
Story
別世界から来たような天才児、ヴィトス(テオ・ゲオルギュー)。初めて買ったおもちゃのピアノで「ハッピー・バースデー」を弾きこなし、幼稚園で地球温暖化について語り、お遊戯そっちのけで辞書を読みふける。IQは高すぎて計測不能だった。そんなヴィトスに両親は輝かしい未来を夢見ていた。ヴィトスに高い教育を受けさせるために仕事を始めた母に代わり、ベビーシッターのイザベルが雇われた。嫌がるヴィトスだが、やがてイザベルに恋するように。(goo映画より)
2007年/スイス/フレディ・M・ムーラー監督作品

評価 ★★★★☆
天才児ヴィトスの祖父を演じたブルーノ・ガンツが好演!
天才少年を扱ったある種のファンタジー映画。天才と言うからにはさぞかしこまっしゃくれた少年が出てくるんだろうなと予想してたんですが、そんなこと全然ない素直な少年だったのでとても好感が持てました。ほんと、この映画を見ていて天才に憧れてしまいました。
しかし、そんな天才君にも悩みがあって、両親の(特に母親の)過剰な期待が重圧になってしまいます。親に勝手にピアニストという進路を決められてしまい、本当にこれでいいの?と悩む訳です。それをかわすために、凡人に戻ってしまったふりをするところが、この映画の面白さのポイントです。
ブルーノ・ガンツ演じる祖父が少年を天才扱いせずに、普通にあつかっているのが良かった。空を飛ぶことに憧れる、老いても少年の心を失わない役をとてもいい味出して演じていました。ヴィトスも祖父にだけは心を開いてましたね。そうして自分の気持ちを確かめて、自ら操縦桿を握って音楽教師の元へ飛び立つところが爽やかな感動を呼びます。
ハリウッド映画だったら、ここで笑え、ここで泣け、みたいに感情的に盛り上げるところですが、この映画は、感情描写はあくまで控えめにして、あとは観客の感性に委ねるというか、そんな押し付けがましくないところが良いですね。
ところで、ブルーノ・ガンツといえば、「ベルリン 天使の詩」で、天使を辞めて人間として地上に降りて来た役を演じました。もしかしたらこれはその役の延長なのかなと思ったりして。というのは、祖父が飛ぶことに憧れているのは、天使の生活をなつかしんでいるからで、天に召されることで元の天使に戻ったのでは。と、勝手に想像したりしてました。

評価 ★★★★☆
12歳のヴィトスを演じたのは、実際に天才ピアニストでもあるテオ・ゲオルギュー。
「のだめ」のような天才ピアニストのお話かと思ったら、ピアノだけでなく数学など、あらゆる分野の天才児だったので、思ったより面白く観ることができました。この物語のヴィトス少年は、天才児であるがゆえに周りに溶け込めず、孤独感に苛まれていて、天才には天才の悩みがあるのだなーと興味深かったです。
ある事故がきっかけで、ヴィトスは凡人のふりをするのですが、ここからが物語は俄然面白くなってきます。父親の会社が経営不振に陥っていることを知り、その株で大儲けしたり、ベビーシッターのイザベルを(ずっと年上だというのに)高級レストランに誘って恋心を打ち明けてみたりと、自分の人生を取り戻してからのヴィトスの快進撃はすさまじくて面白かったです。観ていて興奮しましたね!
また、以前は母親に無理矢理やらされていたピアノでしたが、本当の自分を取り戻してからのヴィトスが、やっぱりピアノが好き、と気づいて行く過程も良かったです。このヴィトスを演じたテオ・ゲオルギューは、本当にピアノの天才だそうで、彼の目にも止まらぬ早さでピアノを弾く姿には圧倒されました。いやー、神童って本当にいるんですね。
それから、ヴィトスと彼の両親(特に母親)との関係も考えさせられるものがありました。ヴィトスの能力を伸ばしてあげようと、母親は自分のキャリアを捨ててまで彼の教育に専念します。しかし、なかなかヴィトスが自分の思い通りに動いてくれないと、母親がヒステリックに怒るシーンがありました。
うーん、これは子供の教育の反面教師として観れる映画ですね。。放任すぎるのも良くないけど、干渉し過ぎもかえって子供をダメにする、という意味にも取れて感慨深い気持ちになりました。
最初、観る前はまったく期待していなかったのですが、思っていた以上に面白い映画に出会えてラッキーでした。お金をかけてなくても脚本とキャストが良いと、こういった素晴らしい映画が出来るんですね。日本映画でもこういった作品なら作れそうな気がするんですが、最近お目にかかれないのがちょっと残念ですね。
映画『僕のピアノコンチェルト』公式サイト
(「僕のピアノコンチェルト」2008年3月 塩尻市 東座にて鑑賞)
別世界から来たような天才児、ヴィトス(テオ・ゲオルギュー)。初めて買ったおもちゃのピアノで「ハッピー・バースデー」を弾きこなし、幼稚園で地球温暖化について語り、お遊戯そっちのけで辞書を読みふける。IQは高すぎて計測不能だった。そんなヴィトスに両親は輝かしい未来を夢見ていた。ヴィトスに高い教育を受けさせるために仕事を始めた母に代わり、ベビーシッターのイザベルが雇われた。嫌がるヴィトスだが、やがてイザベルに恋するように。(goo映画より)
2007年/スイス/フレディ・M・ムーラー監督作品

