夫婦でシネマ

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スマイル ~聖夜の奇跡~

2007年12月22日 | さ行の映画
Story
タップダンサーの夢を諦めた修平(森山未來)は、恋人・静華(加藤ローサ)と結婚するため北海道に戻って来た。しかし、厳格な静華の父親はすぐに承諾せず、自分のアイスホッケー・チーム、スマイラーズを優勝させれば、結婚を許すと条件をつけた。修平はスケートも出来ないド素人の上、スマイラーズはこれまで1勝もしたことがない弱小チーム。しかし、子供の心を掴むのが上手い修平のコーチングの甲斐あり、チームは次第にまとまりを見せていく。(goo映画より)
2007年/日本/陣内孝則監督作品





評価 前半 ★★★★ 後半 ★★★☆☆

俳優の陣内孝則が原作・脚本・監督を務めた作品。2本目の監督作品になります。

スケートも滑れなければ、アイスホッケーの経験もゼロのド素人の監督が、得意のタップダンスと児童心理学の知識を生かして、意外な作戦で弱小チームのスマイラーズを勝利に導いていく過程がよく描かれていました。
スマイラーズの監督を演じた森山未来をはじめ、登場人物の一人一人がみな個性的でとってもユニーク!ストーリーもコミカルでテンポよく進んでいくので、期待していなかった分、思っていた以上に楽しめました。

スマイラーズの子供たちは、アイスホッケーの経験者ということで選ばれたそうで、演技は初体験だそうです。だから、演技の方はちょっと?というところもあったけど、経験者ということで、ホッケーの試合はまるでプロの試合を観ているような臨場感溢れる場面になっています。さらに、試合を応援する森山のタップダンス(めちゃ上手かったです!)がホッケーの試合と合わせて映し出されると、ぐんと盛り上がって、見応え充分でしたね。
物語の前半はつかみも良く、4つあげてもいいくらい好調な滑り出しだったのですが、中盤以降になると、依然としてコミカルな部分が強く出過ぎていて、ちょっと悪ノリしすぎた感があり、3つと下がってしまいました。

また、スマイラーズの子供たちの憧れのマドンナに、フィギュアの美少女が登場しますが、彼女が難病に侵されているという設定は必要なかったのではないかと思います。最近の日本映画でよく使われる設定なだけに、涙を誘うドラマチックな展開にしたかったとはいえ、かえって安っぽく見えてしまう。
「病気と闘う彼女のために、全国大会で優勝する。」というスローガンを掲げなくても、一度も勝ったことがない弱小チームが優勝するだけで、充分に奇跡だし、感動的な場面になると思うので、私は「誰かのために」ではなく、「自分のために」頑張る方が素直に共感できたように思います。
子供たちのそれぞれが家庭や自分自身にコンプレックスを持っているという設定だったので、「自分に自信を持つ」というテーマで試合に勝ち進んでいくだけでも、充分に面白い映画になったと思いますね。

それから、主人公の修平も、最初は違う動機で始めたチームの監督とはいえ、チームが勝ち進んでいくうちに、監督業の楽しさとか、チームに乗めり込んでいくような姿、もっとスマイラーズに対する愛情みたいなものが感じられたら良かったです。一度はタップダンスで挫折しているので、その苦悩とか、ホッケーという新しい道を見つけた喜びみたいなものを、もっと深く降り下げて描いてほしかったように思います。その辺りをさらっと描きすぎているせいか、最終的にチームが優勝しても感動が迫ってこなかったです。

陣内孝則らしい彼の明るい人柄が伝わってくる楽しい映画でしたが、全体的にコミカルな部分ばかりが目立ってしまって、肝心のドラマの部分が弱かったために、観終わって深い印象を残さない映画になってしまいました。
せっかく、キャラクターが面白くて、エピソードの一つ一つも描き方によってはぐんと面白くなる映画だったと思うので、なんだかもったいなかったですね。


映画『スマイル ~聖夜の奇跡~』公式サイト


(「スマイル ~聖夜の奇跡~」2007年12月 長野市 長野グランドシネマにて鑑賞)

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
TB&コメント、ありがとうございました♪ (テクテク)
2007-12-23 10:03:55
こんにちは
実は私も、この映画には、
あまり感動できませんでした…

物語自体は悪くないと思うのですが、
過程の描き方、表現方法に問題があったせいか、
あの優勝シーンも、
「ふーん」といった感じでしか観れず、
残念な作品に終ってしまいました

面白可笑しいシーンも、お茶の間向けで、
全体的にはテレビドラマのレベル…
映画としては、監督の未熟さを否めない作品でした

和製クリンスト・イーストウッドを目指すならば、
映像、音楽、脚本などなど…
もっと「映画の表現力」を勉強して、
頑張って頂きたいモノです

このまでの俳優としての経験や人柄からしても、
磨けば光る感性の持ち主だと思っていますから、
今後の期待を込めて、
私も辛口の感想を書いてしまいました
返信する
こちらこそコメントありがとうございました♪ (nyanco)
2007-12-25 20:47:59
テクテクさん、こんばんは♪
こちらこそ、コメントありがとうございました!
これからもどうぞ宜しくお願いします。

悪くない映画だとは思うのですが、やっぱり表現方法などが今ひとつだったせいか、印象に残らない映画になってしまいました。。
おまけに、あまりにもチームが順調に勝ち進みすぎて、、もう少し優勝するまでの障害とか、挫折みたいなものも描いていたら、ラストももっと感動できたと思うのに、、なんだか残念でしたね~。。

陣内さんはクリント・イーストウッドを目指しているんですか?
それなら、本当に映画についてもっと勉強した方がいいような気がしますね。。
特にシナリオ!やっぱり映画は役者ももちろんですが、脚本が良くないと面白い映画にならないですよね。。
森山未来くんなんて演技力に定評のある役者さんなのに、彼を活かせなかったのはもったいなかったなぁ。。
もっと脚本の勉強をして、次回に期待したいですね。
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