のんきに介護

母親と一緒の生活で、考えたこと書きます。

鼻の粘膜は、環境省の「放射能では傷つかない」との理解に従うのか?

2014年05月09日 02時36分24秒 | 放射能の脅威
早見雄二郎(株式評論家)@hayamiyさんが

――福島原発事故と鼻血の因果関係は無いと国がハッキリ明言した以上、もう美味しんぼは嘘をバラまいたと宣告されたのと同じだ。問題を起こした当事者は、これ以上うやむやにするわけにはいかないだろう。〔21:55 - 2014年5月8日 〕――

なんて書いてます。

「因果関係があるとは言えない」→「因果関係はない」

という風に

頭の中で勝手に翻訳されているんですな。

因果関係は、

どこまでも個別的な関係です。

たとえば、

ある人が交通事故にあいました。

その結果、

病院に運ばれ死亡しました

という事例があったとするでしょう。

この場合、

それだけの情報量では

「因果関係があるとは言えない」という表現が

正しいのです。

医者の医療事故がなかったかなど、

因果の流れを

具体的に詰めて行かなければならないからです。

その結果として、

事故による障害等の調査により、

因果関係が認められる

という認識が

成り立つ可能性まで否定されてません。

現に、

交通事故による死亡について

因果関係が

認められて損害賠償が認められている事例は、

山のようにあります。

しかし、どんなに因果関係が認められる

事例がたくさんあっても、

個別の事例で、

「車に轢かれた人がいます。

その人が死にました。因果関係は認められますか」

と尋ねられれば、

「因果関係があるとは認められません」

という答え方をするのが

専門家の立場です。

「だったら因果関係はないということだ」

と思うのは、

素人判断でしかないです。

そういう考察が

吹き飛んじゃってるところに

「美味しんぼ」事件の

揉めている

根本の理由があります。

放射能による

障害の症状として

鼻血が

取り上げられるのは

正しいのです。

こちらは、

個別的な事例を離れた考察です。

それを

考える材料として

下記の〔資料〕に目を通してください。

環境省は、

そのような

個別的な事例を離れた考察として、

下の●印ような見解2項目を

表明しています。

これは、表明の理由として掲げられている

確定的影響の1つとされる疲労感や鼻出血といった症状が多数の住民にあらわれているのではないかとご不安の声をいただきましたので、このような不安による、不当な風評被害が生じることを避けるとともに、福島県内に住んでおられる方々の心情を鑑みて」という件から

察せらるれるように、

政治的判断です。

これをまず、よく飲み込んでから、

是非を判断すべきです。

●国連(原子放射線の影響に関する国連科学委員会(UNSCEAR(アンスケア))が、これまでの知見に基づき公表した「2011年東日本大震災と津波に伴う原発事故による放射線のレベルと影響評価報告書」(平成26年4月2日公表)によれば、住民への健康影響について、「確定的影響は認められない」とされています。

