のんきに介護

母親と一緒の生活で、考えたこと書きます。

きけわだつみのこえ(第二集) / 松永茂雄さん

2014年02月12日 09時17分44秒 | きけわだつみのこえ(2)
松永さんの略歴。

1913年4月30日生。東京都出身。

1934年、陸軍第一歩兵隊に入隊。1935年、除隊。

1935年、花岡学院商学部教員を経て、1936年、国学院大学文学部予科入学

1937年10月15日、陸軍に入隊。中国各地を転戦。

1938年11月28日、上海の野戦病院にて病死。享年、25歳。

<メモより>

まだ暑さの去らない街に毎日、出征兵を送る万歳の声が続いた。「行きたいでしょう」。ときどき人に訊かれる。私は黙って笑っておく。…

安価なセンチメンタリズム、発作的なヒロイズム、そいて盲目的なパトリオチズム〔愛国主義〕、学徒にはすべて禁制である。

――***――***――

まだまだ続きます。

この方の残された文章の中で

一番、印象深い件を

抜き書きさせて頂きました。

なぜ、印象深かったと言うと、

「安価なセンチメンタリズム、発作的なヒロイズム、そいて盲目的なパトリオチズム」

という三つともが

百田尚樹原作の小説、

「永遠のゼロ」

描かれていたからです。

妻に

「必ず帰る」

というセンチメンタリズム。

部下の名誉を守るため、

上官のビンタ(平手打ち)を受ける

主人公のヒロイズム、

それから最後に、

敵の空母だか、戦艦に突っ込むパトリオチズム。

ねっ、

どれもこれもが

御禁制の品々です。

何だか、

可笑しいでしょ?

僕は、

本屋でこの岩波文庫「きけわだつみのこえ(第二集)」

を買ってきて、

現在平和だからこそ、

安価なセンチメンタリズム、

発作的なヒロイズム、

そいて盲目的なパトリオチズムの3つともに

満喫できるんだということ、

できるだけ多くの人に知って頂きたく、

この記事を書きました。

後の時代に生きる

我々は

粉飾された過去を通して

生きやすかったか

否かを

検証しようとします。

しかし、元々のデータは

歪められていると見ていいです。

特攻隊の戦法も

当然に“盲目的”だった結末だけ

見て知っています。

しかし、戦闘行為は、

合理的でなければ勝てない

ことぐらい

源平合戦の昔から

分かっていたはずです。

それなのに、

太平洋戦争では

兵士に

特攻隊というこれ以上にない

盲目的な

戦闘法をとらせました。

合理的に

ものを考える民族なのに

盲目的ならざるをえなくなったところに

日本の悲劇がありました。

なぜ、

そうなったのかを

真剣に考え、

反省し、

常に肝に銘じることで

初めて

真に戦争という惨劇を

繰り返さずに済む道を歩めるのだと思います。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