朝日新聞の記者が発端となった、
「謝罪しろ」
の自民党からのクレームは、
次の二つの
因子が絡んだ混乱だ。
(1)自民党とは一線を画しているとのネトウヨたちの思い上がり。
(2)朝日新聞の生贄精神。
さて、
(1)はどういうことかと言うと、
安倍政権の採用する移民政策などにつき、
排外主義者として、
若干の反発があるので、
必ずしも「安倍政権支持者」で括れない面があるという主張だ。
外教
@yuantianlaoshiさんが
ネトウヨにつき、
こんなツイートをしていた。
――ネトウヨって単に「ネット上で右翼的な主張をしている人」のことじゃないよ。リベラル寄りの人に粘着したり、炎上させたり、デマ拡散したりする気持ち悪い行動様式に対して、呆れたニュアンスを込めて呼ばれるものだよ。あとネトウヨは一人の例外なく詭弁家。〔0:29 - 2014年12月22日 〕――
なぜ、かくも詭弁なのか。
外教さんが続けて、こう言う。
――ネトウヨの自称中道率(自称左派率)は高い。実際、皇室にはあまり興味がないだろうから「右翼」というわけではなく「アンチ」なんだね。アンチ中国韓国・アンチリベラル・アンチ戦後民主主義の反体制気分。日本(=自分たち)こそが被害者であり、レコンキスタ(失地回復)してるつもりでいる。〔0:38 - 2014年12月22日 〕――
「自称左派率が高い」という表現が可笑しい。
でも、至言だ。
これは、
安倍離脱率と言ってもいいだろう。
今日、このブログ記事で取り上げることにした
論点の中心だ。
なぜ、安倍から幽体離脱してしまうのか――。
難しく考えないで、
一種の悪徳自慢の裏返しと見たらよいと思う。
すなわち、
安倍某と悪徳競争をして、
よくよく安倍某を観察しながら、
「あのおっさん、頭、無茶苦茶やん」
という自覚に
突如、立つってことだな。
この辺りの分析は
いずれまた、
ということで次に行く。
(2)は、
トップが安倍某の寿司友であることと関係する。
朝日が産経と同じく、
「幇間」新聞であるのは間違いない。
ただ、同じ広報誌の役割りを背負っているとしても、
背負い方が異なる。
産経が従順に従う形だとすると、
放蕩息子として
父親である安倍某の寵愛を得ようとしているのが
朝日新聞だ。
この新聞社は、乱暴の果て、
最後は見せしめ役として生贄となる
――民衆から見て、今回のような謝罪劇を演じ、利敵行為を行うことによって仕える――、
つまり、安倍内閣を構成する
無法者達のため
露払いをするわけだ。
さて、話を「謝罪しろ」という
自民党のクレームとなって噴出している争いの、
まず、発端は、
朝日の記者が使った画像が
8月2日、
「安保法案を支持する国民大行進 in 銀座」なる安保法制推進デモの
ものでないという
指摘だ。
この画像だ。
しかし、この画像、
別の日の撮影されたもののようだ。
「中国系マフィア撲滅デモ」
を写したものだという
(ニワカは相手にならんよ @niwakaha さんのツイート〔2015年8月3日 08:02 〕参照 )。
撮影者というアカウント名、秋山理央氏がこんなツイートをしている。
――【撮影記録】2014年3月・東京での日本の排外主義者によるネオナチデモ。
ハーケンクロイツを掲げたデモの参加者は、8月2日に銀座で行われた安保法案賛成デモにも参加。彼らは安倍首相と彼の保守的な政権を支持しているのだ。(撮影:秋山理央)〔13:29 - 2015年8月4日 〕――
要するに、
卒業写真として紹介したモノが
遠足とき、
撮った写真と言うわけだ。
本人にとっては、
どいう記念日に撮られたかは
重要かもしれない。
しかし、問題は、そうではなく、
こういう連中が
安倍内閣の支持者という事実を伝える上で、
後景に退くべき事実だ。
そこをそうではないかのように言うから、
わざわざ
ニュース論説サイト「リテラ」が
「“炎上”朝日記者のツイートはデマじゃない! 安倍政権と安保法案を支持する「銀座デモ」の正体はネオナチと在特会だった!」
というタイトルにて熱い論述をしている。
ここでの主張の攻防は、
(1)で述べた立場の正当性だ。
思うに、
「反・安倍」の主張を
排外主義を掲げる連中がするのは、
無理筋だろう。
ただし、あるケミス卜@Nipponium1908 さんが
