップを感じさせるところがありましたが、そこは確信犯的だったと思います。)
また、自然の美しさが余すところなく出ていて、日本って美しい所なんだな、と改めて感じさせてくれます。この映像は芸術的です。

 ストーリーはものすごい大事件というほどのことはないのですが、謎有りアクション有りで、楽しんでほろりとさせられる、いい話でした。ここにも日本文学的なよさがあります。

 いずれにしても、心を癒すために何度も観たくなるいい映画でした。
1000円は安い!!

ナルニア国物語 第2章カスピアン王子の角笛

2008年05月28日 19時41分40秒 | 映画感想
監 督 アンドリュー・アダムソン
出演者 ベン・バーンズ(カスピアン王子)
     ウィリアム・モーズリー(長男ピーター・ペベンシー)
     アナ・ポップルウェル(長女スーザン)
     スキャンダー・ケインズ(次男エドマンド)
     ジョージー・ヘンリー(次女ルーシー)
     セルジオ・カステリット(ミラーズ)

 ついにナルニアの第2章封切り!待ちに待った映画がやってきました。
ということで、期待に胸ふくらませて観に行きましたが、いやぁよかったです。
第2章という事で、世界観などのインパクトはもちろん少なくなりますが、それを補って余りあるストーリー展開、映像のすばらしさがあったのではないでしょうか。

…以下ねたばれありです…



 オープニングは、ナルニア世界のテルマール国での策謀の場面から始まります。継承者争いの、生々しい設定ですが、まあファンタジーでもよくある設定でしょう。
命からがら逃げ出し、ナルニアの民に助けられる王子が吹いた角笛によって、ペベンシー兄弟が現実世界から呼び寄せられます。いよいよ冒険の始まりです。
前回のストーリーは、白い魔女ジェイディスVs善のアスランという単純な図式でしたが、今回はもう少し複雑です。そしてその中に込められるメッセージも深化しているようです。
まず、大きなテーマはキャッチコピーにもなっている「人間Vs魔法」。言い換えると人間と自然との関係です。その答えがカスピアン王子の立場であり、生き様であるといえるでしょう。
さらに、カスピアン王子と長男ピーターとの確執。リーダーシップとは何か。協力とは何か。このあたりも観ていて興味がひかれるところです。
白い魔女ジェイディスの誘惑を通して、強い意志のありようも示されています。この場面での次男エドマンドのりりしさは、前作での体験を通じての成長が感じられるところです。
そしてアスランの存在。テーマとしてはこれが一番伝えたいことでしょう。正しいこと、真なることを信じることの難しさ、大切さなどが伝わってきます。(ただし、このあたり、やはりキリスト教というものを抜きには正確な理解ができないのではないかと思われます。)

 こういう風に改めて取り上げていくと返って興がそがれますが、様々なことを考えさせられるストーリーというのは豊かで奥が深く、「面白い」と言える物だと思います。特に多感な少年・青年時代に触れるものとしては最高でしょう。

 登場人物達も魅力的です。美形のカスピアン王子や、少し成長した四兄妹はもちろんですが、(特に長女、次女の活躍はよかったです)私のお気に入りは、ドワーフのトランプキン。ちょっと無愛想で皮肉家でもありますが、その奥に実直な心を持った愛すべき人物です。鼠の騎士リーピチープもかわいくていいですね。しっかり戦力にもなっているし。しっぽのエピソードは心温まります。

 映像はもう言うことがありません。ハデな特撮もすばらしいですが、森の中の自然の美しさは、ほんとうに心洗われます。動物たちが違和感なく人間と同じような仕草をする所なども見所です。ピーターとミラーズの一騎打ちでは、特撮抜きの体当たりの演技で迫力がありました。

 実はつっこみどころも何カ所かありましたが、そういう野暮なことはいいっこなし。純粋に楽しめる名作でした。

 さて、次回からは四兄妹の長男・長女は出ないようですが、ちょっと寂しい気がします。でも、新たな話を期待しましょう。

相棒-劇場版-絶体絶命!42.195km東京ビッグシティマラソン

2008年05月02日 22時01分41秒 | 映画感想
監 督 和泉聖治
出演者 水谷 豊(杉下右京)
     寺脇康文(亀山 薫)
     木村佳乃(片山雛子)
 5月1日(木)に観に行きました。水谷豊が大好きなので、テレビ版「相棒」はいつも楽しく見ています。とはいえ、普通ならばテレビドラマの映画版は観に行きませんが、1日は映画の日でかつ連休中なので、是非映画を観に行かねばと思ったので、思い切って観に行きました。



