盛田隆二*Morita Ryuji @product1954さんのツイート。
――こんなシンプルな事実、今まで本当に分からなかったのか?
>「MOX燃料は1本9億円。ウランの9倍」とコスト面でも利点が乏しいことが浮き彫りに。
コスト面にも増して、プルサーマルの一番の問題は、六ヶ所再処理工場が機能しないことだろう。〔9:53 - 2016年2月28日 〕――
〔資料〕
「MOX燃料の価格、ウランの9倍 高浜原発で1本9億円」
朝日新聞:福島慎吾さん・文(2016年2月28日05時05分)
☆ 記事URL:http://www.asahi.com/articles/ASJ2V44DQJ2VPLBJ001.html
使用済み核燃料を再処理して作るウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料は、通常のウラン燃料より数倍高価なことが、財務省の貿易統計などから分かった。再稼働した関西電力高浜原発3、4号機(福井県)などプルサーマル発電を行う原発で使われるが値上がり傾向がうかがえ、高浜で使うMOX燃料は1本約9億円となっている。
プルサーマル発電は使用済み核燃料から取り出したプルトニウムを再利用する国の核燃料サイクル政策の柱とされる。核兵器に転用できるプルトニウムの日本保有量(47・8トン)を増やさない狙いもあるが、国内の再処理施設は未完成なうえ、コスト面でも利点が乏しいことが浮き彫りになった。
電力各社は使用済み核燃料の再処理をフランスなどに委託。MOX燃料は1999年以降、東京電力福島第一、柏崎刈羽、中部電力浜岡、関西電力高浜、四国電力伊方、九州電力玄海の各原発に搬入された。27日に核分裂反応が継続する「臨界」に達した高浜4号機は、核燃料計157本のうちMOX燃料(燃料集合体)が4本、3号機は同じく24本入っている。燃料集合体は燃料棒を束ねたもので、長さ約4メートル、重さ約700キロある。
電力各社は「契約に関わる事項」などとしてMOX燃料の価格を明らかにしていないが、貿易統計で輸送費や保険料を含むとされる総額が公表されている。それを輸入本数で割ると、MOX燃料1本あたり2億604万~9億2570万円。時期でみると、99年の福島第一は1本2億3444万円なのに対し、直近の2010年と13年は7億~9億円台。13年6月に高浜に搬入されたものは1本9億2570万円となった。
ウラン燃料の価格も非公表だが、同様に98年7月輸入分は1本1億1873万円。13年10月の輸入分は同1億259万円で、13年6月輸入のMOX燃料はこの約9倍にあたる。
1本のMOX燃料で利用できるプルトニウムは多くない。一方、燃料の値段は電気料金に反映される。原発のコストに詳しい立命館大の大島堅一教授(環境経済学)は「安価になるからリサイクルするはずなのに、MOX燃料は逆に高価で、経済的におかしい。国は商業的にも技術的にも破綻(はたん)している政策を続けており、負担は国民に回ってくる」と指摘する。(福島慎吾)
■プルサーマル、課題山積
プルサーマル発電は国内では2009年に玄海原発で始まり、新規制基準のもとでは高浜3、4号機に続いて伊方原発3号機で予定されている。しかし、多くの課題がある。
MOX燃料は当初高速増殖炉で使うはずだったが、原型炉もんじゅ(福井県)は実現の見通しが立っておらず、プルサーマルが核燃料サイクル政策の軸とされる。電力各社は、16~18基の原発でプルサーマル発電をすれば年間6トン前後のプルトニウムを利用できると想定している。
しかし、青森県六ケ所村の使用済み核燃料の再処理工場とMOX燃料加工工場は、稼働が大幅に遅れている。加えて、使用済みMOX燃料は建設中の加工工場で処理できず、その処分方法も決まっていない。
内閣府原子力委員会の小委員会は12年、核燃料サイクルのコストの試算を発表。将来の電源に占める原子力の比率にかかわらず、使用済み核燃料を再処理せずに地下に埋める「直接処分」の方が、再処理してプルトニウムを利用するより安いとしている。
――こんなシンプルな事実、今まで本当に分からなかったのか?