証言するように
その無理筋をあえて口にするものがあった
(〔20:52 - 2015年8月4日 〕のツイート参照)。
だから炎上したのだ。
ただ、そのとき感じたのは、
如何に排外的主張に温度差があろうが、
差別的である点で同質じゃないか
ということだった。
すなわち、自民党は、移民策を遂行しようとしているが、
移民する相手国に対する
敬意がない。
ただ、高齢者介護等で人手が足りなくなるので
補おうとしているだけだ。
他方、ネオナチのグループは、
そういう安易な移民政策が将来に禍根を生む
という分析の下に
反対しているのではなく、
もっと単純に外国人を排斥したいから排斥するという程度のレベルだろう。
いわば、縄張り意識レベルの心情の
発露にしか過ぎないと判断する
(以上の争点は、
騒動が活発化しだした頃、確かにTL上にあった見解だ。
政府が介入したせいだろうか、
途中から
「(ネオナチ勢力である我々は)安倍政権を支持しない」という言辞が消えた、
ないしは、見つからなくなった。
確か問題となった写真の撮影者、秋山理央氏のものだったと記憶する。
「反・安倍」の立場を強調していたのではなかったか。
ただ、記録がないので、
しかとは言えない。
どうしたものかと思っていたところ、
2014年3月の当該デモを主催したという荒巻丈 @joearamaki なる、
同趣旨を述べている別の人物を発見したので、
紹介する。
――トレンドに #ナチ支援者 なるものがありハーケンクロイツデモが乘ってる。あれは俺が提唱し、首謀したものであり俺自身はネオナチであるが安倍政権を支持していないので、朝日新聞のナチ支援者は安倍支持者なる見出しは見当違いである。http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150803-00000562-san-pol …〔7:47 - 2015年8月4日 〕――
詳しくは、こちらの
「冨永格(tanutinn)編集委員の捏造ツイートを擁護する人たち とりあえずまとめてみました」
という「togetter」を見ればよい。
☆ 記事URL:http://togetter.com/li/856406)。
両者ともに、
「外国人」という敵を作らないと
落ち着かない点で一つに括れるグループだ。
「リテラ」には、
こんな風に記されてあった。
―― 3日のTBS『NEWS 23』が、この安保法制推進デモの模様を放送した。デモ参加者らは、日の丸や日章旗、星条旗を振りながら約250名で行進。『NEWS 23』のカメラははっきりと、「朝鮮人半島に帰れ!」と叫ぶ参加者の姿や、「安保法制大賛成! ブタ左翼皆殺し」と書かれた紙を掲げる姿を映していた。
そう、彼らの正体は、ヘイトスピーチを繰り返し、外国人や在日コリアンへの虐殺までも煽動する、いわゆる「行動する保守」と呼ばれる人々だ。彼らが運動の告知などに使用するウェブサイト「行動する保守カレンダー」によれば、デモの現場責任者は、あの元在特会会長・桜井誠氏。実際、桜井氏が安保法制推進デモの中心にいたことは、動画などで誰でも容易に確認できる。
そして、件の朝日編集委員がツイートに用いた“鉤十字を掲げる極右デモ”も、在特会と深く関係を持っていることが判明している。本サイトによせられた複数の情報を検証し、また独自に取材したところ、写真のネオナチデモの主催は「外国人犯罪追放運動」なるNPO団体であり、昨年3月に東京・西葛西で行われた在留中国人追放を目的としたデモであったことがわかった。
このNPO「外国人犯罪追放運動」の代表者は、有門大輔氏という極右活動家である。“日本のネオナチ”を自認し、長年運動を牽引してきた人物、瀬戸弘幸氏の弟子筋にあたる。今回の銀座・安保法制推進デモではハーケンクロイツこそはためいていなかったが、前出の桜井氏に加え、この有門氏と瀬戸氏が参加し、堂々とデモ行進を行っていたことを確認。この瀬戸氏、有門氏らネオナチ活動家と、桜井氏の在特会は、かねてから共闘関係にあることで知られている。つまり、今回の安保法制推進デモにたまたま参加したわけではなく、むしろ中心的役割を担ったとみるのが妥当だ。「行動する保守」の活動を取材したことのある者ならば自明のことだが、その構図は、東京・新大久保など在日コリアンや外国人らの虐殺を扇動するヘイトデモの構成とまったく同じである。――