…ここからネタばれですご注意を…



 内容、映像ともにテレビ版と大きな雰囲気の違いが無く、映画版にありがちな変な違和感はありませんでした。この辺りの感覚は賛否両論でしょう。私は好印象と受け取りましたが、後日DVDを借りて観たとしても、十分な満足が得られたかもしれません。

 とはいうものの、マラソンの場面や橋でのアクションシーンなど、映像的にも頑張りが見られます。CGや特撮などハデな演出はない代わりに、うまい俳優や丁寧に作られたシーンでより迫真さが増しています。

 ストーリーも、前半と後半ではテーマががらっと変わり、二話分のボリュームがありました。国際協力や報道に関する強い批判が込められていて、この辺りが「相棒」の面目躍如たるところでしょうか。
また、話がチェスを軸に動いているのも、凝った演出です。(ただし、チェスが分からない人には今ひとつピンと来ないところもあり、諸刃の剣でもあるのでしょうが…)

 俳優さん達は、主役の水谷豊さん・寺脇康文はもちろん、テレビでおなじみの人たちの他にも、西田敏行さんや津川雅彦さんなど、そうそうたるメンバーがそろい、深みのある表現となったと思います。

たっぷりと「相棒」世界に浸るための映画といえるでしょう。

ライラの冒険 黄金の羅針盤

2008年02月28日 19時07分21秒 | 映画感想
監 督 クリス・ワイツ
出演者 ダコタ・ブルー・リチャーズ(ライラ)
     ニコール・キッドマン(コールター夫人)
     ダニエル・クレイグ(アスリエル卿)

 2月23日(土)の先行上映で観てきました。原作は三部作の有名なファンタジーだそうで、ストーリー展開の面白さは折り紙付きです。
とはいうものの、今作品は三部作の一作目。本当のクライマックスはまだまだ先のようでした。


…ここからネタばれありです…


 全体的な印象は、ファンタジーの王道!という感じです。映像的にも丁寧な作り込みで、動物たちの動きや、変化(変身)する様子、鎧熊の立ち居振る舞いと、ライラを背中に乗せて走る場面、魔女達の動きなどが自然な感じで描かれていて、好印象を持ちました。
ただ、舞台が寒いところが多かったので色彩的に地味になっていて、この辺はちょっと物足りない印象を持つ人もいるのではないでしょうか。

 そういった地味さを補って余りある魅力は、その世界観にあると思います。
まず、人間の魂が、動物の形となって現れているという設定。(この「魂=動物」を「ダイモン」と呼びます)だから一人に一匹ずつ、必ず動物が憑いています。そしてその動物が人間の性質をよく表しています。例えば勇敢なアスリエル卿には、かっこいいユキヒョウというふうに。ちなみにライラのダイモンは、まだ決まった姿になってなくて、色々な動物に形を変えます。
題名にもなっている羅針盤の存在も興味がひかれます。その他にも色々な謎がちりばめられて、二作目、三作目を早く見たくなります。

 俳優さんも個性ある人達がそろっていました。特に主人公ライラを演じたダコタ・ブルー・リチャーズの顔立ちは、単なる美少女とは違って、どこかしらファンタジーを感じさせる雰囲気がありました。そして実在の俳優ではない、鎧熊の「イオレク・バーニソン」。彼の存在はこの映画の要ではないでしょうか。

 良い映画でしたが、最初に記したようにあくまでも三部作の一作目です。この作品だけで完結するような作りではありませんので、最終的な評価は三作全てを見終わって行われるべきかもしれません。そのことを中途半端な印象だとマイナス評価するか、次なる楽しみが待っているとプラス評価をするのかは人によりけりでしょう。

私は純粋に楽しみが増えたとものすごく喜んでいます。

L change the WorLd

2008年02月11日 11時54分49秒 | 映画感想
監 督 中田秀夫
出演者 松山ケンイチ(L)
    工藤夕貴(九條希実子)
    福田麻由子(二階堂真希)

