第4話 「込められた願い」
守里は若干痛みを感じていた。
キーラ隊は近距離攻撃でも極端な強さを感じなかった。
それなのに、喰らったのは不甲斐なさかもしれない。
自信を無くさないよう自分に言い聞かせながら、守里はロロナの元に行く。
「来たよー」
ロロナの言葉に驚いたのはそこにいたのがトキノとセイナ、カンナだったからだ。
「何よ、驚いてさ。セイナだけが良かった?」
カンナが意地悪そうに言うと、守里は首を横に振った。
驚いたのはその3人が険しい顔だったから。
「言いにくいけど…んとね…」
セイナが言いかけると、カンナが遮って言った。
「セイナ、時間がないの。守里君は戦わないといけない。単刀直入に聞くけど良い?」
守里には分かっていた。
カンナは腕組みをしながら守里に聞く。
「マーズの鉱石を持っているわね?」
沈黙があった。
数秒後が長く感じたあと守里は話し始めた。
「アストラーダが持っていたんです。マイールから受け取っていた。預かるように言われたと。でも実際は持っていたのは欠けらだった。…親父がいけない。マイールも…だから…」
「だから?だから何よ?頭にきたことでみんなを巻き込んでるの?渡せば終わったんじゃ…」
カンナの言葉にトキノは遮って言った。
「欠けらは偽物。守里君はお父さんを…本物を持っているマイールを許せないのね?」
カンナは驚いて言うと守里は再び話し始めた。
「ロロナに見てもらったら、真っ赤な偽物だった!絶対王国なんてあっちゃいけないのさ!」
珍しく守里が声をあげた。
「巻き込んだのは…混乱させたのは親父とマイールだ!許さないとかじゃない…阻止しないとダメなんだよ!」
そして拳を握って壁を叩いて叫んだ。
沈黙のあと、守里は欠けらを置いた。
勢いよく置いたその瞬間に砕け飛んだ。
守里が部屋から出ようとすると、トキノが遮る。
そして平手打ちで守里の頬を叩く。
「何でも話してくれないと。特にこれからは守里君、あなたの感情だけじゃないのよ!」
トキノの言葉にハッとした守里。
「すみません!俺…」
頬を抑えながらそこまで言うと、守里の表情が変わった。
「良し!これで無様な戦いは無しだからね!」
トキノやカンナが笑顔で言う。
守里はセイナ、カンナ、トキノに告げた。
「この話は…」
守里が言うと当たり前のように。
「アル・レレン艦長の指示に決まっているじゃん!」
カンナが言うと力らの抜けた守里は一言。
「みんな…戦って勝って帰りましょう!」
守里が去り際に言うとカンナが大声で叫ぶ。
「守里君!あんただって感情出せるじゃん!その調子!」
その時だった。
艦内に警報が響いた。
守里はアル・レレン艦長の元まで走る。
そして準備に入った。
「キーラ隊の力を甘く見るな!本気でかかれ!」
アル・レレン艦長が叫ぶ。
「Gビャクヤ発進準備OK!」
「ベラーナ機OK!」
「20秒後にアストラーダ機出る!」
守里の心にあった迷いは消えた。
親父を倒すんじゃない、本来の姿に取り戻してみせる。
そしてマイールを倒す。
アル・レレン艦長は何も言わずも吹っ切れた守里の様子が分かった。
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