49話 「行方」
「…っつ!」
流石にGビャクヤにも、守里にも衝撃があった。
そのまま回転して行く中で、ゲラザロナの残骸が見えた。
「…あ、アベルトは…」
無線は壊れかけていたがなんとか使える。
「セイナーー!ベラーナーー!みんなーー!」
叫ぶと遠い声でベラーナの声がする。
「…ぶ…じか…?」
途切れた声に、このままではあまり無線が使えないと思い、自動に切り替えると日本の『長野県』を指している。
かなりの痛手を追っていたGビャクヤと守里。
「何とかここまで行かないと…」
自動に切り替えたからか守里は意識を失った。
「『長野県』の場所は分かったのよねトキノ?」
リリアンが聞くと同時に、空高くで爆発音がした。
ベラーナが聞く。
「おい!剣!無事か?無事なのか?おい!」
「守里!!剣!!おい…」
鏡俊一と安藤成も叫ぶ。
黒い部品があちこちに、どこへ向かうでもなく落ちて行くのが見えた。
みんなが一瞬沈黙したあと、セイナが言った。
「剣の機体の色が違う!アベルトのだよ!うん!」
「あいつ…マジでアベルトをかよ…」
ベラーナは安堵とともに、Gビャクヤの機体は落ちてこないかを見守っていた。
カンナが安堵していると、疲れを感じながら叫んだ。
「戦艦があるわよ!マイール艦だわ!」
スクリーンではなく、目で確認できる範囲だった。
「あの場所は…ちょっとマズイわ…」
リリアンが不安な表情で言うと麻生が答える。
「あれはマーズの鉱石の場所じゃ。セイナどうしたいか?」
守里の心配は誰もがしていた。
同時に戦艦にも目を配る。
「戦艦の場所に行かないと…剣は大丈夫…だと…」
目の前には恐ろしい光景があった。
なかったはずの機体がある。
壊れた戦艦とともに。
「…あれは…カイリのじゃ…」
目の前には戦艦とともにジャイワナーゾの姿があった。