●「東京電力福島第一原子力発電所の事故の放射線被ばくが原因で、住民に鼻血が多発しているとは考えられません。

☆ 記事URL:http://www.env.go.jp/chemi/rhm/info_1405-1.html

すなわち、環境省は、

下のような資料があるのを承知の上で、

福島の原発事故は、

原爆による被爆とは異なる

としているわけです。

要するに、

原爆の資料は参考にならないというのが

主張の根拠です。

しかし、ならば、

参考になるものはないのか…

環境省は、

チェルノブイリでの原発過酷事故も

参考にしようとはしません。

しかし、よく考えてみたいのは、

参考事例がなければ、

「因果関係がありません」

と言い切っていいものかどうか、

それが科学的判断に耐えうるだけの合理性があるとは

到底、思えません。

個別的な事例を離れた考察に見せかけながら、

“爆発”が

あったか否かと言う

個別的な

事情をのみ取り上げ、

そこで分析を

やめる理由にしてます。

しかし、医学的な判断として、

どれほどの妥当性があるのでしょうか。

鼻の粘膜は、

とても薄く傷つきやすいと聞いたことが

あります。

ベーター線やアルファ線を発する

放射性物質が

鼻の粘膜に付着したと仮定すれば、

容易に

鼻の粘膜が

それで破られてしまう事態を

想定しえます。

鼻と言うのは空気を吸い込む通り道に当たりますし、

匂いのセンサーもある

敏感な細胞が

密集しているわけです。

そこにいくつか穴が開くとして

さほど不思議ではないのではないでしょうか。

それよりも、

環境省が言ったから

そのような反応を生じる余地がないと

強弁できそうな人が

いることに、むしろ、異常な空気を感じます。

だって、

一個一個の鼻の細胞は、

環境省の

指令に基づいてそこで

生きているわけでないからです。

このブログ記事の

タイトルにあるような、

「鼻の粘膜は、環境省の『放射能では傷つかない』との分別に従うのか?」

という問いに対して、

「従いません」

と答えるしかないでしょう。

下の動画を見てください。




傷のつき方に

二つあるのが分かります。

一つは、細胞で作った壁が崩れる形

(動画前半、ビデオタイム0:00~参照)。

もう一つは、

染色体異常が生じる形です

(動画後半、ビデオタイム1:00~参照)。

原子炉が

チェルノブイリのように爆発したから

上二つの細胞の

破壊の形態があると考えるのは、

非科学的なのを

了解されるでしょう。

なぜなら、

上二つの破壊の形態は、

放射線の性質から導き出されているのであって、

爆発があったか否かは

条件として無関係だからです。

そして鼻血という

出血症状は、

細胞の二つの破壊の形態の内、

ビデオ前半に説明のある

細胞により形成された壁に穴が開き、

崩れる形なのです。

ところで、

最後に疑問を一つ。

なぜに、

放射性物質に関連するものにつき、

環境省が

あれやこれやのコメントをしたがるのでしょう。

従来、有害物の

監視・規制については、

都道府県知事に権限があったのです。

これについて、

サイト「あんくら島田のブログ」において

―― 大気汚染にしろ水質汚濁の防止にせよ、日本の環境行政が少なくとも、今日の環境規制を実現できたのは、都道府県が環境規制の権限を持ってきたからであり、これをがれき処理や除染の大規模事業を進める環境省が、権限を持つことは放射性物質と、放射能汚染物質については何もしないを宣言したことになります。――

という指摘がなされています。

注意すべき事柄です。

☆ 記事URL:http://ameblo.jp/ankurashimada/entry-11549835927.html


〔資料〕

「放射能による障害」

   私の原爆体験と原爆障害の大要:調 来助さん

☆ 記事URL:http://www-sdc.med.nagasaki-u.ac.jp/abcenter/shirabe/index.html


 放射能を有する物質が人体の組織や細胞を破壊することは、昔から知られていたことで、レントゲン線やラジウムが病気の治療に使われるのはその為である。原爆はそれよりも遥かに強力な放射線を放出するので、たとえ瞬間的に作用しても、破壊力の強いことは言を俟たない。
 放射線で最も侵され易いのは、血球、骨髄、性細胞、性腺、内分泌腺、粘膜などで、白血球減少、貧血、血便などを来すのはその結果とされる。
 原爆症の症状としては、嘔吐、下痢、発熱、出血、脱毛、口内炎などが主な症状で、その他、頭痛、眩暈、意識障害、腹痛なども挙げられるが、この方は余り重要でなく、死亡者に多かったのは、発熱、下痢、嘔吐、出血、口内炎等であった。
 各病状について、生存者五、五二○人、死亡者三二三人について、発生率の差を表示すると、次の通りである。




症 状





嘔 吐

15.0% 生存者


51.6% 死亡者



下 痢

33.3% 生存者

67.6% 死亡者



発 熱

21.5% 生存者

80.0% 死亡者



出 血

14.7% 生存者

48.6% 死亡者



口内炎

17.8% 生存者

43.6% 死亡者



脱 毛

11.8% 生存者

29.1% 死亡者



頭 痛

20.4% 生存者

39.0% 死亡者



眩 暈

10.5% 生存者

21.3% 死亡者



意識障害

6.6%  生存者

21.0% 死亡者



腹 痛

10.8% 生存者

26.1% 死亡者


  嘔吐は被爆直後か、遅くとも翌日までに起る事が多く、ショックによるもので、従って放射線の影響が大きかったことを示している。
 下痢は被爆当日から一週間以内に起ったものが大部分で、早く起こった者ほど予後が不良であった。ひどいのになると赤痢のように水様便を出し、中には血便を出す者も見られた。(二五%)。
 発熱も下痢と並行して、一週間以内に起こる場合が多かった。而も焼けるような高熱(四○度以上)で、学長が生前に指摘されたように、汗腺が侵されて汗が出ないので中々下らない。この高熱は無傷の人にも高率(七一・六%)に見られたので怪我や火傷、下痢などで起ったものでなく、放射線の作用によることが確実に理解される。
 出血も原爆症に特有な症状で、中でも皮下に出血して斑点を生じたものが最も多く(四五・一%)、次は血便(三三・三%)、歯齦出血(二七・八%)、鼻血(二○・四%)、吐血(一八・五%)等で、この外血尿(九・三%)、喀血(八・六%)、結膜出血(四・三%)なども見られた。出血も早期に大量に見られたものほど予後が不良であった。
 口内炎は口の中が爛れる病気で、歯齦炎、扁桃腺炎、咽頭炎等もこの中に含まれ、食物をとると痛くて嚥下が不能となる。中には頬がくずれ落ちた人もあり、死亡者も多く見られた。
 脱毛も重要な症状の一つで、レントゲンを頭にかけるとその部分が禿になるが、それと同様に頭髪が抜け、ひどい場合は丸坊主になった人もいた。若い女の人では可哀想だったが、幸に死亡とは直接の関係がなかったので、死ぬこともなく、今では元通りに綺麗に生え揃っている。死亡者に脱毛が比較的少ないのは、脱毛が通常二、三週間後に起ったので、重症者は脱毛の起こる前に死亡したためと思われる。







最新の画像もっと見る

コメントを投稿