S家の別宅

夫婦ふたりきりになりました。ふたりの生活をこれから楽しみたいなと思います。

食べるということ

2014-11-22 15:01:47 | Weblog
辺見庸さんの文章にわたしが初めて出会ったのが、当時新聞に連載していた「ものくう人々」だった。

ウガンダのマサカ地域はその時、かなりのエイズ感染者がいて、そこで出会ったエイズ感染した少女たちの目のことを辺見さんは書いていた。

それからミンダナオ島で飢えた残留日本兵たちが土地の人々を食べていたという人肉食の樹海


今読んでいる文庫本になった「反逆する風景」にもその回想の文章が載っている。


こういう辺見氏の文章を読みながら、テレビでは大食いの番組や、グルメ番組があふれるように流されている。


そしてニュースでは食べ物を与えられず衰弱死した3歳の女の子のこと、胃の中にはアルミ箔や玉ねぎの皮や、ロウ・・・・

四六時中、飢餓の苦しみを味わっていた女の子が痛ましい、


きのう、高倉健さんの追悼番組で放映されていた「南極物語」の犬たちも生きるために必死に獲物を探していた、


わたしは今日、何を食べただろうか・・・・


同じ時空で生きているたくさんの人間、

けれど、戸惑うばかりの落差と、食べるということ、生きるということが頭の中でぐるぐる廻りはじめる。


夜中にこだまがカリカリと音をさせてキャットフードを食べている。

わたしは夢を見ていた・・・

その飢えた女の子は、必死の形相で、母親の足に食らいついた!

母親を食べようとしていたのだ、南極の犬たちが生きているアザラシに食らいついていったように・・・

わたしは夢の中で叫んでいた

「母を食ってしまえ!」とその女の子に向かって大声で叫んでいたのだ。


ニュースや観た映画や読んだ本が一本の線になってつながってしまった夜だった。




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