まるで、わずかに雲がかかった満月の様に、心に靄がある。
余りにパニくってしまっていたらしく、仕事場のロッカーキーと、書類とその他諸々と、電車の時間さえ忘れてしまっていた。
慌てて出勤し、慌てて取りに帰った。最悪だった。
私って何だろう。
何を覚束ない足取りで歩いているんだろう。
私のすべてが揺らいで見える。
両手で支えたものが、指の間からこぼれていくのをどうすることも出来ずにいる。
私はこんなにも脆かったのか。
もう少しマシなんじゃないかと思っていたのに。
年齢を幾つか重ね、それなりに糧を得たはずなのに、こんなに判らない事ばかりで、右往左往している自分を、痛いほど感じている。
経験も知識も全然足らないのだ。
不器用だけで済まされるものなんてレベルじゃなかった。
ありとあらゆる肯定を並べても、穴が開いたようなスカスカ感から抜け出せない。
どうしよう。
どうしたんだ、私。
私は何をして来たんだろう。
自分が生きて行くために、何を学んできたんだろう。
全てが無駄で全ては虚像のようにも見えてくる。
唇を半開きにして喘いでいる私。
叫びたい。
世界の空気が震えるほどの、みっともない悲鳴でも。
私の存在を否定しないでと。
必死に生きてきて、築いてきた過程が砕かれていく、それにそれでも抵抗したかった。
歯を食いしばってでも。
無い物ねだりと笑われるかも知れない。
だけど、パンパンに太った飽和状態よりは、飢餓状態のほうがずっといいんだ。
空腹に、私が、牙を向かなくなったら、私じゃ無くなってしまうのだから。
余りにパニくってしまっていたらしく、仕事場のロッカーキーと、書類とその他諸々と、電車の時間さえ忘れてしまっていた。
慌てて出勤し、慌てて取りに帰った。最悪だった。
私って何だろう。
何を覚束ない足取りで歩いているんだろう。
私のすべてが揺らいで見える。
両手で支えたものが、指の間からこぼれていくのをどうすることも出来ずにいる。
私はこんなにも脆かったのか。
もう少しマシなんじゃないかと思っていたのに。
年齢を幾つか重ね、それなりに糧を得たはずなのに、こんなに判らない事ばかりで、右往左往している自分を、痛いほど感じている。
経験も知識も全然足らないのだ。
不器用だけで済まされるものなんてレベルじゃなかった。
ありとあらゆる肯定を並べても、穴が開いたようなスカスカ感から抜け出せない。
どうしよう。
どうしたんだ、私。
私は何をして来たんだろう。
自分が生きて行くために、何を学んできたんだろう。
全てが無駄で全ては虚像のようにも見えてくる。
唇を半開きにして喘いでいる私。
叫びたい。
世界の空気が震えるほどの、みっともない悲鳴でも。
私の存在を否定しないでと。
必死に生きてきて、築いてきた過程が砕かれていく、それにそれでも抵抗したかった。
歯を食いしばってでも。
無い物ねだりと笑われるかも知れない。
だけど、パンパンに太った飽和状態よりは、飢餓状態のほうがずっといいんだ。
空腹に、私が、牙を向かなくなったら、私じゃ無くなってしまうのだから。