☆ 記事URL:http://lite-ra.com/2015/08/post-1357_2.html
ここまでなら、
大きな騒ぎにならない。
当該朝日新聞の記者のツイートも
余裕があった。
キャプチャーがあるので紹介する。
転載元:Cat in the Blue Sky @catbsky さんのツイート〔10:29 - 2015年8月3日 〕
これらのツイートの内、真ん中あたりにある
「ヘイトデモの写真は昔の話だと思います。いまやったらまた支持率が落ちちゃいますから。さすがにそこまで馬鹿ではない」
というコメントが
自民党の誰かさんの勘に触ったのだろう。
実際、
その手の断罪がなされた。
たとえば、
Cat in the Blue Sky @catbsky というアカウントのツイートだ。
――ヘイト団体が自民を支持しようと、自民がヘイトを支持する意味にはならないのに、ナチス旗を悪用して混同させようとした。〔23:50 - 2015年8月2日 〕――
ここで、党として自民党が動いた。
働きかけた相手は、
朝日新聞社だ。
その結果、
日経新聞の報道によれば、朝日新聞社が冨永氏に厳重注意し、
お詫びを記すように指示することになったと、
リテラが報告している。
☆ 記事URL:http://lite-ra.com/2015/08/post-1357.html
僕が上述した
(2)の論点、
「朝日新聞の生贄精神」がいかんなく発揮された。
ツイートの発信人、
冨永 格(ただし)@tanutinn さんは、
――先ほどのヘイトデモの写真と英仏両語でのツイートにたくさんの返信をいただきました。審議中の安保法案と結びつけて語る方も多く、誤解を招いてしまったようです。本意ではありませんので関連ツイートとともに削除しました。お騒がせしました。〔21:52 - 2015年8月2日 〕――
と謝罪した。
自民党側はこれで満足せず、英・仏語でも謝罪しろと言う。
下は、謝罪・取り消しを求められたツイートのキャプチャーだ。
仏語文も、
英語で書かれた文章と同じとすれば、
「東京での日本人の国家主義者によるデモ。彼らは安倍首相と彼の保守的な政権を支持している」
という日本語文の翻訳だ。
これで、
一挙に「安倍政権=極右」論が
沈静化するだろうか。
むしろ逆だろうな。
大人気がないと思って、呆れ果てただけだろう。
一ジャーナリストに
組織上層部を通して圧力をかけさせるなど、
安倍某は、また、世界の笑い者になる
逸話を提供しただけだ。
冨永は、
求められるままに
――I deleted while ago my tweet on hate demonstration in Tokyo fearing it may mislead my intention. I am sorry to that.〔21:52 - 2015年8月2日 〕――
とツイートされていた。
「レッテル張りだ!」
という
安倍政権支持者たちの主張は通った。
かくして、
「ヘイト団体が自民を支持しようと、自民がヘイトを支持する意味にはならない」
という傲慢な考えに
天声人語を6年も担当した
朝日新聞編集委員の富永格氏が膝を屈した。
ここまで来て、
クレームの意味が変わってしまっているのがわかるだろうか。
最初の時点では、
「この写真は、中国系マフィア撲滅デモのもので『安保法案を支持する国民大行進 in 銀座』のものではない」
ということを根拠にした
「ネオナチの我々は、安倍政権を支持していない」旨の主張だった。
上述したように、
この主張は、
正当ではないというべきだ。
しかし、その見方を前提にして
朝日新聞の記者に因縁をつけていたはずだ。
それが自民党を介すことで、
「ヘイト団体が自民を支持しようと、自民がヘイトを支持する意味にはならない」
という上から目線の命題に変換された。
「子分のすること、
必ずしも親分の責任じゃない。
だから、親分のことは親分と呼んじゃなんねい。
社長と呼べ」
というお話とどこがどう違うのだろう。
結局は、強い者に屈服するわけだ、
あの鉤十字の旗を振り回していた人は!
