第27話 「爆破」
マーズの鉱石が施設にあるなら、ということになりだったら取りに行けば良いという話になった。
これ以上悪用されて新たな兵器など作られても困る。
ジャイワナーゾが出てきたことで、デロリデの数は多くないとアル・レレン艦長は判断した。
新たな機体があるとは考えにくい。
ジャイワナーゾ2機とゲラザロナ3機…デロリデの数は不明のままだった。
守里はGビャクヤに乗ったまま告げた。
「ベラーナにここは任せて俺が施設に行きましょうか?トキノさんはまだだから内部は分からないけど、大体はこの前聞いたから…洗脳されていたならどこまで合っているか分からないけど…俺なら子供だし」
ベラーナが笑い出した。
「立派な大人って言いたいけどな!都合いい時だけ子供かよ」
守里が照れていると、アル・レレン艦長は新たな提案をした。
「守里君と麻生さん、リリアンさんで向かう方が良くはないかな」
パンを食べ始めようとしていた麻生は慌てて飲み物を口にする。
リリアンは書類を持ったまま、デッキで黙って聞いていた。
その時リリアンがその提案に対して話し出す。
「確かにね。マーズの鉱石があるならエンジニアの方が取り扱いが楽。女1人じゃ不安だし、麻生や守里君がいれば安心だわ。マーズの鉱石はこれ以上渡したくないのよ!」
ベラーナがごく普通の質問を機体に乗ったまま言う。
「マーズの鉱石ってでかいの?どんななのかい?」
リリアンは答えた。
「大きさはそうでもないけど、成分が凝縮された水晶みたいなものよ?ベラーナ見たことないのかしら?」
ベラーナは実物は見たことがないことを両手をあげて話す。
実際の大きさは守里は目の前で見ていたが、箱に入っていたのではっきりは知らない。
麻生が腰を叩きながら、座っていた状態から立ち上がる。
誰もが早い方が良いと思った時、トキノが現れた。
セイナが頷いてもう大丈夫と話す。
するとトキノが言った。
「設計図があるわ。マーズの鉱石は見ていないけど、多分ここだと思うの」
示した場所は奥ではなく、どこかの倉庫だった。
そんなに遠くではない。
アル・レレン艦長は麻生に爆発物を渡すと言った。
「見つけたら内部から爆破するしかない。地下だろうから急いで逃げるんだ」
Gビャクヤの手に乗って麻生とリリアンが施設に急ぐ。
リリアンが地下に続く階段を降りる場所を見つけた。
地下まで恐る恐る行くが奇妙なほど誰もいない。
守里が咄嗟に周りを見た時だった。
「爆弾が仕掛けてある!5分しかない!マーズの鉱石はここにない!持ち出されている!」
階段を地下近くまで降りていた。
急いで戻るしかない。
戻ってGビャクヤまで行って逃げて…走って逃げつつ守里が計算する。
ギリギリだと思い、守里の時計のタイマーを設置する。
あと4分の時、やっと外のGビャクヤの近くに来た。
麻生とリリアンがGビャクヤに乗る。
守里はエンジンをかけて急いでその場を離れた時、大きな爆発音がした。
Gビャクヤが揺れるが、手に乗った麻生とリリアンが落ちないようにバランスをとる。
守里は言った。
「大丈夫ですか!このままシークル艦に向かいます!何か来るかもしれない!」
爆発音は激しく離れていても振動がするほどだった。
守里が麻生たちの様子を見るが、リリアンを抱え込むようにして落ちないようにしている。
守里も振動の中、落ちないようにバランスをとって急ぐ。
ベラーナから連絡だった。
「おい!デロリデが近づいている!剣はシークル艦へ急げ!こっちは任せろ!」
やっぱり動きがあった。
シークル艦に向かって遠回りをしながら近く。
ベラーナが急ぐのが見えた。
山手に入っていた守里から敵は見えていない。
守里が言った。
「ベラーナ!何機だ!」
「2機だ!大丈夫任せてシークル艦に急げ!」
ベラーナがランチャーで交戦している音がした。
シークル艦に着く。
麻生とリリアンを残してベラーナ機を見た。
「足!」
守里が叫ぶとベラーナ機の後方に向かう。
ベラーナが避ける。
ベラーナと守里でデロリデに向かって交戦することになった。
麻生とリリアンは疲れていたが、デッキへと急いだ。