のんきに介護

母親と一緒の生活で、考えたこと書きます。

語るに落ちる杉田水脈の話

2018年07月02日 02時14分09秒 | 安倍某とそのお友達
杉田 水脈@miosugitaのツイート。

――もし私が、「仕事が欲しいという目的で妻子ある男性と2人で食事にいき、大酒を飲んで意識をなくし、介抱してくれた男性のベッドに半裸で潜り込むような事をする女性」の母親だったなら、叱り飛ばします。「そんな女性に育てた覚えはない。恥ずかしい。情けない。もっと自分を大事にしなさい。」と。〔14:50 - 2018年6月30日 〕――


こう主張する背景には、

次のような思い込みがある。

自分には、

確実に他人の落ち度を判定できる

立場にある、という

(同氏のツイート〔8:55 - 2018年6月30日〕)。

しかし、

そんなこと判定できる資格や能力は、

誰にもないよ。

にもかかわわらず、

大きな顔をして詩織さんを非難できるのは、

自分は

傷つかないところにいるから

偉そうに言えるのだ。

しかし、その優位性故、語るに落ちる

話になっている。

すなわち、事実認識として

上掲ツイートに

「大酒を飲んで意識をなくし」

と書いている。

つまり、抵抗不能だったことを

認めている。

意識失った人が、男性のベッドに潜り込めるか?

