旅立ち

病院で手術をしてから早いもので半年が過ぎました。

時間と共に回復していく外科的な部分。
なかなか回復しない、というか、これからもずっとおつきあいすることになる胃切除後の症状。
私の場合は3分の2を切除したのですが、当初の頃は思ったより症状が軽く、こんなもんか？っていう感じでした。

たぶん残った胃が今までと同じように頑張って、切除された部分の働きまで補ってくれたのかもしれません。
そして・・・いま・・・少し疲れたのかなぁ・・・さすがに・・・
季節のせいかもしれませんが・・・

ちょっと大食い自慢の私が・・・食欲が・・・あまり・・・ない。

食べては消化剤に頼ってしまう。

消化剤がなくなってきたので病院へ・・・ついでに相談してみました。

「普通の人でも食欲が落ちても不思議じゃありませんよ、この季節。ましてや手術して半年なんですから。今までが食欲が旺盛なのが不思議なくらいで、体重も思ったほど落ちていないようですし。あまり考えすぎないで」

と笑われてしまいました。

今まで生きてきて食欲がないなんてことがなかったのでつい・・・恥ずかしい・・・

入院手術した病院は国立がんセンターです。
当然患者はすべての人が癌患者。

家族や友人などに病気の説明する手間も省けたし、入院前に病院に通うことで覚悟し、気持ちの整理もつきました。
比較的冷静に、平常心で入院から退院までを病院で過ごせたように思います。

つらい現実に向き合うこともありましたが。

この病院では入院待ちは当たり前。
私は1ヶ月待ちましたが、2か月3カ月はあたりまえです。

患者同士の挨拶は
「何癌ですか？」
「入院待ちはどのくらい待ちました？」
「どの病院からの紹介状？」
「癌は初めて？」
「抗がん剤は何年目？」
などなど・・・・それがごく普通の会話でした。

私は胃癌だと答えると
「全的（全部摘出）？」

少し残せると答えると・・・「簡単な手術ね。頑張って。」・・・で、終わり。

恐怖の裏返しなのかもしれませんが、膵臓とか難しい手術をこれから受ける人は、自分の状況を聞いてもらうことで、気持ちの整理をつけていたのかもしれません。

その当時にはわかりませんでした。
強い人だなぁ～と感じたくらいで・・・

この頃そんなことを思うようになり・・・
最近、どうやら私は、珍しくちょっと神経質になっていたようです。

父のこともあり・・・
病院で知り合った方が旅立たれてしまったということもあり・・・

でもくよくよしても始まらないし・・・
状況は変わらないわけだし・・・

そう、こんな時はやっぱり

気分を変えて今晩は・・・シャンパンブレイク・・・といきますか・・・ねっ！