結論的に
ネオナチなどヘイト団体が
自民を支持しようと、自民がヘイトを支持する意味にはならないという
ネオナチ側の片思いが明確になったことで、
最初の、
「安保賛成のデモ参加者」
示すものとして
写真の転用をするなという主張を支える、
「我々は、愛国者として、安倍政権を支持していない」
という根拠が剥落した。
つまり、根拠のない、
ただの言い掛かりにすぎないことが証明されてしまった。
もう一度、
僕が引用した富永氏のツイートを思い出して欲しい。
「ヘイトデモの写真は昔の話だと思います。いまやったらまた支持率が落ちちゃいますから。さすがにそこまで馬鹿ではない」
このツイートにある「ヘイトデモの写真は昔の話」という指摘から、
違うデモにおいて撮られた写真の、
初めから知った上での転用だったことが明らかだ。
政府が
自分たちのクレームに乗っかるや、
「我々は、安倍政権を支持していない」
という部分は知らぬ振りでは、
安倍政権同様に
ご都合主義の非難は免れない。
外国のメディアは、
ここまでは直ぐに見抜けないだろう。
しかし、
政府がまるで利益のためには国を売るマフィアであるがごとく、
「ヘイト団体が自民を支持しようと、自民がヘイトを支持する意味にはならない」
という考えを
一ジャーナリストに押し付けたという
結果を
誤解なく受け止めたろう。
すなわち、
自民党という党組織は、
如何に熱烈に支持されようが恩顧で応えない
情のない団体ということだ。
ジャーナリストや個々のコメンテイターの意見に
介入すべきでないという教訓は、
古賀茂明氏の
爆烈で
得たはずなのに、
今度は世界を舞台にして
その視野の狭量さを見せつけた。
これでなお、
国益の毀損に気づかない
安倍某って
何なのだろうか。
「謝罪しろ」
の自民党からのクレームは、
次の二つの
因子が絡んだ混乱だ。
(1)自民党とは一線を画しているとのネトウヨたちの思い上がり。
(2)朝日新聞の生贄精神。
さて、
(1)はどういうことかと言うと、
安倍政権の採用する移民政策などにつき、
排外主義者として、
若干の反発があるので、
必ずしも「安倍政権支持者」で括れない面があるという主張だ。
外教
@yuantianlaoshiさんが
ネトウヨにつき、
こんなツイートをしていた。
――ネトウヨって単に「ネット上で右翼的な主張をしている人」のことじゃないよ。リベラル寄りの人に粘着したり、炎上させたり、デマ拡散したりする気持ち悪い行動様式に対して、呆れたニュアンスを込めて呼ばれるものだよ。あとネトウヨは一人の例外なく詭弁家。〔0:29 - 2014年12月22日 〕――
なぜ、かくも詭弁なのか。
外教さんが続けて、こう言う。
――ネトウヨの自称中道率(自称左派率)は高い。実際、皇室にはあまり興味がないだろうから「右翼」というわけではなく「アンチ」なんだね。アンチ中国韓国・アンチリベラル・アンチ戦後民主主義の反体制気分。日本(=自分たち)こそが被害者であり、レコンキスタ(失地回復)してるつもりでいる。〔0:38 - 2014年12月22日 〕――
「自称左派率が高い」という表現が可笑しい。
でも、至言だ。
これは、
安倍離脱率と言ってもいいだろう。
今日、このブログ記事で取り上げることにした
論点の中心だ。
なぜ、安倍から幽体離脱してしまうのか――。
難しく考えないで、
一種の悪徳自慢の裏返しと見たらよいと思う。
すなわち、
安倍某と悪徳競争をして、
よくよく安倍某を観察しながら、
「あのおっさん、頭、無茶苦茶やん」
という自覚に
突如、立つってことだな。
この辺りの分析は
いずれまた、
ということで次に行く。
(2)は、
トップが安倍某の寿司友であることと関係する。
朝日が産経と同じく、
「幇間」新聞であるのは間違いない。
ただ、同じ広報誌の役割りを背負っているとしても、
背負い方が異なる。
産経が従順に従う形だとすると、
放蕩息子として
父親である安倍某の寵愛を得ようとしているのが
朝日新聞だ。
この新聞社は、乱暴の果て、
最後は見せしめ役として生贄となる