ということ、

虚心坦懐に考えて見て欲しい

(Hiromi1961@Hiromi19611さんのツイート〔6:01 - 2018年7月1日 〕参照)。

自分の娘が被害にあったとき、

「叱り飛ばします」

と言うが、

杉田自身の酷薄な人間性を白状したに過ぎない。

その立場をもって

山口を不問に付した検察が正しかったことにならない。

そもそも強制的な姦淫行為につき、

抵抗不能だったと認めながら、一体何を叱り飛ばすのか。

男性と二人きりで

酒を飲んだことなのか。

思うに、

杉田は卑猥なことを想像し過ぎだ。

男の名誉のため、

言っておくけど、男もいろいろだ、

世間の諺とは逆に、

「据え膳食うのは、男の恥だ」

と考えている人間だっている

(セクハラについて、ネトウヨ系女子が対談。「チンパンジーでもセクハラする」

ということで、落ち着いた。しかし、これは、言葉のテクニックで、

「男は、セクハラするものだ」

という理解に誘導しようとしている点、男性にとってありがたいようで、

実は、大変に失礼な内容だ。

このタイトルの「でも」という助詞のつけ方がその押しつけの役割を果たしている。

すなわち、文脈的には、

「チンパンジーでもセクハラする」という文章の前に、

「男性は、セクハラする」という事実認識があって、

「チンパンジーもするから、人間もしてよい」という結論になっている。

この場合、チンパンジーを基準にして、なぜ、人間関係を論じようとするのか。

その根底にある人間理解が多くの男性にとって、フィクションだ、

ということを改めて指摘しておきたい。

問われているのは、

「男性は、セクハラするもの」という女性の側に往々ある臆測の共有ではなく、

「セクハラする男性」に対する対処の仕方だ。

そういう不届き者を許さないためモラルが要請されている。

そこに誤謬があるわけでない。

もし、男はチンパンジーになぞらえるのが正しいとするなら、

逆に、次のことを問いたい。

チンパンジーたちは、

近親相関する。だったら、人間世界でもそれを道徳秩序になぜしないのか、と。

思うに、上掲の対談では、

ネトウヨ系の女たちが受け入れている

「強い男は悪いことをしない」

という滑稽なまでのカルトの教条が述べられているに過ぎない)。

強制性交等罪

(昨年の7月13日、旧強姦罪を継承した犯罪類型)は、

相手の女性に人間性を認めないから実行できるだ。

大抵の男は、

実行できない。

正直言って、杉田は、

悪い男と付き合い過ぎなんじゃないか。

実際、

この事件が

山口敬之という安倍晋三のお友だちでなければ、

罪に問われたはずだ。

通常の男性なら直面するであろう法規範の前にして、

あえてそれを踏み越えようとしない。

踏み越える者は、

その反・法規範性ゆえに処罰されるんであって、

相手の女性に

落ち度がないからではない。

刑法は、

復讐のための法ではないのだ。

繰り返しになるが、

法律上の建付けという観点から見て、

女性がたとえば、寝入ったなど、意識不明の状態になったとき、

それに乗じて淫行をしたら改正刑法第178条2項(準強制性交等罪)に問われるのは、

犯罪を犯した者の行動の反・規範性のためだ。

伊藤詩織さんの事件に関しては

法文に

「抵抗困難な状態に乗じ」に該当する。

それが「作用」とするなら、

刑罰は、

犯罪を抑止するための「反作用」と見ることができる。

抵抗困難な状態が

何によって生じたかは問われない。

何らかの薬物(アルコールを含む)のせいで

自分の意識を失くすのも

相手の男がそれを利用する限り、

「暴行」「脅迫」によって自由を奪う行動と同視しえるというのが法の態度だ。

杉田は、

伊藤さんの事件がBBCで放送されたことをもって

憤懣やるかたなしという態度だ。

しかし、一体、何がいけないんだろう。

「暴行」「脅迫」を用いる普通の強制性交等罪事件の場合、

彼女は、

「被害者に全く落ち度がない」

と断じる。

しかし、何を根拠に「全く落ち度がない」と立法事実に及ぶ

価値判断をされるのだろう。

個々の犯罪行為など、

一人ひとり顔があるようにそれぞれに個性がある。

たとえば、あのレイプ天国のような

インドの郊外を夜遅く一人で歩いている女性を

考えてみて欲しい。

強制性交等する手段が「暴行」「脅迫」のみだったとして、

「被害者に全く落ち度がない」

などと言えない

(インド当局は、被害者にも相当の落ち度があるから、

レイプ犯を許せと主張するか――)。

また、世に

「被害者学」なるものがあって、

それによると、

どんな犯罪行為であろうと、

被害者にも責められることがあるという大前提で

分析・考察がなされている。

杉田さんは、

刑罰を問題にしながら、

被害者学で

ことを論じようとするのかな。

伝統的な刑法理論では、

そのようにしてよい例外的な場合は、

正当防衛と緊急避難が成立する場合に限られる。

杉田さんの場合は、

例外的扱いではなくて常に被害者側の事情を斟酌する。

しかし、その尺度は、

「落ち度」があるか否かの二者択一だ。

そんな立場で、

もし、被害者学の知見を取り入れれば、

あらゆる犯罪は裁くべきでないということになる。

よく言うじゃないか。

山に登るのも、そこに山があるからだ、と。

犯罪も同じ。

被害者であるお前がそこにいたのが間違っていた、と。

そんな恣意的な

「落ち度」という屁理屈を許すのか。


<追記>

茶がま@d6XoiqFOIxWSvyHさんのツイート。

――杉田水脈、BBCの放送の中で、「詩織さんを貶めるコメント」をし、山口敬之と祝杯を挙げているシーンが流されたのを気にしているとのこと。詩織さんを悪いと誹謗中傷することで、自分自身を庇っているということらしい。下劣で心卑しき女、こんな女を比例単独候補にして当選させる安倍晋三も同類。〔18:37 - 2018年7月1日 〕――


なぜ、杉田が詩織さんに「落ち度があった」と言うのか――。

このツイートによると、

検察審査会が不起訴をもって由とした決定を受けて

祝杯を挙げた事実にあるようだ。

この点、

異邦人@Beriozka1917さんが

――日頃から日本の素晴らしさを称揚している杉田水脈、和田政宗ら極右国会議員が、性暴力被害者をコケにして大爆笑する醜悪極まる絵面が世界中に発信され、何よりも自分たちが「日本を貶める」恥部と化しているのは滑稽の極み。だが、そんな連中を国会に送り出している我々も猛省しなければいけない。〔22:31 - 2018年6月30日〕――

とコメントしていた。

まさに

「語るに落ちる」顛末だな。

結局、杉田の主張は、

自身のした不謹慎な行いの単なる言い訳と考えてよさそうだ。

他人の不幸を喜ぶように祝杯を上げた

己の不明をこそ恥じよ!

2018年7月2日夕方 記



<追記-2>

杉田は、

鬼の首でも獲ったように

「彼女は、男性と二人っきりで酒を飲んだ」

という。

しかし、前後不覚になるほど

飲んだとは考えにくい。

酒を飲みなれていないのならともかく、

飲み慣れている。

そんな女性が全く無防備になるほど

男性の前で

酔いつぶれてしまったとは

考えにくい。

たとえば、

あくび@akubichandobinさんは、

――お酒はたいした量飲んでないし
薬が盛られた可能性は高い

居酒屋の証言
タクシーの証言
防犯カメラ
ただ酔っただけとは
考えづらい状況

友人、知人は
お酒は強いと証言している

なぜ加害者が
有罪にならないのか
謎〔12:50 - 2018年7月2日 〕――

と指摘する。

また、

中川 均@naka8952さんも、

酒を一緒に飲んだだけで無防備になったとは考えられないとして

次のように述べる。

――酷い歪曲だ。酒はそんなに飲んでないし、その酒に仕込まれた睡眠剤で意識を失っているところをホテルに担ぎ込まれ、暴行された。かつぎこむ映像証拠もある。こういう捏造によって、杉田は何を守ろうとしているのか。権力者にへつらって嘘を並べる、最低の議員だ。〔21:32 - 2018年7月2日 〕――

国会議員なら

あらゆる可能性を想定すべきだ。

したがって、

せめて「一緒に酒を飲んだ」点のみを捉えて

非難するような

態度は改めて貰いたい。

2018年7月4日未明 記



<追記-3>

きっこ@kikko_no_blogさんのツイート。

――深澤真紀氏「伊藤詩織さんのことを揶揄してきた自民党の杉田水脈議員が「司法判断が下っているのに日本の司法への侮辱だ」などと言っていますが、不起訴にしたのは検察ですから司法でなく行政です。立法府である国会議員が司法と行政も分からないなんて非常に問題です」(「ゴールデンラジオ」7月3日)〔8:34 - 2018年7月5日 〕――

本当に分からないのか否か。

あまりと言えばあまりの話だが、多分、分かってないんだろうな

(拙稿「アラブでもBBCの詩織さんのドキュメンタリーが放送されました」<追記>参照)。

☆ 記事URL:https://blog.goo.ne.jp/nrn54484/e/0262fbf1e2d5d1e1135fb5820a796384

2018年7月5日朝 記

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1 コメント

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清和会も (読者の一人)
2018-07-02 23:34:43
米国の外交も変わったことを理解せよ。

中華人民共和国は中国大陸において中国国民党を
破った中国共産党により、1949年10月1日に北京市
にて建国された。

この歴史は米の極東アジア戦略を大幅に変えた。

2018年朝鮮戦争が休戦から話会い路線を北と米が
表明したことは大きな転換点である。

自民党は米隷属路線のままでいいわけがない。

米を越えての中国との国交回復を阻止すべく田中
角栄をたたいた。

独自な路線を持たないとトランプも含め、米という
国は恐ろしい国である。

トランプはマーケットリサーチの結果次第の男で
ある。米市民の生活は日増しに疲弊してることに
気を使っているからこそ保護主義を選択した。
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