時は時空歴00031年、守里剣(まもりけん)が、セイナ・凛と出会い、ゲンナマーズと呼ばれる自動戦機に乗り、出会いと戦いを繰り広げるストーリーです。
序章
「……」
ボーッと空を眺めている守里剣(まもりけん)だったが、そこにはただ入道雲が広がっているだけだった。
「守里! 何やってんだよ! 今日はお前の…」 と驚いたようにそこまで言いかけて止めた。
内心、興味本位っぽくいいかける鏡俊一(かがみしゅんいち)だったが遮るように、
「な、なあ守里? 俺達で取りに…てか買いに言って来ようか?なっ?」
と優しく聞く、おせっかいな安藤成(あんどうせい)だった。
守里はボーッとしたままで「…ん? あ? いや俺行くよ! 大丈夫任せておけって!」
と、人が見たらガラクタにしか思えないような荷物を持って、走りだしたのだった。
ガラクタといってもそこには、守里が大切にしている工具がたくさん入っていた。
ジャンク屋を鏡と安藤と始めて1年、守里剣にはどうしてもやりたい夢があった。
あえて口に出すことのない日々が続いていた毎日。
鏡と安藤は2人でコソコソ小声で守里に聞こえないように言う。
「あいつ、熱くなるくせに抜けてるからなぁ、ま、でもしっかり者だから大丈夫でしょ」
と、半ばあきれ顔で話しをしていた。
そんな話が聞こえるはずもなく、守里は急いでいた。
守里剣はこの日、16歳の誕生日をを迎えようとしていた。
守里自身が、以前から欲しがっていた部品を買おうと密かに少しずつお金を貯めていたから。
密かに造っているものを見に、鏡たちに内緒にしている倉庫へと守里剣は嬉しそうに見に入くと、そこに広がっていたのは何か物足りないけど、ジャンク屋を始めて1年で「ここまで来たか…」と自分でも感動する光景が広がっていたのだった。