80歳後半のおじいさま。
家族に捨てられたのか、捨てたのか・・・・
風が吹いたら飛んでいきそうなアパートで
天涯孤独の生活を何十年。
エアコンもなければ暖をとるのも電気ストーブ1つ。
慢性心不全があり喘息もあり
ヨタヨタ歩きながら
それでもなんとか一人で生活しています
自立した生活をするための工夫には頭が下がることばかり・・・・
必要なことは自分で手作りするんです。
手すりや小さな花壇でお野菜も・・・・ヨタヨタしながら。
お尻を拭くのは年季の入った短い棒!
初めてその棒を持ってトイレに行くのをみて
何に使うのだろうとビックリしましたが・・・・
一人で暮らすのに色々工夫をされているのです。
いつのころからか口癖は「自然に生きたい、自然に任せたい」でした。
そして一週間に一度の訪問でお伺いすると
「看護師さんの顔を見るだけで元気が出るね」っと
嬉しいことを言ってくれます
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ここ最近、体調はまずまずで経過していたのですが
今週の訪問の前日、ヘルパーさんから高熱が出ている連絡がありました。
何も食べれず、薬も飲めず・・・・
伺ってみると
喘息も悪化してぜぇ~ぜぇ~。酸素濃度も下がっています。
食事もトイレも満足に出来ず高熱でフラフラ・・・
一人ではどんなに不安だろうか!
そう思った私は心配になって
彼に「入院する?」っと尋ねてみました。
そしたら苦しそうな呼吸をしながら「嫌だ!その時は死ぬ時!」っと。
そうだ・・・「家がイイ」っていつも言っていたよな~。
「それなら先生に来てもらって家で点滴してもらうのはいい?」
「はい・・・・」っと小さくうなずきました。
一人で何も出来ない不安よりやっぱり家にいたいんだな~。
週一回の訪問だったのが
体調管理や服薬管理、保清のため訪問回数を増やし
ヘルパーさんやDrとも連絡を密に取りながらの支援が始まりました。
彼が願う在宅療養が出来ますように・・・・
その思いに添う看護を精一杯していきたい思うのです