Story
定年退職から僅か3年、夫・隆之(寺尾聡)は心臓発作であっけなく逝ってしまった。葬儀の後、隆之の携帯にかかってきた電話がきっかけで、敏子(風吹ジュン)は夫に10年来の愛人(三田佳子)がいたことを知り愕然とする。さらには、突然同居を宣言する長男(田中哲司)の身勝手さにも嫌気がさし家を飛び出すが、行く宛てはない。生まれて初めてカプセルホテルに泊まり、そこで宮里(加藤治子)という老女に出会う。宮里は悲惨な身の上話を聞かせ、お代として1万円を要求するのだった……。(goo映画より)
2007年/日本/阪本順治監督作品
評価 ★★★★☆
この映画は夫に先立たれた専業主婦が、突然、発覚した夫の愛人に困惑しながらも、自立して、その後の人生も精一杯楽しもうと懸命に頑張る物語です。
今までは夫と子供のために生きてきた真面目な主婦が、夫に裏切られたという思いから、少しずつハメを外して不良主婦になっていく様は、観ていてとても面白かったですね。
身勝手な子供たちに腹を立てて、家出をしてカプセルホテルに泊まったり、夫の蕎麦打ち会の友人男性と(夫へのあてつけから)不倫をしたり、居酒屋で酔いつぶれるほど飲んでみたり、しまいには夫のゴルフ会員権を取り返そうと、愛人宅まで乗り込んだりします。
風吹ジュンは、このどこにでもいそうな主婦・敏子をコミカルにかわいく演じていて、とても好感が持てました。愛人役の三田佳子もさすが名女優だけあって貫禄がありましたね。二人の対決シーンは、どちらも負けてなくて見応え十分でした。特に三田佳子の「知らないことは罪なのよ」という台詞にはゾクっときましたね。
その他にも、高校時代からの親友、和世(由紀さおり)、栄子(今陽子)、美奈子(藤田弓子)とのやり取りも良かったですね。みんなそれぞれ何か問題を抱えているんだけど、親友4人が集まると学生時代の頃に戻ってしまう。特に夫が亡くなって(おまけに愛人問題まで抱えて)落ち込んでいる敏子を慰めようと、みんなでコーラスを歌いだすシーンは(高校時代はコーラス部だったので)とてもじーんとくる良いシーンでした。年をとっても変わらずに続く友情っていいもんだなぁと思います。
カプセルホテルでのエピソードもなかなか良くて、敏子が自分より不幸な生い立ちの宮里に共感して、しだいに元気を取り戻していく姿が面白かったですね。トヨエツ演じるカプセルホテルの従業員であり、宮里の甥である野田と、敏子の間に何かロマンスでも生まれるのではないかと期待していたのですが、実際には敏子が野田を慰めるだけの関係に終わってしまったのが残念です。
ラスト、敏子は映写技師の仕事に就いて、自分の人生を再スタートする形になります。専業主婦がちょっと勉強しただけで、いきなり映写技師の仕事が出来るようになるのは唐突な感じがありましたが、自分の人生を生き直そうと懸命に頑張る姿はエールを送りたくなりました。
ちょっと違和感のあるところもありましたが、映画の感想としては文句なく面白かったので大満足です。
**補足**
この「魂萌え」は、2006年秋にNHK総合テレビの土曜ドラマでも放映されていて、ドラマ版での敏子役は高畑淳子で、愛人役は高橋恵子だったそうです。そっちの方がキャスト的には合っているような気がしますね。。^^; このドラマ版も観たかったです。
(「魂萌え」2007年3月 松本 上土シネマにて鑑賞)
定年退職から僅か3年、夫・隆之(寺尾聡)は心臓発作であっけなく逝ってしまった。葬儀の後、隆之の携帯にかかってきた電話がきっかけで、敏子(風吹ジュン)は夫に10年来の愛人(三田佳子)がいたことを知り愕然とする。さらには、突然同居を宣言する長男(田中哲司)の身勝手さにも嫌気がさし家を飛び出すが、行く宛てはない。生まれて初めてカプセルホテルに泊まり、そこで宮里(加藤治子)という老女に出会う。宮里は悲惨な身の上話を聞かせ、お代として1万円を要求するのだった……。(goo映画より)
2007年/日本/阪本順治監督作品
評価 ★★★★☆
この映画は夫に先立たれた専業主婦が、突然、発覚した夫の愛人に困惑しながらも、自立して、その後の人生も精一杯楽しもうと懸命に頑張る物語です。
今までは夫と子供のために生きてきた真面目な主婦が、夫に裏切られたという思いから、少しずつハメを外して不良主婦になっていく様は、観ていてとても面白かったですね。
身勝手な子供たちに腹を立てて、家出をしてカプセルホテルに泊まったり、夫の蕎麦打ち会の友人男性と(夫へのあてつけから)不倫をしたり、居酒屋で酔いつぶれるほど飲んでみたり、しまいには夫のゴルフ会員権を取り返そうと、愛人宅まで乗り込んだりします。
風吹ジュンは、このどこにでもいそうな主婦・敏子をコミカルにかわいく演じていて、とても好感が持てました。愛人役の三田佳子もさすが名女優だけあって貫禄がありましたね。二人の対決シーンは、どちらも負けてなくて見応え十分でした。特に三田佳子の「知らないことは罪なのよ」という台詞にはゾクっときましたね。
その他にも、高校時代からの親友、和世(由紀さおり)、栄子(今陽子)、美奈子(藤田弓子)とのやり取りも良かったですね。みんなそれぞれ何か問題を抱えているんだけど、親友4人が集まると学生時代の頃に戻ってしまう。特に夫が亡くなって(おまけに愛人問題まで抱えて)落ち込んでいる敏子を慰めようと、みんなでコーラスを歌いだすシーンは(高校時代はコーラス部だったので)とてもじーんとくる良いシーンでした。年をとっても変わらずに続く友情っていいもんだなぁと思います。
カプセルホテルでのエピソードもなかなか良くて、敏子が自分より不幸な生い立ちの宮里に共感して、しだいに元気を取り戻していく姿が面白かったですね。トヨエツ演じるカプセルホテルの従業員であり、宮里の甥である野田と、敏子の間に何かロマンスでも生まれるのではないかと期待していたのですが、実際には敏子が野田を慰めるだけの関係に終わってしまったのが残念です。
ラスト、敏子は映写技師の仕事に就いて、自分の人生を再スタートする形になります。専業主婦がちょっと勉強しただけで、いきなり映写技師の仕事が出来るようになるのは唐突な感じがありましたが、自分の人生を生き直そうと懸命に頑張る姿はエールを送りたくなりました。
ちょっと違和感のあるところもありましたが、映画の感想としては文句なく面白かったので大満足です。
**補足**
この「魂萌え」は、2006年秋にNHK総合テレビの土曜ドラマでも放映されていて、ドラマ版での敏子役は高畑淳子で、愛人役は高橋恵子だったそうです。そっちの方がキャスト的には合っているような気がしますね。。^^; このドラマ版も観たかったです。
(「魂萌え」2007年3月 松本 上土シネマにて鑑賞)
高畑淳子と関根恵子というのもなかなかよかったですが、意外性という意味では映画のほうが意外な配役でおもしろかったです。
TB&コメントありがとうございました。
確かにドラマ版より映画の方が意外性のあるキャストで面白いですね。^^
特に愛人役に三田佳子を起用したあたりが凄いと思いました。
ドラマと映画、両方観て比べてみたかったですね。(^^)