今日は土曜日。本来なら学校はお休みですが、生徒は通常登校して普段どおりに授業に臨んでいます。今日生徒が登校している理由は、町の総合防災訓練に参加するためです。
西桂町は、町民の防災意識の高揚と実践的な避難訓練に町を挙げて取り組んでいます。その最たるものがこの総合防災訓練です。中学生は、避難所運営のお手伝いをしたり、大人と一緒に近隣の住民の安否確認を行ったり、この総合防災訓練で生きた防災教育を受ける機会を与えられています。ところが、今年は、密を回避するため、この訓練も縮小して実施されています。小中学生は、例年のように町民の一人として訓練に参加するのではなく、町の防災訓練開始の緊急放送に合わせて学校で避難訓練をするなったのです。
今日の訓練の想定は震度6の強い地震。これだけ科学が進歩した21世紀でも、地震予知は未だに不可能だそうです。ですから、いつ何時、何の前触れもなく強い揺れが私たちを襲ってくるやもしれません。そんな時のために、訓練を実施しました。
9:00、防災無線による訓練開始の放送を受けて、まずはシェイク・アウト。生徒は机の下に潜ります。その後、揺れが収まること合いを見計らって、校庭への2次避難行動の指示。整然と素早く避難は行われました。訓練のたびに痛感するのは、生徒の防災意識の高さです。ふざけ半分に参加する者は皆無です。これも、町を挙げて防災教育に取り組んできた賜です。この真剣さが、いざという時に、自他の命を守る行動に良い影響を及ぼすはずです。
集合後の講評で私は、『自然災害には勝てない。まずは、躊躇せず避難行動をとることが大切。自らの命は自ら守る「自助」、加えて、お年寄りや小さな子どもを手助けする「共助」の実践力を培って欲しい。』と訴えました。
来年の3月11日が来れば、東日本大震災から10年の節目を迎えます。私は、巨大津波が町をのみ込むライブ映像を目の当たりにして体中に戦慄が走ったことを、昨日のことのように鮮明に覚えていますが、当時幼少だった生徒には実体験としての記憶はほぼ無いようです。歴史に残るこの大震災を風化させてはいけないと思います。