――民衆から見て、今回のような謝罪劇を演じ、利敵行為を行うことによって仕える――、
つまり、安倍内閣を構成する
無法者達のため
露払いをするわけだ。
さて、話を「謝罪しろ」という
自民党のクレームとなって噴出している争いの、
まず、発端は、
朝日の記者が使った画像が
8月2日、
「安保法案を支持する国民大行進 in 銀座」なる安保法制推進デモの
ものでないという
指摘だ。
この画像だ。
しかし、この画像、
別の日の撮影されたもののようだ。
「中国系マフィア撲滅デモ」
を写したものだという
(ニワカは相手にならんよ @niwakaha さんのツイート〔2015年8月3日 08:02 〕参照 )。
撮影者というアカウント名、秋山理央氏がこんなツイートをしている。
――【撮影記録】2014年3月・東京での日本の排外主義者によるネオナチデモ。
ハーケンクロイツを掲げたデモの参加者は、8月2日に銀座で行われた安保法案賛成デモにも参加。彼らは安倍首相と彼の保守的な政権を支持しているのだ。(撮影:秋山理央)〔13:29 - 2015年8月4日 〕――
要するに、
卒業写真として紹介したモノが
遠足とき、
撮った写真と言うわけだ。
本人にとっては、
どいう記念日に撮られたかは
重要かもしれない。
しかし、問題は、そうではなく、
こういう連中が
安倍内閣の支持者という事実を伝える上で、
後景に退くべき事実だ。
そこをそうではないかのように言うから、
わざわざ
ニュース論説サイト「リテラ」が
「“炎上”朝日記者のツイートはデマじゃない! 安倍政権と安保法案を支持する「銀座デモ」の正体はネオナチと在特会だった!」
というタイトルにて熱い論述をしている。
ここでの主張の攻防は、
(1)で述べた立場の正当性だ。
思うに、
「反・安倍」の主張を
排外主義を掲げる連中がするのは、
無理筋だろう。
ただし、あるケミス卜@Nipponium1908 さんが
証言するように
その無理筋をあえて口にするものがあった
(〔20:52 - 2015年8月4日 〕のツイート参照)。
だから炎上したのだ。
ただ、そのとき感じたのは、
如何に排外的主張に温度差があろうが、
差別的である点で同質じゃないか
ということだった。
すなわち、自民党は、移民策を遂行しようとしているが、
移民する相手国に対する
敬意がない。
ただ、高齢者介護等で人手が足りなくなるので
補おうとしているだけだ。
他方、ネオナチのグループは、
そういう安易な移民政策が将来に禍根を生む
という分析の下に
反対しているのではなく、
もっと単純に外国人を排斥したいから排斥するという程度のレベルだろう。
いわば、縄張り意識レベルの心情の
発露にしか過ぎないと判断する
(以上の争点は、
騒動が活発化しだした頃、確かにTL上にあった見解だ。
政府が介入したせいだろうか、
途中から
「(ネオナチ勢力である我々は)安倍政権を支持しない」という言辞が消えた、
ないしは、見つからなくなった。
確か問題となった写真の撮影者、秋山理央氏のものだったと記憶する。
「反・安倍」の立場を強調していたのではなかったか。
ただ、記録がないので、
しかとは言えない。
どうしたものかと思っていたところ、
2014年3月の当該デモを主催したという荒巻丈 @joearamaki なる、
同趣旨を述べている別の人物を発見したので、
紹介する。
――トレンドに #ナチ支援者 なるものがありハーケンクロイツデモが乘ってる。あれは俺が提唱し、首謀したものであり俺自身はネオナチであるが安倍政権を支持していないので、朝日新聞のナチ支援者は安倍支持者なる見出しは見当違いである。http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150803-00000562-san-pol …〔7:47 - 2015年8月4日 〕――
詳しくは、こちらの
「冨永格(tanutinn)編集委員の捏造ツイートを擁護する人たち とりあえずまとめてみました」
という「togetter」を見ればよい。
☆ 記事URL:http://togetter.com/li/856406)。