 公開日前日にテレビ放映されたデスノート後編を観て、さっそく観に行きました。
私としてはとても面白く観れました。
デスノートのイメージとは違い、リアルな世界観でハードなストーリーとなっています。この作品によってLの人物像が飛躍的に広がり、ひいてはデスノートの世界観も深みを増したのではないでしょうか。


…以下ネタばれです。ご注意を…


 バイオテロという、恐ろしく、しかも現実味のある恐怖をストーリーの中心に置いて、Lの活躍を描いています。デスノートのような非現実的な設定はいっさいありません。もともとLは世界を股にかける名探偵ですので、扱った事件はむしろ現実的なものばかりでしょうし、そういった意味ではデスノート事件は非常に特殊だったはずです。だから、Lの最後に扱う事件として、今回の事件はまさに適切だったと思います。

 そういったリアルな話を通しながら、Lの人となりが丁寧に描かれ、その純粋さに胸を打たれます。孤高な存在のLに対して、これまた純粋な存在でもある子供をあづけることによって、そこに何とも言えない哀愁が漂うように見えたのは私だけでしょうか。
ラストのBoyとの別れのシーンは感動しました。題名の鍵となる名台詞もいいですが、特にLが不器用に背筋を伸ばすシーンには涙を誘われました。
松山ケンイチさん、見事にLを演じきったのではないでしょうか。

 映像も、ハリウッド映画ほどのハデさはありませんが、要所要所のCGや特殊メイクなどは丁寧に作られていて、物語世界をしっかり作ることが出来ていたと思います。全てをハデにするのではなく、やれる所をきちっと作る、その見極めがうまくできていました。さすがリングなどを作った中田監督です。特に二階堂真希の父親の死に様は、ホラー映画の経験がフルに生かされた場面だと思います。

 また、俳優さん達の熱演もこの映画の良さを高めています。先程述べたように松山ケンイチさんは仕草の一つ一つにLのキャラクターを感じさせる好演をしています。工藤夕貴さんや高嶋政伸さんはもとより、子役の福田麻由子さんや福田響志くんもよかったです。

 人によっては、敵の手から逃げて松戸教授の所にたどり着くまでをやや冗長と感じる人がいるかもしれません。その辺りは好みの問題でしょうね。Lが自分の「苦手分野」を頑張ってこなしていく場面として興味惹かれるシーンではなかったでしょうか。

 それにしても、次回作を作るとしたら、どんなシチュエーションになるのでしょうか。
Lの探偵デビューの話? 少年が成長して「N」として活躍する話?  

ナショナル・トレジャー リンカーン暗殺者の日記

2008年01月15日 21時09分43秒 | 映画感想
監 督 ジョン・タートルトーブ
出演者 ニコラス・ケイジ(ベン・ゲイツ)
    ダイアン・クルーガー(アビゲイル)
    ジャスティン・バーサ(ライリー)
 昨年(2007年)の12月23日に観た映画です。感想を書くのがものすごく遅くなってしまいました(>_<)
世界を股にかけた冒険で、アメリカはもちろん、フランス・イギリスなどへ飛んでいきます。次から次へと謎解きとアクションが出てきて観ていて飽きませんでした。


…ここからちょっとネタばれです…


 主人公が自分の祖先の汚名をすすぐために、謎解きをしていくのですが、一つ一つの謎がけっこうすぐに解けてしまい、よく言えばストレスが貯まらない、悪く言えば物足りない所もあるかもしれません。謎解きの方法は、ミッション・インポッシブル的なアクションもあり、インディージョーンズ的なアクションもありで、それなりに楽しめました。大統領との絡みもあり、愛国心などにも焦点を当て、アメリカの人が観たら、私たちとはまた違った面白さも感じるのではないでしょうか。

 と、いい点を述べましたが、ではものすごく感動したかというと、まあそこまではちょっと…という所でしょうか。
一つ一つのネタが、どこかで見た・聞いたという気がして、今ひとつ驚きに欠けるところがあり、私としては感動という所までは行かなかったようです。
また、前作を観なければ分からないところが多々あり、本作だけを観た私にとっては、ちょっと分からないところもありました。特に人物関係は、難しかったです。(その後、地上波で前作が放映され、一応の納得は得ることが出来ましたが。)

 しかし、映像的に丁寧に作られた映画ですし、ニコラス・ケイジを初めとして、登場人物達も好演していると思います。ダイアン・クルーガーも美人で、楽しめる映画であることは事実です。
気楽に楽しむ娯楽作品というところでしょうか。

