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日刊ゲンダイ:高野孟さん / 「手を取り合って幻想空間を遊泳する安倍首相と今井秘書官」

2017年01月05日 12時33分59秒 | 安倍某とそのお友達
〔資料〕

「手を取り合って幻想空間を遊泳する安倍首相と今井秘書官」

   日刊ゲンダイ/高野孟さん・文(2017年1月5日)

☆ 記事URL:http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/196902

 アンデルセンの「裸の王様」は、「馬鹿の目には見えない不思議な布でできている」という触れ込みの高価な衣装を、家臣も王様本人も「見えない」と言えば馬鹿と思われるから、お互いに本当のことを言わず、そのため王様は裸のままパレードに出ていってしまうというお話だが、今の安倍晋三首相と今井尚哉首席秘書官の関係もそれに似ている。

 外務省のロシア専門家を押しのけて、対ロ外交の総括責任者に就いたのは今井で、経済協力で大盤振る舞いをした上で、ロシアのプーチン大統領を高級温泉旅館でもてなせば、北方領土で妥協するだろうという幼稚極まりないシナリオを描いて安倍に振り付け、大失敗に終わった。それですぐに目先を変えて、「戦後の首相として初めて」と銘打った安倍の真珠湾訪問を仕掛け、それがうまくいけば「真珠湾解散だ」とまで新聞に書かせてあおり立てたが、「初めて」どころか吉田茂も鳩山一郎も岸信介も訪問していたことが判明して、ずっこけてしまった。

 自民党中堅議員が嘆く。

「とにかく今井は、外交舞台をその場限りの派手なサプライズ演出のチャンスとしか考えておらず、うまくいけばその勢いで解散・総選挙を打って政権延命という一本やりの単純思考。5月の伊勢志摩サミットで、偽データのパネルを作って『リーマン・ショック級の世界経済危機』を演出してダブル選挙に持ち込もうとしたのも、今井。プーチン来日に大いに期待を持たせて、年末年始の北方領土解散をさんざんあおったのも、今井。それがダメなら真珠湾というのも、今井。彼は、自分の仕掛けたことが失敗だとは言えないから『成功した』と安倍に囁き、マスコミにもそう書かせる。安倍も自分が失敗したとは思いたくないので、今井の言葉や、彼が切り抜いてきた新聞記事を信じようとする。2人で手を取り合って幻想空間を遊泳しているかのようだ」と。

 次の場面は今月末で調整中のトランプ新大統領との会談である。同議員の言うには、これについても今井は安倍に対して「何も分かっていないトランプに注文をつけて世界が大混乱に陥るのを防ぐのが、豊富な政治・外交経験を持つ総理の役目ですから」などと、誇大妄想を吹き込んでいるらしい。それで妙に自信過剰になった安倍が、仮にもトランプを見下すような発言をしたりすると、大惨事に陥ることになろう。

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