Story
1960年代のニュージーランドの小さな町、インバカーギル。ここに住むバート・マンロー(アンソニー・ホプキンス)は60歳を過ぎたスピード狂。今日も早朝からエンジンの爆音を轟かせ、近所の顰蹙を買う。彼のマシーンは1920年型のインディアン・スカウト。改良に改良を重ね、スピードでは並ぶものが無い程の性能を誇っている。彼の凄いところは、ほとんど手作りで改造を行っていることだ。今日もシリンダーヘッドを自ら鋳造しているところで、そんな彼を隣家の少年トムは尊敬のまなざしで見つめている。年はとっても少年の心を失わないバートにとって、トムは良き理解者であり友達である。そんなバートの夢は、ライダーの聖地、アメリカのボンヌヴィルで世界記録に挑戦することだ。家を抵当に入れて渡航費を工面した彼は、単身アメリカに渡り、ボンヌヴィルを目指すのだった。
2005年/アメリカ/ロジャー・ドナルドソン監督作品
評価 ★★★★☆
観終わった後、とてもいい気持になる映画です。こんな、幾つになっても夢を失わない不良老人は尊敬してしまいますね。
ニュージーランドでの彼のマシン命の生活ぶりからして面白いですが、浜辺でレースを挑まれたりして敵対していると思われていた暴走族が、アメリカに渡る彼に餞別を渡して元気づけるところなんか、最近の映画では忘れられてしまったような人情味のあるシーンでいいですね。
スピード狂の映画なんだけど、アメリカに渡ってボンヌヴィルを目指すところからは、のんびりタッチのロードムービーとなります。行く先々で出会う人々とのふれあいが微笑ましく描かれています。バート・マンローという人の人柄が相手のガードを下げる働きがあるんですね。アメリカで最初に知り合ったモーテル受付の青年がオカマだったりと、素朴なニュージーランドの情景から一転して、アメリカでは何でもありの世相が描写されます。そのオカマの青年がバートにほめられて、次の日おしゃれをしてくるところなんか、おかしいですね。そのほか、インディアンの老人や農場の未亡人とのふれあいが印象に残りますが、最後の方で車で拾う兵士が、ベトナムでエージェント・オレンジ(枯葉剤)散布作戦に従事しているらしいという所など、当時の世相を反映しています。
レース場に着いてからは、錚々たるハイテクマシーンに混じって、バートのマシーンだけが手作りでみすぼらしいので、大丈夫かいな?と思わせるのですが、これが走り出したら最後、凄いスピードになるのが爽快です。選手として事前登録してないから出場できないかも、とか何とかのゴタゴタの後、いよいよ本番の走行となるのですが、このシークエンスがこれまでののんびりタッチをふっ飛ばすような迫力です。
ついに世界記録突破!となるのはお約束とは言え、手に汗にぎるシーンでした。
これが実話で、この後もバートは6回も出場したというのですからホントただ者ではないですね。
(「世界最速のインディアン」2007年2月 名古屋 ゴールド劇場にて鑑賞)
1960年代のニュージーランドの小さな町、インバカーギル。ここに住むバート・マンロー(アンソニー・ホプキンス)は60歳を過ぎたスピード狂。今日も早朝からエンジンの爆音を轟かせ、近所の顰蹙を買う。彼のマシーンは1920年型のインディアン・スカウト。改良に改良を重ね、スピードでは並ぶものが無い程の性能を誇っている。彼の凄いところは、ほとんど手作りで改造を行っていることだ。今日もシリンダーヘッドを自ら鋳造しているところで、そんな彼を隣家の少年トムは尊敬のまなざしで見つめている。年はとっても少年の心を失わないバートにとって、トムは良き理解者であり友達である。そんなバートの夢は、ライダーの聖地、アメリカのボンヌヴィルで世界記録に挑戦することだ。家を抵当に入れて渡航費を工面した彼は、単身アメリカに渡り、ボンヌヴィルを目指すのだった。
2005年/アメリカ/ロジャー・ドナルドソン監督作品
評価 ★★★★☆
観終わった後、とてもいい気持になる映画です。こんな、幾つになっても夢を失わない不良老人は尊敬してしまいますね。
ニュージーランドでの彼のマシン命の生活ぶりからして面白いですが、浜辺でレースを挑まれたりして敵対していると思われていた暴走族が、アメリカに渡る彼に餞別を渡して元気づけるところなんか、最近の映画では忘れられてしまったような人情味のあるシーンでいいですね。
スピード狂の映画なんだけど、アメリカに渡ってボンヌヴィルを目指すところからは、のんびりタッチのロードムービーとなります。行く先々で出会う人々とのふれあいが微笑ましく描かれています。バート・マンローという人の人柄が相手のガードを下げる働きがあるんですね。アメリカで最初に知り合ったモーテル受付の青年がオカマだったりと、素朴なニュージーランドの情景から一転して、アメリカでは何でもありの世相が描写されます。そのオカマの青年がバートにほめられて、次の日おしゃれをしてくるところなんか、おかしいですね。そのほか、インディアンの老人や農場の未亡人とのふれあいが印象に残りますが、最後の方で車で拾う兵士が、ベトナムでエージェント・オレンジ(枯葉剤)散布作戦に従事しているらしいという所など、当時の世相を反映しています。
レース場に着いてからは、錚々たるハイテクマシーンに混じって、バートのマシーンだけが手作りでみすぼらしいので、大丈夫かいな?と思わせるのですが、これが走り出したら最後、凄いスピードになるのが爽快です。選手として事前登録してないから出場できないかも、とか何とかのゴタゴタの後、いよいよ本番の走行となるのですが、このシークエンスがこれまでののんびりタッチをふっ飛ばすような迫力です。
ついに世界記録突破!となるのはお約束とは言え、手に汗にぎるシーンでした。
これが実話で、この後もバートは6回も出場したというのですからホントただ者ではないですね。
(「世界最速のインディアン」2007年2月 名古屋 ゴールド劇場にて鑑賞)
私もゴールド劇場で鑑賞しました(笑)。こういう映画は、結末が分かってても観ていてやはり気分がいい。いつまでも夢中になれるものを持ち続けることは素晴らしいですが、人と人のつながりの素敵さを再認識した映画ですね。こちらからTBさせてくださいね。
ご訪問ありがとうございます。
きっと、豆酢さんとはこれまで何度か映画館で会っているのかもしれませんね。^^
ほんとに、人間同士のふれあいが素敵な映画でした。
それから、こんなに明るいアンソニー・ホプキンスは初めて観たような。
こちらからもTBさせていただきますね。