両者ともに、
「外国人」という敵を作らないと
落ち着かない点で一つに括れるグループだ。
「リテラ」には、
こんな風に記されてあった。
―― 3日のTBS『NEWS 23』が、この安保法制推進デモの模様を放送した。デモ参加者らは、日の丸や日章旗、星条旗を振りながら約250名で行進。『NEWS 23』のカメラははっきりと、「朝鮮人半島に帰れ!」と叫ぶ参加者の姿や、「安保法制大賛成! ブタ左翼皆殺し」と書かれた紙を掲げる姿を映していた。
そう、彼らの正体は、ヘイトスピーチを繰り返し、外国人や在日コリアンへの虐殺までも煽動する、いわゆる「行動する保守」と呼ばれる人々だ。彼らが運動の告知などに使用するウェブサイト「行動する保守カレンダー」によれば、デモの現場責任者は、あの元在特会会長・桜井誠氏。実際、桜井氏が安保法制推進デモの中心にいたことは、動画などで誰でも容易に確認できる。
そして、件の朝日編集委員がツイートに用いた“鉤十字を掲げる極右デモ”も、在特会と深く関係を持っていることが判明している。本サイトによせられた複数の情報を検証し、また独自に取材したところ、写真のネオナチデモの主催は「外国人犯罪追放運動」なるNPO団体であり、昨年3月に東京・西葛西で行われた在留中国人追放を目的としたデモであったことがわかった。
このNPO「外国人犯罪追放運動」の代表者は、有門大輔氏という極右活動家である。“日本のネオナチ”を自認し、長年運動を牽引してきた人物、瀬戸弘幸氏の弟子筋にあたる。今回の銀座・安保法制推進デモではハーケンクロイツこそはためいていなかったが、前出の桜井氏に加え、この有門氏と瀬戸氏が参加し、堂々とデモ行進を行っていたことを確認。この瀬戸氏、有門氏らネオナチ活動家と、桜井氏の在特会は、かねてから共闘関係にあることで知られている。つまり、今回の安保法制推進デモにたまたま参加したわけではなく、むしろ中心的役割を担ったとみるのが妥当だ。「行動する保守」の活動を取材したことのある者ならば自明のことだが、その構図は、東京・新大久保など在日コリアンや外国人らの虐殺を扇動するヘイトデモの構成とまったく同じである。――
☆ 記事URL:http://lite-ra.com/2015/08/post-1357_2.html
ここまでなら、
大きな騒ぎにならない。
当該朝日新聞の記者のツイートも
余裕があった。
キャプチャーがあるので紹介する。
転載元:Cat in the Blue Sky @catbsky さんのツイート〔10:29 - 2015年8月3日 〕
これらのツイートの内、真ん中あたりにある
「ヘイトデモの写真は昔の話だと思います。いまやったらまた支持率が落ちちゃいますから。さすがにそこまで馬鹿ではない」
というコメントが
自民党の誰かさんの勘に触ったのだろう。
実際、
その手の断罪がなされた。
たとえば、
Cat in the Blue Sky @catbsky というアカウントのツイートだ。
――ヘイト団体が自民を支持しようと、自民がヘイトを支持する意味にはならないのに、ナチス旗を悪用して混同させようとした。〔23:50 - 2015年8月2日 〕――
ここで、党として自民党が動いた。
働きかけた相手は、
朝日新聞社だ。
その結果、
日経新聞の報道によれば、朝日新聞社が冨永氏に厳重注意し、
お詫びを記すように指示することになったと、
リテラが報告している。
☆ 記事URL:http://lite-ra.com/2015/08/post-1357.html
僕が上述した
(2)の論点、
「朝日新聞の生贄精神」がいかんなく発揮された。
ツイートの発信人、
冨永 格(ただし)@tanutinn さんは、
――先ほどのヘイトデモの写真と英仏両語でのツイートにたくさんの返信をいただきました。審議中の安保法案と結びつけて語る方も多く、誤解を招いてしまったようです。本意ではありませんので関連ツイートとともに削除しました。お騒がせしました。〔21:52 - 2015年8月2日 〕――
と謝罪した。
