夏祭り

親子で同じ病気
半年に一度の検査のために、姉夫婦が休暇を取り、父を連れて来ました。
いつもなら検査結果が出るまで滞在するのですが・・・

先月、母の7回忌で家族が全員集まり、その時に父が、検査のために上京するのは良いけれど、検査結果が出るまでの2週間をそこで過ごす時間がもったいないと言いだしました。

さんざん家族で話し合った結果、検査結果を私が代わりに聞くということで、父は検査が終わり次第帰ることとなりました。

一人暮らしの父を、つかの間でも私のところに置いておく方が姉も弟も安心ですから当初は大反対だったのですが・・・

私が賛成しました。

私としては、老い先決して長くはないだろう父の好きなようにしてあげたいと思ったからです。
それと、心の底にはその方が気分的な負担がなくなるから・・・という本音も少し・・・

父がこちらに来ても、一緒に生活するわけではなく、マンション形式の2階にゲストルームがあり、そこに滞在します。

もともと貸していたお部屋を父のために、全面改装したお部屋です。

バスルームもトイレも最新、壁紙も替え、廊下にはすべて手すりをつけ・・・快適にと改装しても、やはり父は母がいなくても、一人暮らしでも、自分の家が良いのです。

まったく人の気も知らないで・・・とちょっと頭にはきましたが・・・

でもすぐ帰るとなると気が楽でした。

車で姉夫婦とともに来て、姉たちは3泊して帰り、翌日検査が終わったら私が父を駅まで送るということになっていました。

でも変なんです。
なんだかやけに父の荷物が多い・・・

冷蔵庫に、麺つゆやら、おそうめんとか・・・何か分んないけど仕舞っています。

「どうしてすぐに帰るのにこんなにたくさん荷物があるの？」

「えっ・・・検査結果が出る2週間は・・・最低でもここにいなきゃ駄目だと・・・家に置いておくと悪くなるものを全部持って来たんだよ」

「お父さん・・・先月のお母さんの7回忌の時、皆で話し合って、検査が終わったらすぐに帰ることになったでしょ・・・別に居てもらってもかまわないけど・・・？」

「えっ・・・そうか？・・・そんな話したか・・・？」

「した！　　お父さんはここに居る2週間がもったいない。すぐに帰りたい。・・・そう言ったでしょ・・・みんなが反対しても・・・だから私が代わりに検査結果を聞いてあげるって・・・覚えてないの？」

「いや～～～・・・年だな・・・全く覚えていないよ・・・・でもそういうことなら帰るよ・・・2週間がもったいないからな」

こんな話をしている虚しさ・・・
なんだか私が追いだそうとしているみたいな感じもしてきて・・・

こんな父を一人にしておく心配も・・・

後でわかったことですが、父が、検査の後帰ると決まったことを、すっかり忘れている様子なので、姉たちが検査結果がでるまで、いつものように、2週間ほどここに居てもらって、帰りはお盆休みに帰省する弟が（宇都宮在住）父を迎えに来て帰るという段取りとなっていたのでした。

私は聞いていなかったので・・・

その後いろいろとあり、父の気持ちも二転三転した挙句、やはり帰ることになり駅まで送って行きました。

その父が言った一番の帰りたい理由が・・・なんと・・・夏祭りがあるから・・・・・でした。

別に夏祭りだから何かをするわけでもないくせに・・・

夏祭りの会場になんて、最近は全然行かなかったくせに・・・

絶対今年も行くわけはないのに・・・・・

とても不思議・・・

夏祭りか・・・