ののほんじゆうちょう

管理人nonohonが不定期にラクガキします。

ピアノの森

2007年08月09日 | マンガ・アニメ
映画『ピアノの森』観てきました。

森に打ち捨てられたピアノとともに育った少年、一之瀬海。
高名なピアニストを父に持ち、英才教育を受けてきた雨宮修平。
この二人が出会い、それぞれの「自分のピアノ」を見つけ出す物語・・・。


率直な感想から述べましょう。
海、可愛すぎ!!
全編通して作画もよく、いい動きをしているんですが、特に海のアクションが全部生き生きしてます。半分小動物みたいな、子ども特有の動きが素敵です。
んでまた、雨宮に対する海の馴れっぷりが犬っころみたいで、反則級に可愛らしい。ケンカして仲直りしたいけど雨宮がまだ怒ってる・・・な時のションボリ場面なんか、犬耳と尻尾が見えるようでした(笑)。
ののさん、初めてショタに目覚めそうですよ!!(おい!
また海だけじゃなく、雨宮も良い子なんだわ。海も雨宮も、どっちも頑張れってな具合に応援したくなります。
ついでにいうとサブキャラの誉子ちゃんもボケっぷりも含めて可愛いです。
子ども達を素直に応援してやりたくなり、そんな応援に素晴らしい音楽で応えてくれる、素敵な映画でした。


==(ここから先、ややネタばれ注意)==

ただ、やはり10巻を超え、いまだ未完の物語を2時間の映画に収めたので、どうしても物足りなさは否めません。
2時間の尺では、物語の焦点を絞ったほうがわかりやすいのですが、どうしても海と雨宮の両方を行ったり来たりするため、ややぼやけたかなと感じました。主人公である海は、雨宮との出会い・友情→ピアノへの目覚め→悩み→昇華という過程があるのですが、悩み→昇華の過程にもっとじっくり時間をかけた演出があってよかったと思います。ここが短いとどうしても天才的に知らぬ間にできるようになってしまった感が否めません。
一方、雨宮は最も王道のカタルシスであったように思います。実力はありながらもピアノに苦しんでいる中、海と出会い、友情を育みつつも海の才能に嫉妬し苦悩する。競い合う中で改めて友の才能に気付き、心洗われると同時に、自らのピアノに光明を見出す・・・。この構造が一番映画として感情移入しやすく、物語をきちんと収束させられたように思いますし、雨宮で始まり雨宮で終わる演出からもそれを目指していたのだと思います。ただ、やはり海というキャラクターの強さが、脇役に納まらなかったのでしょうね。
さらに言うと誉子ちゃんもすごくいいキャラだし、演出も良かったし、可愛いんだけども、終盤のあそこだけで出てくるにはキャラが強すぎました。どのキャラもどの場面もしっかり面白いだけに、全部を描くには尺が足りなく、詰め込むと焦点がぼけるというジレンマに思えました。

==(ネタばれ終わり)==


とはいえ、逆に言えばどのキャラもすごく良いのです。
こちらで一人に焦点を絞って見るといいのではないでしょうか。
もちろん音楽は素晴らしいものでしたし、一見の価値は大いにありますよ。