エイリアンズVS.プレデター2

2008年01月06日 09時44分34秒 | 映画感想
監 督 ザ・ブラザーズ・ストラウス
出演者 スティーブン・パスカル
      レイコ・エイルスワース
      ジョン・オースティン

 正月の休みも後わずかという1月5日(土)に観に行きました。エイリアンは全て映画館で観ましたが、プレデターは1作目のみしか観に行きませんでした。このシリーズの1作目もテレビで観ただけだったと思います。
ということで、期待度はそれほど高くありませんでしたが、観終わって、けっこうきちっと作っているなという好印象を持ちました。


以下ネタばれありです



 ストーリーは前作からの続きですが、今回のプレデターは前作ほど優しくありません。物語はエイリアンズ対プレデターと、エイリアンズ&プレデター対人間という二つの側面から成り立ち、基本的にこの二つの筋は交錯しません。プレデターが人間を救う場面が2カ所ほどありますが、それはあくまでも偶然です。(その後すぐにプレデターは人間を殺していますし…)
このあたりのハードさは、ファンならば納得できるシチュエーションではないでしょうか。上にも書きましたが、前作はその辺りがちょっとヒューマニズム的になっていましたね。そこを甘すぎるという人も多かったのではないでしょうか。個人的にはプレデターと人間の交流も悪くはないと思いますが、王道はやはりこの作品の非情さでしょう。(ついでに、今回人間も「非情」です)

 この映画の一番の見所は題名通りエイリアン対プレデターの対決シーンです。人間から生まれたエイリアンに対しては圧倒的に強いプレデターですが、前作で生まれたプレデターから生まれたエイリアン「プレデリアン」に対しては、プレデターも苦戦します。様々な武器を駆使して戦いますが、最後は肉弾戦。それぞれのパワーの違いなどが動きの中にうまく表現されていて、けっこう観はまりました。画面が暗くて動きがよく分からないところもありましたが、雰囲気を重視しているとして、認められる範囲です。
武器といえば、プレデターの様々な武器やアイテムが、ファン心をそそったのではないでしょうか。事実この武器がラストに意味深な形(3への橋渡し?)で使われています。

 主要メンバーに情け容赦のないハードな設定で、あくまでもファン向けの映画だったように思います。どちらよりかといわれると、ややプレデターよりかなぁ

ベオウルフ 呪われし勇者

2007年12月04日 21時28分31秒 | 映画感想
監  督 ロバート・ゼメキス
出演者 レイ・ウィンストン(ベオウルフ)
     アンソニー・ホプキンス(フロースガール)
     アンジェリーナ・ジョリー(グレンデルの母)


 独特な映画でした。こういうの有りか?という人もいるかもしれませんが、私はおおいに楽しませてもらいました。
 伝統的な手法に基づいて、感動を呼ぶ映画もあれば、映像的に冒険を試みて、観るものに驚きと新たな可能性を示す映画もあります。
この映画は明らかに後者。言い換えればつっこみどころの多い映画でもあります。
まあ、ロバートゼメキス監督はCG好き(ポーラー・エクスプレスやモンスター・ハウスなど)ですから、この映画を観に行く人は、ある程度の予想はしているでしょうが…

…これからネタばれありです。まだ観ていない方はご注意を…




 全てがCGで作られているというだけあって、まるでゲームのオープニングムービーを観ているかのようでした。それも欧米の濃いRPGの。
これはけっこう好き嫌いがはっきりする映画だなぁ…と思いました。
よく作られたCGでしたが、特に所々重量感などがない場面があるなど、リアリティという面から見ると、確かに今一歩の感をぬぐいえません。

 では、この映画のCG映像は失敗だったのかというと、必ずしもそうは言い切れない所があります。例えば前半部の、怪物グレンデルに人がちぎられるシーンを、本当にリアルに表現したらどうなるでしょうか。(現在の技術ならば、もっとリアルに表現できるはずです)あるいは残酷すぎるからと、暗示的なシーンでごまかしたら…。全く違った印象になってしまうでしょう。程よく「リアルじゃない」というのは、過激な表現をオブラートにくるみ、やんわりとではあるけれど表現してしまえる、というそれなりのメリットもあると思います。びっくりするほどの豪華なキャストなのに、ここまでこてこてにCGを施したのは、監督のそういった思惑もあったのではないでしょうか。

