第32話 「静かなる奇襲」
「ベラーナはバミューダの方向から待ち伏せろ!」
守里の姿はバミューダで目撃されていないと睨んだ、アル・レレン艦長は告げる。
続いて守里には、バミューダとは少し離れた位置にいるように言った。
アメリカとバミューダが隣り合っているのが時空空間の構図。
イタリアとアメリカが隣同士、日本はその近くにあり、他の国とは離れていた。
空間が歪んだようになっているが、それが当たり前の光景だった。
「Gビャクヤはアメリカ上空には達しないように!」
守里にはジャイワナーゾが見えている。
ベラーナ機からは見えていない。
「ベラーナ離れすぎんな!」
守里がシークル艦から離れすぎないように、それでも気づかれないように叫ぶ。
バミューダに来たベラーナはおかしいと思った。
何かくるが見えない。
「おかしい…さっきのジャイワナーゾが見えない!」
ベラーナが不思議そうに警戒していると、シークル艦から離れていることに気づく。
守里からもジャイワナーゾの姿が消えた。
「シークル艦!注意してください!」
守里が叫んだ時だった。
ベラーナからシークル艦が見えると同時に、ジャイワナーゾが止まっている。
「危ない!」
ベラーナが叫ぶが、アル・レレン艦長は冷静に考えていた。
レーダーに映っていないことが不可思議に思える。
ゲンナ号に守っている機体はいない。
「勢力がないと思ったのかい?」
アストラーダが告げる。
ゲンナ号の周りに10機は現れていたのはゴウラムだった。
それを指揮していたのがアストラーダ。
余裕で話すが、守里の姿はない。
アストラーダが不意打ちをかけた。
ゲンナ号は隠れていたが気付かれ、アストラーダとゴウラムがいる。
ジャイワナーゾはフェイントだった。
バミューダより少し離れた位置に止まっていた。
ララの緊急信号で状況が読めたのは、アル・レレン艦長だった。
「Gビャクヤとベラーナ機はゲンナ号に向かわないように」
アル・レレン艦長の言葉にベラーナが叫ぶ。
「ゲンナ号はどうなるんだ!」
「目的はゲンナ号じゃない。脅しなら屈することはない。落ち着いて行動するんだ。反対に回ってゴウラムと交戦だ」
確かにゲンナ号を攻撃する様子はない。
守里は思った。
アストラーダは頭の回転が良い…手を打たないと、と。
不意打ちの奇襲だったが、守里もベラーナもゴウラムと戦う時が来た。
飛行形態なら何機でもこい!と守里は感じていた。
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