ねこのみなさんごきげんよう。
ここさいきんのおひさまの力強さにぼくは
とうとさをかんじ、ぼさつのようなおかおになって
いることがしばしばです。
ぼくのおもちゃのことをたびたび
ごしょうかいしていますが、
こんかいごしょうかいするのは
たいへんみやびやかなおもちゃのことです。
。。。。。。。。。🐈⬛。。。。。。。。。。。。🐾。。。。。。。。。
ぼくのみやびやかなおもちゃは、
ねこさんのおててでもって打ち飛ばすのに
たいへんつごうの良い大きさです。
このてんにおいてもたいへんみやびやかですが、
このおもちゃは、うちとばすたびに
ねこさんのあそびおこころをくすぐる
みやびやかなかおりをはなつてんにおいて
みやびやかさではならぶものはないおもちゃです。
いつもはしもべが、しかるべきばしょに保管していますので
ぼくはすっかりそのそんざいのことをわすれているのですが、
ぼくがしもべをひんぱんによびつけるときにかぎって、
しもべはそのみやびやかなおもちゃをもちだしてくるのです。
みやびやかなおもちゃがはなつかおりには
ぼくをひきつけてやまず、
ぼくは
しもべをよびつけていたりゆうをまったくわすれてしまって、
おもちゃをうちとばすことにむちゅうになってしまうのです。
ぼくがとくにこのおもちゃをきにいっているのは、
ぼくが一生懸命あそべばあそぶほど、
おたくがみやびやかなかおりでみたされていくためでもあります。
ねこさんはしもべよりもいろんなにおいが
わかってしまいますから、おおかぜのときですとか
じゆうねこさんがほんのうのめいずるところにより
こねこさんをうましめるための化学反応に
いそしんでいるとき、またはしっけがおおくなり
いろんなものが息をしはじめるときなどは、
においがだいこんざつしてだいがっしょうですので
しもべがうたうよりもうるさいことがあります。
そのようなばあいでも、このみやびやかなおもちゃで
ぼくがあそびさえすれば、おたくのかおりは
みやびやかなかおりだけになり、
うるさいのはしもべのうたごえだけ、
なんとかおねんねできるようになります。
さてこのように、たいへんちょうほうなこのおもちゃ、
じつはたいへんなれきしあるおもちゃなのです。
ねこさん界でもけんいのあるれいの出版社による
ねこさんの歴史教科書『詳説ねこさん史』には、
このみやびやかなおもちゃは、
ねこさん史上、この日本ではじめて貴族となった
みょうぶのおとどさんによりみいだされた、とあります。
きぞくとは、とりわけみやびやかにいきることをさだめられた
にんげんたちのことで、みやびやかをうみだすにんげんともいえます。
おとどさんは、みやびやかなにんげんのうちでも
もっともみやびやかなにんげんをしもべにもちました。
おとどさんのおたくは、
みやびやかいがいのものはそうぞうすらもできない、
みやびやかがわきでるいずみのようなおたくです。
ねこさんにはたいへんおにあいのおたくですが
しかし、しょうしょうたいくつなおたくと
いわざるをえませんでした。
というのも、このおたくには
らいおんさんのふりができるようなたかいところもなければ、
こっそりおからだをひそめるすきまも、
あけるとほりほりができるひきだしやとびらもなく、
またじゅうぶんにもふもふしたものもありませんでした。
おもちゃといっても、ほんもののねずみやらむしといった、
やせいみあふれおもちゃはたくさんありましたが、
おとどさんはみやびやかなしもべのもとでうまれましたので、
そういう、やせいみあふれるおもちゃはちょっと
ごえんりょしたい、とおもっていたのです。
そのようなきびしいかんきょうのなか、
おとどさんがみつけたあそびは、
しもべの着脱可能なけなみのうちがわに
かくれてあそぶことです。
このころのみやびやかな種類のにんげんのけなみには
とにかくすきまがたくさんありました。
5ねこさん、6ねこさんくらいはゆうに
かくれんぼすることができたといいますから
おどろきです。
また、あっちからはいったのにこっちからでられたり、
もぐりこんださきでは、おねんねにもさいできな、
うすぐらくせまいところもあったりしたようです。
おとどさんも、ほかにたのしむものがありませんから
しもべのけなみのうちがわで
あっちにいったりこっちにいったり
ずばばっとかけのぼったりしておたのしみだったあるひ、
しもべのしもべの、腹のあたりから
みやびやかなかおりがすることにきづきました。
おとどさんは、それがなにかしりたくて
おはなでもっとくんくんし、
おててでもってほりほりしました。
しもべのしもべは、奇妙な声をあげたようです。
それでもほりほりをやめないおとどさんをしもべは
あろうことかおさえたり、とりだそうとしたようですが、
おとどさんはけっしてあきらめませんでした。
みやびやかなかおりのしょうたいをつきとめたいという、
しんしなおもいのめいずるまま
りょうのおててでほりほりするうち、
しもべのしもべはついにけなみのおくから、
みやびやかなかおりのするちいさなふくろをとりいだし、
ぽいっとゆかにほうりなげたのです。
ちいさなふくろはねこさんずきのするようすで
ころんこてんところがっていくのをみたおとどさんは、
ついにやせいみのあふれないおもちゃに
であうことができた、とこういうわけです。
このみやびやかなおもちゃは
にんげんたちのあいだでは
にほひぶくろとよばれ、いつのまにか
ねこさんのためのおもちゃだったことが
わすれられてしまし、
現在はねこさんようのおもちゃうりばではないところで
うっていると、わかっています。
きょうみのあるねこさんは、しもべが
ねているしもべになっているときに、
みみもとでかってくるようにささやきましょう。
きっとしもべは、ねこさんがささやいたこととは知らずに
それでもかならず、ねこさんにために買ってきますよ。
こちらは、ぼくがじっさいにみやびやかなおもちゃを
たのしんでいるごようすです。