ののほんじゆうちょう

管理人nonohonが不定期にラクガキします。

パプリカ

2006年12月28日 | マンガ・アニメ
『パプリカ』(今敏監督)観てきました。

簡潔に感想を述べると、非常に上手く面白い・・・が、今敏としての新鮮な驚きというものに欠けたかな・・・というところでしょうか。
ただこれは、これまで今監督が毎回作品によって新しい手法・新しい主題を提示してきたことからくる過剰な期待なのかもしれません。しかしそれでも、今監督には常に新しい何かを期待してしまうのです。その意味では『パプリカ』は、今までに培った技術を全て使って非常に上手くつくった作品・・・という印象を受けました。
あふれ出した夢と現実の境界がなくなり、どこからが夢でどこからが現実だかわからない世界・・・というのは、『妄想代理人』で既に似たのを見てるだけに、なんとなく落ち着いて見ちゃいますねぇ。クライマックスからその収束のさせ方も、なんだか見たような・・・。


『上手くつくった作品』と言いましたがしかし、その上手さたるや尋常じゃない上手さです。
オープニングでタイトル・メインスタッフの紹介がありますが、東京GOD~のように背景に溶け込ませつつ、さらにそこでの演出が上手い。その前後のストーリーから逸脱しないまま、いとも簡単に現実を飛び越えてしまう。さも当たり前のように超現実にいったかと思えば、ふとこっちの世界に戻ってくる。こういうバランス感覚というかテンポというのは今監督特有のものですなぁ。

作画は全編にわたって文句なし。夢があふれ出すという特殊な状況も、上手く描写されていました。演出も巧みで、それぞれのシーンで笑えて、ドキドキできます。
平沢進の音楽も素晴らしい。
とにかく観て損はありませんよ~。