見たり聞いたり

絵画や音楽などの鑑賞したことを

オーディオに賭けた生涯

2006-10-03 18:30:58 | 読書
この本は著者が福井の造り酒屋に生まれてからブリヂストン美術館を経て、その後40を過ぎて会社を設立してから現在に至るまでの自伝です。

会社はヘッドホン、マイクロホンのトップメーカーで現在は会長をされています。

私は友人がこの会社に勤めたことがきっかけで、約40年前の町工場の時代から知るようになりました。

本を読んで、いつも俗に塗れず飄々と美味しそうにお酒を召し上がる著者の姿と老子のイメージが重なりました。

「山下洋輔 風雲ジャズ帖」 平凡社ライブラリー

2006-01-22 22:06:11 | 読書
この本も前回の「高橋悠治 コレクション1970年代」 平凡社ライブラリーと
時代が重なります。
今回はJazzです。

Jazz(ジャンル分けって一見便利な様で、ちょっと中に入ろうとすると邪魔)
といっても彼はちょっと変わっていますが・・・。

今回、演奏はさて置き、本の話。
真面目そうに書かれたことが結構いい加減で、いい加減に書かれたことが
結構真面目という面白い本です。

第一章が「ブルー・ノート研究」です。
和声、旋律を学術的に述べていますが、実はいい加減です。
昔、L・バーンスタインはスワヒリの部族は1/4音(クォータートーン)を歌える
と言ってブルー・ノートの説明をしていましたが、私はこれも違うと思います。

旋律、和声を平均律で機能的に解釈しようとするから間違えるので、
唄の初めに平均律なんか有る訳ないと思います。
民謡や演歌のこぶしと似たようなものと考えた方が良いのでは・・・。

そう、話は逸れますが、外れた音程やリズムって結構味が有って
心に染みる場合が有りますよね・・・・?
学生の頃、トラ(臨時雇い)で埼玉県春日部のキャバレーで
村田英雄の伴奏をしたことが有ります。
音程、リズム、テンポ本当にがたがたに崩してくれます(ギャラはとても良かった)。
初め、これでもプロかと吃驚しましたが、彼のは歌ではなく語りなのだと
気付いたら、その世界に入れました(良かった)。

話を戻して、本の後の章は、いい加減に書かれたことが結構真面目、
という中身の濃い(?)本です。

「高橋悠治 コレクション1970年代」 平凡社ライブラリー

2006-01-19 22:40:11 | 読書
この本が書かれた頃、私は音楽に夢中になって、いろいろな曲を聴いたり
演奏したりしていたのですが、
その内、音楽関係の評論や解説も読むようになりました。

音楽の専門家は技術論を、評論家は精神論を書くことに
徐々に違和感を持ち始めた時、この本にも入っている
「小林秀雄『モオツァルト』読書ノート」を読んで共感しました。

本の第三章は「音楽」を作曲、演奏論から抵抗運動として提唱している。
優れた文学者が、必ずしも正しく音楽を評論していないと批判した人が、
同じような轍を踏むことにならなければと、やや危惧します。

余談ですが、彼のサティとバッハのピアノ演奏は大好きです。