>「MOX燃料は1本9億円。ウランの9倍」とコスト面でも利点が乏しいことが浮き彫りに。
コスト面にも増して、プルサーマルの一番の問題は、六ヶ所再処理工場が機能しないことだろう。〔9:53 - 2016年2月28日 〕――
〔資料〕
「MOX燃料の価格、ウランの9倍 高浜原発で1本9億円」
朝日新聞:福島慎吾さん・文(2016年2月28日05時05分)
☆ 記事URL:http://www.asahi.com/articles/ASJ2V44DQJ2VPLBJ001.html
使用済み核燃料を再処理して作るウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料は、通常のウラン燃料より数倍高価なことが、財務省の貿易統計などから分かった。再稼働した関西電力高浜原発3、4号機(福井県)などプルサーマル発電を行う原発で使われるが値上がり傾向がうかがえ、高浜で使うMOX燃料は1本約9億円となっている。
プルサーマル発電は使用済み核燃料から取り出したプルトニウムを再利用する国の核燃料サイクル政策の柱とされる。核兵器に転用できるプルトニウムの日本保有量(47・8トン)を増やさない狙いもあるが、国内の再処理施設は未完成なうえ、コスト面でも利点が乏しいことが浮き彫りになった。
電力各社は使用済み核燃料の再処理をフランスなどに委託。MOX燃料は1999年以降、東京電力福島第一、柏崎刈羽、中部電力浜岡、関西電力高浜、四国電力伊方、九州電力玄海の各原発に搬入された。27日に核分裂反応が継続する「臨界」に達した高浜4号機は、核燃料計157本のうちMOX燃料(燃料集合体)が4本、3号機は同じく24本入っている。燃料集合体は燃料棒を束ねたもので、長さ約4メートル、重さ約700キロある。
電力各社は「契約に関わる事項」などとしてMOX燃料の価格を明らかにしていないが、貿易統計で輸送費や保険料を含むとされる総額が公表されている。それを輸入本数で割ると、MOX燃料1本あたり2億604万~9億2570万円。時期でみると、99年の福島第一は1本2億3444万円なのに対し、直近の2010年と13年は7億~9億円台。13年6月に高浜に搬入されたものは1本9億2570万円となった。
ウラン燃料の価格も非公表だが、同様に98年7月輸入分は1本1億1873万円。13年10月の輸入分は同1億259万円で、13年6月輸入のMOX燃料はこの約9倍にあたる。
1本のMOX燃料で利用できるプルトニウムは多くない。一方、燃料の値段は電気料金に反映される。原発のコストに詳しい立命館大の大島堅一教授(環境経済学)は「安価になるからリサイクルするはずなのに、MOX燃料は逆に高価で、経済的におかしい。国は商業的にも技術的にも破綻(はたん)している政策を続けており、負担は国民に回ってくる」と指摘する。(福島慎吾)
■プルサーマル、課題山積
プルサーマル発電は国内では2009年に玄海原発で始まり、新規制基準のもとでは高浜3、4号機に続いて伊方原発3号機で予定されている。しかし、多くの課題がある。
MOX燃料は当初高速増殖炉で使うはずだったが、原型炉もんじゅ(福井県)は実現の見通しが立っておらず、プルサーマルが核燃料サイクル政策の軸とされる。電力各社は、16~18基の原発でプルサーマル発電をすれば年間6トン前後のプルトニウムを利用できると想定している。
しかし、青森県六ケ所村の使用済み核燃料の再処理工場とMOX燃料加工工場は、稼働が大幅に遅れている。加えて、使用済みMOX燃料は建設中の加工工場で処理できず、その処分方法も決まっていない。
内閣府原子力委員会の小委員会は12年、核燃料サイクルのコストの試算を発表。将来の電源に占める原子力の比率にかかわらず、使用済み核燃料を再処理せずに地下に埋める「直接処分」の方が、再処理してプルトニウムを利用するより安いとしている。
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