 こういったことを考えていて、ハッと気がつきました。この映画はマンガ…いや、劇画なんだと。大人が楽しむ劇画として観ると、とても違和感が無く楽しめるのではないでしょうか。
 それに、後半の竜との対決シーンはCGの面目躍如たるもので、純粋に楽しめました。洞窟から竜が出現する時のアングルや動きの緩急、雪煙の立ち方、炎の出方、決めのポーズなど、うまいものです。

 映像面ばかり書いてしまいましたが、内容面も、ヒーローであるはずのベオウルフがとても人間臭く描かれていてよかったと思います。弱さも兼ね備えた「人間」であるからこその親しみと共感が感じられました。
筋立てもわかりやすく、さりげない伏線もうまく効いていたと思います。前半でグレンデルが腕をもがれたのと、ラスト近くのシーンでベオウルフが自分の腕の切り落とすのとは、やはり因果関係があるのでしょうね。

 そして、なんと言ってもアンジェリーナ・ジョリーの美しさ! この映画のテーマは?と聞かれると、女はコワイ!という一言につきます。

ボーン・アルティメイタム

2007年12月03日 19時35分24秒 | 映画感想
監 督 ポール・グリーングラス
出演者 マッド・デイモン(ジェイソン・ボーン)
      ジュリア・スタイルズ(ニッキー)
      パメラ・ランディ(ジョアン・アレン)

 11月12日に佐賀で観た映画です。ずいぶん遅くなりましたが、感想を載せます。
シビアなサスペンスで、世界各国をまわるスケールの大きさが魅力でした。


以下ネタばれありですので、ご注意を!



 まず一番気になった特徴は、ハンディカメラで撮ったかのような揺れる画面。観客がまるで登場人物の一人であるかのような視線を演出しています。ねらった臨場感は出せていたと思いました。デメリットとして、やはり見づらいです。神経質な人は悪酔いするかも。似たような技法を使ったものとして、ホラーの「ブレアウィッチ・プロジェクト」がありましたが、こちらは最前列の左端で観てしまい、めまいがしたのを覚えています。

 また、リアルな格闘シーンも見所の一つ。リアル感・臨場感を出すために、格闘シーンはけっこう「痛さ」が伝わるハードなものになっています。パンチの一発一発がしっかり相手にダメージを与えている感じ。近頃はやりのカンフーの「型」やCG等を用いたアクロバティックなものとは反対に位置するもので、私としては好印象を持ちました。

 内容としては、まず、私は残念ながら前作・前々作を全く観ていないので、シリーズ作としてではなく、この作品だけでの内容把握と感想になります。

 一番のポイントである主人公の記憶にまつわる謎と国家的陰謀については、日本人にとってなじみのあるネタではなかったでしょうか。最強の兵器としてのスパイを作り出すという発想は漫画家石ノ森正太郎氏の作品に多く見受けられます。仮面ライダーしかり、サイボーグ009しかりです。そして、自分を作り出した組織に敵対するというパターンも同じ。ただ異なるのは、その組織が国家なのか、地球制服をたくらむ悪の組織なのかの違いでしかありません。まあ、アメリカにとって一番の力を持つ組織は自分の国家以外には考えられないようなので、闇の組織が実は国家だった的なパターンもよくあることだと思います。よくあるパターンなので、ラスト近くの謎解きについては、あまり衝撃を受けませんでした。

 しかし、だからといって退屈な映画だったというわけではありません。しっかりした筋立ての上に巧みに配せられた伏線、主人公を助ける脇役の個性的なキャラ立てなど、見所はたくさんあり、先ほど述べた映像の特徴によって独特の雰囲気を醸し出していて、観ていてその世界に引き込まれる面白さを感じました。

 あえて私として不満な点をあげさせてもらえば、それは主人公に敵対するキャラクターの存在感が今一歩弱かったことでしょうか。けっこう強い敵も出てきはしますが、好敵手(ライバル)と呼べるほどの存在感あるキャラクターがいなかったように思います。(もしかしたら、1・2を通してみるとそうでないのかもしれませんが…)

 いずれにしても、ラストの様子では続編の可能性も残しているようなので、これからも楽しみな映画ではあります。