評価 ★★★★☆
天才児ヴィトスの祖父を演じたブルーノ・ガンツが好演!
天才少年を扱ったある種のファンタジー映画。天才と言うからにはさぞかしこまっしゃくれた少年が出てくるんだろうなと予想してたんですが、そんなこと全然ない素直な少年だったのでとても好感が持てました。ほんと、この映画を見ていて天才に憧れてしまいました。
しかし、そんな天才君にも悩みがあって、両親の(特に母親の)過剰な期待が重圧になってしまいます。親に勝手にピアニストという進路を決められてしまい、本当にこれでいいの?と悩む訳です。それをかわすために、凡人に戻ってしまったふりをするところが、この映画の面白さのポイントです。
ブルーノ・ガンツ演じる祖父が少年を天才扱いせずに、普通にあつかっているのが良かった。空を飛ぶことに憧れる、老いても少年の心を失わない役をとてもいい味出して演じていました。ヴィトスも祖父にだけは心を開いてましたね。そうして自分の気持ちを確かめて、自ら操縦桿を握って音楽教師の元へ飛び立つところが爽やかな感動を呼びます。
ハリウッド映画だったら、ここで笑え、ここで泣け、みたいに感情的に盛り上げるところですが、この映画は、感情描写はあくまで控えめにして、あとは観客の感性に委ねるというか、そんな押し付けがましくないところが良いですね。
ところで、ブルーノ・ガンツといえば、「ベルリン 天使の詩」で、天使を辞めて人間として地上に降りて来た役を演じました。もしかしたらこれはその役の延長なのかなと思ったりして。というのは、祖父が飛ぶことに憧れているのは、天使の生活をなつかしんでいるからで、天に召されることで元の天使に戻ったのでは。と、勝手に想像したりしてました。

評価 ★★★★☆
12歳のヴィトスを演じたのは、実際に天才ピアニストでもあるテオ・ゲオルギュー。
「のだめ」のような天才ピアニストのお話かと思ったら、ピアノだけでなく数学など、あらゆる分野の天才児だったので、思ったより面白く観ることができました。この物語のヴィトス少年は、天才児であるがゆえに周りに溶け込めず、孤独感に苛まれていて、天才には天才の悩みがあるのだなーと興味深かったです。
ある事故がきっかけで、ヴィトスは凡人のふりをするのですが、ここからが物語は俄然面白くなってきます。父親の会社が経営不振に陥っていることを知り、その株で大儲けしたり、ベビーシッターのイザベルを(ずっと年上だというのに)高級レストランに誘って恋心を打ち明けてみたりと、自分の人生を取り戻してからのヴィトスの快進撃はすさまじくて面白かったです。観ていて興奮しましたね!
また、以前は母親に無理矢理やらされていたピアノでしたが、本当の自分を取り戻してからのヴィトスが、やっぱりピアノが好き、と気づいて行く過程も良かったです。このヴィトスを演じたテオ・ゲオルギューは、本当にピアノの天才だそうで、彼の目にも止まらぬ早さでピアノを弾く姿には圧倒されました。いやー、神童って本当にいるんですね。
それから、ヴィトスと彼の両親(特に母親)との関係も考えさせられるものがありました。ヴィトスの能力を伸ばしてあげようと、母親は自分のキャリアを捨ててまで彼の教育に専念します。しかし、なかなかヴィトスが自分の思い通りに動いてくれないと、母親がヒステリックに怒るシーンがありました。
うーん、これは子供の教育の反面教師として観れる映画ですね。。放任すぎるのも良くないけど、干渉し過ぎもかえって子供をダメにする、という意味にも取れて感慨深い気持ちになりました。
最初、観る前はまったく期待していなかったのですが、思っていた以上に面白い映画に出会えてラッキーでした。お金をかけてなくても脚本とキャストが良いと、こういった素晴らしい映画が出来るんですね。日本映画でもこういった作品なら作れそうな気がするんですが、最近お目にかかれないのがちょっと残念ですね。
映画『僕のピアノコンチェルト』公式サイト
(「僕のピアノコンチェルト」2008年3月 塩尻市 東座にて鑑賞)
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます