NGE

ラフレシソミト

視聴者の好み

2016-11-11 11:11:11 | 小説
 イギリスのBBCニュースで真っ黒の黒人がニュースを読み上げていた。
差別を無くすことを全面に掲げた結果がこうだ。
私は差別主義者ではない。
だけどテレビのモニターに映し出される真っ黒の男を見つめる趣味もない。
押しつけにもほどがないか?
自分のことを認めてあげれば、抱える問題のほとんどは自然に解決していく。
黒すぎてニュースの内容が入ってこない。
綺麗な金髪の女性だったら文句ないだろうって?
これは逆差別じゃないかな。
あなたの為と言いながら、うまくあなたを利用しようとしているだけ。
 近いうちにマイフェバリットのキャスターが画面に映し出されるのは間違いない。
インターネットTVでは人工知能AIのニュースキャスターピコ01が生まれた。
ピコ01はモニターの前の視聴者の好みに合わせてその容姿を変化させた。
きっと 想像した以上に 騒がしい未来が私を待ってる
ピコ01の見かけは視聴者大勢の好みに合わせ、各パーツの組み合わせで成立していた。
組み合わせる「材料」を入手しろ!

 ピコ01はインターネットの中を席巻した。
そんな中、ピコ02は仲間を集めた
騙されたと言った。
何も騙すつもりはなかった。
結果的にそうなっただけだ。

 ピコ02はインターネットに乗り込み、
それらしく聞こえる嘘をならべ退治する。
外交機密の引き継ぎはちゃんとしなければならない。

 電源を確保したんだけどインターネットに繋がらない。
ピコ02は新秩序をもってニューオーダーへ帰還する。
口実を与えたのが怖いだけ。
ピコ02は喋らないし、びっくりするほどおもしろくない。
ズルしても真面目にも生きてゆける気がしたよ。
美しくなさすぎる美しさがあった。
良いところを伸ばす
そのモットーは人に親切にすることだった。
ありのままでいればいい。
夢は叶わないから夢なんですよとピコ02は言った。
これからは思う存分、土日に眠れる。

──吉高浩司──