自民党側はこれで満足せず、英・仏語でも謝罪しろと言う。
下は、謝罪・取り消しを求められたツイートのキャプチャーだ。
仏語文も、
英語で書かれた文章と同じとすれば、
「東京での日本人の国家主義者によるデモ。彼らは安倍首相と彼の保守的な政権を支持している」
という日本語文の翻訳だ。
これで、
一挙に「安倍政権=極右」論が
沈静化するだろうか。
むしろ逆だろうな。
大人気がないと思って、呆れ果てただけだろう。
一ジャーナリストに
組織上層部を通して圧力をかけさせるなど、
安倍某は、また、世界の笑い者になる
逸話を提供しただけだ。
冨永は、
求められるままに
――I deleted while ago my tweet on hate demonstration in Tokyo fearing it may mislead my intention. I am sorry to that.〔21:52 - 2015年8月2日 〕――
とツイートされていた。
「レッテル張りだ!」
という
安倍政権支持者たちの主張は通った。
かくして、
「ヘイト団体が自民を支持しようと、自民がヘイトを支持する意味にはならない」
という傲慢な考えに
天声人語を6年も担当した
朝日新聞編集委員の富永格氏が膝を屈した。
ここまで来て、
クレームの意味が変わってしまっているのがわかるだろうか。
最初の時点では、
「この写真は、中国系マフィア撲滅デモのもので『安保法案を支持する国民大行進 in 銀座』のものではない」
ということを根拠にした
「ネオナチの我々は、安倍政権を支持していない」旨の主張だった。
上述したように、
この主張は、
正当ではないというべきだ。
しかし、その見方を前提にして
朝日新聞の記者に因縁をつけていたはずだ。
それが自民党を介すことで、
「ヘイト団体が自民を支持しようと、自民がヘイトを支持する意味にはならない」
という上から目線の命題に変換された。
「子分のすること、
必ずしも親分の責任じゃない。
だから、親分のことは親分と呼んじゃなんねい。
社長と呼べ」
というお話とどこがどう違うのだろう。
結局は、強い者に屈服するわけだ、
あの鉤十字の旗を振り回していた人は!
結論的に
ネオナチなどヘイト団体が
自民を支持しようと、自民がヘイトを支持する意味にはならないという
ネオナチ側の片思いが明確になったことで、
最初の、
「安保賛成のデモ参加者」
示すものとして
写真の転用をするなという主張を支える、
「我々は、愛国者として、安倍政権を支持していない」
という根拠が剥落した。
つまり、根拠のない、
ただの言い掛かりにすぎないことが証明されてしまった。
もう一度、
僕が引用した富永氏のツイートを思い出して欲しい。
「ヘイトデモの写真は昔の話だと思います。いまやったらまた支持率が落ちちゃいますから。さすがにそこまで馬鹿ではない」
このツイートにある「ヘイトデモの写真は昔の話」という指摘から、
違うデモにおいて撮られた写真の、
初めから知った上での転用だったことが明らかだ。
政府が
自分たちのクレームに乗っかるや、
「我々は、安倍政権を支持していない」
という部分は知らぬ振りでは、
安倍政権同様に
ご都合主義の非難は免れない。
外国のメディアは、
ここまでは直ぐに見抜けないだろう。
しかし、
政府がまるで利益のためには国を売るマフィアであるがごとく、
「ヘイト団体が自民を支持しようと、自民がヘイトを支持する意味にはならない」
という考えを
一ジャーナリストに押し付けたという
結果を
誤解なく受け止めたろう。
すなわち、
自民党という党組織は、
如何に熱烈に支持されようが恩顧で応えない
情のない団体ということだ。
ジャーナリストや個々のコメンテイターの意見に
介入すべきでないという教訓は、
古賀茂明氏の
爆烈で
得たはずなのに、
今度は世界を舞台にして
その視野の狭量さを見せつけた。
これでなお、
国益の毀損に気づかない
安倍某って
何なのだろうか。
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